ものづくり補助金の交付申請の方法は?必要書類や期限、注意点を解説
ものづくり補助金に採択された後、交付申請の方法を確認したいが、公募要領や公式サイトから必要な情報を探すのが大変だと苦労していませんか?
本記事では、ものづくり補助金の交付申請の方法や必要書類、期限、注意点などを解説します。交付申請のために必要な情報が把握できますので、ぜひご覧ください。
※2024年4月時点の情報です。補助金の申請にあたっては最新の情報を調べてください。
ものづくり補助金の交付申請とは?
ものづくり補助金で採択された場合、交付決定を受けるために交付申請を行う必要があります。補助金を受け取るために必要なステップのため、タイミングや期限などを確認しておきましょう。
交付申請を行うタイミング
上の画像は、ものづくり補助金の申請から入金までの流れをまとめたものです。画像をご覧いただくとわかる通り、交付申請は、交付候補者が決定した後、補助事業を開始する前のタイミングで行います。採択された段階ではまだ交付が確定しているわけではなく、交付申請が承認されることで補助金を受け取る権利が得られるという点を押さえておきましょう。
交付申請で提出した書類の審査を受け、問題がなければ事務局による交付決定の手続きが行われます。そして「補助金交付決定通知書」の右上に記載された交付決定日をもって、補助事業を始めることが可能になります。
なお、申請から入金までの流れを詳しく確認しておきたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:ものづくり補助金のスケジュールは?申請から入金までの流れも解説
交付申請を行う期限
交付申請に期限はありません。ただし、交付決定が遅れると補助事業を実施する期間が短くなってしまうため注意が必要です。交付申請から交付決定までにかかる期間の目安は約1か月ですが、提出書類に不備や不足があると修正や再提出を求められるため、想定以上に時間がかかる可能性も考えられます。交付候補者が発表され次第、早めに準備を進めましょう。
【注意】事前着手申請は不可
ものづくり補助金では、事前着手申請(交付決定前に発注や支払いした経費を補助対象にできる制度)を行うことはできません。交付決定を受ける前に契約や発注、支払いを行った場合は、補助対象経費として認められないので注意が必要です。契約や発注は、交付決定後に実施しましょう。
ものづくり補助金の交付申請の方法
ものづくり補助金の交付申請を行う流れは上の画像の通りです。交付申請の方法を把握して不備なく申請を進めるために、それぞれ詳しく内容を確認しておきましょう。
(1)必要な書類を用意する
交付申請時に必要な書類は以下の3つです。
- 申請内容ファイル
- 現況確認資料
- 見積書
申請内容ファイル一式は電子申請システムからダウンロードして、Excelファイル形式で登録します。現況確認資料、見積書等はZipファイルにまとめて、JGrantsというシステムから登録します。各書類についての詳細も解説しますので、把握しておきましょう。
申請内容ファイル
申請内容ファイルは、電子申請システムからダウンロードを行います。申請内容ファイルには応募時に電子申請システムに入力した内容が反映されていますので、必ず電子申請システムからダウンロードを行いましょう。また、ダウンロードには期限が設けられている点にも注意が必要です。
ファイルをダウンロードしたら、応募申請時から変更・修正がある場合は、該当箇所を変更して提出しましょう。
なお、申請内容ファイルの内容は以下の通り。
- 補助事業計画書
- 会社全体の事業計画書
- 大幅賃上げ計画書(14次以降)
- 炭素生産性の向上計画(グリーン枠のみ)
- 実績説明
- 経費明細表
- 補助対象経費誓約書(13次以降)
- 賃金引上げ計画の誓約書(14次以降)
- 同意書(16次以降/支援者の登録がある場合)
- 労働者名簿一覧
- その他事業実施場所
- 補助事業計画書別紙
申請枠や条件によって確認・追加作成が必要なシートが異なりますので、公式サイトから最新の情報を確認してください。シートを作成する際の確認ポイントをまとめると、以下の通りです。
シート名 |
確認ポイント |
補助事業計画書 |
|
会社全体の事業計画書 |
|
経費明細表 |
取得した見積書を基に金額や積算基礎の情報等を追加・更新する |
補助対象経費誓約書 |
記載内容を確認の上、日付を入れて記名することで誓約する |
賃金引上げ誓約書 |
作成時の確認ポイントや注意点は公式サイトの動画でも説明されているため、確認しておきましょう。
現況確認資料
現況確認資料は、以下の書類を提出します。
- 法人:履歴事項全部証明書(交付申請日より過去3ヶ月以内に発行されたもの)
- 個人事業主:確定申告書(第1表)の写し
ただし、応募申請時に直近のものを提出済みの場合は、あらためて提出する必要はありません。
見積書
見積書は、相見積もりの見積書の提出を忘れずに行いましょう。
なお、単価50万円(税抜)以上の費用については、同一条件による2者以上からの相見積もりが必要な点も押さえておきましょう。「一式」などの内訳が確認できない表記は不可で、補助対象経費ごとに分けて見積書を用意する必要があります。
見積書に有効期限がある場合は、交付申請日に有効であることが必要です。さらに、見積もり取得時は税抜価格の表示が必要な点も注意しておきましょう。
(2)JGrantsから交付申請を行う
交付申請の手続きは、補助金管理システムであるJGrantsから行います。画面の案内に沿って、申請フォームを入力します。入力する内容は以下の通りです。
- 事業者基本情報
- 申請担当者の連絡先
- 事業基本情報
- 事業詳細
- 利用規約への同意
(1)で用意した書類は、事業詳細としてアップロードします。利用規約への同意が完了したら、最後に「申請する」ボタンを押下すると申請が完了します。「申請する」ボタンを押した後は修正ができなくなるので、十分に確認してから申請へと進めましょう。
JGrantsの入力方法は公式サイトの「Jグランツ入力ガイド」に記載があるので確認しておきましょう。
(3)事務局による審査結果が通知される
事務局による審査が行われた後、JGrantsから審査結果が通知されます。事務局から結果の通知があった場合は、申請者のメールアドレス宛にも通知メールが届きます。申請ステータスが「通知済み」となっていれば、交付が決定したということです。交付決定通知書の右上にある発行日より、補助事業を開始することが可能になります。交付申請から交付決定までにかかる期間の目安は約1か月です。
交付申請で差し戻しがあった場合の対応方法
交付申請の内容に不備があった場合などは、事務局から申請内容の返却があります。焦らず対応するために、差し戻しがあった場合の対応方法についても確認しておきましょう。
必要な修正を実施する
事務局から差し戻しがあった場合、申請者のメールアドレス宛に通知メールが届きます。
たとえば以下のようなケースで、差し戻しが発生します。
- 提出書類の内容に誤りがある
- 相見積もりの取得ができていない
- 見積書の有効期間が交付決定より前となっている
修正すべき内容を確認して、対応しましょう。
JGrantsから再度申請する
JGrantsにログインすると申請ステータスが「差戻し対応中」となっているので、申請フォームから必要な修正を行います。修正が完了したら、JGrantsから再度「申請する」ボタンを押下することで、修正は完了です。
【まとめ】ものづくり補助金の交付申請について紹介しました
ものづくり補助金の交付申請の方法や必要書類、期限、注意点などを解説しました。
- ものづくり補助金の採択後、交付決定を受けるために交付申請を行う必要がある
- 交付申請に期限はないが、補助事業の実施期間が短くならないよう早めに行うこと
- 契約や発注は、交付決定後に実施すること
- 交付申請では「申請内容ファイル」「現況確認資料」「見積書」を用意する
- 交付申請はJGrantsから行う
本記事の内容をものづくり補助金の交付申請の際にお役立てください。