【2023年】ECサイト構築で利用可能な補助金は?採択事例や種類を解説!

【2023年】ECサイト構築で利用可能な補助金は?採択事例や種類を解説!

ECサイト構築のために補助金の利用を検討しているが、どの補助金が利用できるか分からずお困りではないでしょうか。

本記事ではECサイト構築に利用できる補助金の種類から、各補助金の概要、採択事例を紹介します。リニューアルでも利用できるのかについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. 1. ECサイト構築で利用可能な補助金とは
    1. 1-1. ECサイトのリニューアルに補助金は利用可能?
  2. 2. IT導入補助金【デジタル化基盤導入枠】
  3. 3. 小規模事業者持続化補助金
  4. 4. ものづくり補助金
  5. 5. 事業再構築補助金
  6. 6. ECサイト構築の補助金 採択事例
    1. 6-1. 株式会社IIE(IT導入補助金)
    2. 6-2. ミツワ株式会社(ものづくり補助金)
    3. 6-3. 玄海肴処 旬風(事業再構築補助金)
  7. 7. ECサイト構築で利用できる補助金をまとめました

ECサイト構築で利用可能な補助金とは

ECサイト構築で利用できる補助金には、以下のものが挙げられます。それぞれ要件に違いがあるため、自社の状況や要件に合ったものを選ぶことが大切です。それぞれの概要については、次の見出しで詳しく解説します。

ECサイト構築で利用可能な補助金

ECサイトのリニューアルに補助金は利用可能?

ECサイトの新規構築ではなく、リニューアルで補助金を利用したい人もいるのではないでしょうか。

補助金の多くは新規導入を主としており、リニューアルの場合は適用外になる可能性が高いといえます。ただし要件で「新規構築のみ利用可能」などの記載がない場合は、利用できる可能性も0ではありません

ECサイトのリニューアルで補助金の利用を検討している場合は、事前に各補助金の窓口に問い合わせましょう。

IT導入補助金【デジタル化基盤導入枠】

IT導入補助金はITツール導入に役立つ補助金です。デジタル化基盤導入枠では、会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフトなどのITツールを新規導入する際に利用できます。

ECサイトのリニューアルについては、「ECソフトを新規導入する」ことが必要です。そのため、既存のECソフトから新しく乗り換えなどの場合には、利用できる可能性があります。

なお、IT導入補助金は飲食店でも利用可能です。ECサイトに加え、決済ソフトやPOSレジなど、飲食店の業務効率化につながるツールも導入できます。

補助金の上限は最大で350万円で補助率は2/3です。2023年5月時点で直近の締切は、6月2日(金)17時までと設定されています。他にも申請時にはIT導入支援事業者の登録申請等が必要ですので、詳しくは公式サイトをご確認ください。

関連記事:IT導入補助金とは?対象者や補助額、申請方法を解説【注意点も】

参考:IT導入補助金2023|デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が働き方改革や最低賃金の引き上げ、インボイス制度への対応など、さまざまな制度変更に対応するのを支援する補助金です。

小規模事業者の対象となるのは、業種ごとに以下の通り定められています。

業種

常時使用する従業員の数

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)

5人以下

宿泊業・娯楽業

20人以下

製造業その他

20人以下

小規模事業者の対象であれば、飲食店でも利用できます

小規模事業者持続化補助金は販路開拓の取組を主としており、Webサイト関連費のみでの申請はできません。そのため、ECサイト構築のみの場合は利用対象外です。

ただし、上記の条件を満たす場合は、ECサイトリニューアルも対象外とはなっていないため、計画の内容次第では利用できる可能性も0ではありません。

小規模事業者持続化補助金の補助額の上限は最大で最大で200万円、補助率は2/3です。2023年5月時点で直近の公募は第12回で、事業支援計画書の受付締切は5月25日(木)、申請受付締切は6月1日(木)までです。

関連記事:小規模事業者持続化補助金とは?種類や補助率、対象者について解説

参考:商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金

ものづくり補助金

ものづくり補助金は全国中小企業団体中央会が実施し、事業環境の変化への対応などを目的に設備投資やIT化、販路開拓などを支援する補助金です。中小企業や小規模事業者を対象にしており、飲食店でも利用できます。

ECサイトの構築を事業計画の中心に据える場合は、通常枠またはデジタル枠であれば違和感が少なく要件を満たしやすいでしょう。

補助額の上限は通常枠とデジタル枠の場合、共通で最大1,250万円・補助率は2/3です。2023年5月時点では15次公募が募集されており、締切は7月28日17時までです。

関連記事:ものづくり補助金の内容を解説!対象となる事業者の要件と金額とは

参考:ものづくり補助事業公式ホームページ|ものづくり補助金総合サイト

事業再構築補助金

事業再構築補助金は中小企業庁が実施する補助金で、新型コロナウイルス感染症の影響で経営状況が厳しい事業者向けの補助金です。経営状況が厳しい事業者が、思い切った事業改革を行う際に利用できます。

飲食店でも利用可能ですが、思い切った事業改革に該当する取り組みである必要があるため、条件によっては対象外となります。

例えば現状でECサイトを利用しておらず、デリバリーやテイクアウトのためにECサイトを作成する場合には対象内です。ただしすでにECサイトを作成している場合や、テイクアウトなどをしている場合には、条件を満たすことが難しいといえます。

補助上限は通常枠の場合で最大7,000万円、補助率は最大2/3です。2023年5月時点で直近の締切は2023年6月30日(金)18時までと設定されています。

関連記事:事業再構築補助金とは?第10回の概要・補助額・申請手順をわかりやすく解説

参考:中小機構|事業再構築補助金

ECサイト構築の補助金 採択事例

ここでは、ECサイト構築で実際に補助金の採択がされた事例を紹介します。ECサイト構築で実際に採択されている事例を見て、具体的な導入イメージにつなげていきましょう。

株式会社IIE(IT導入補助金)

株式会社IIEは会津⽊綿を活⽤した服飾雑貨、インテリア⼩物などの製造⼩売、⾃社店舗・オンラインショップの運営などを手がける企業です。福島県内の旅館をはじめ、全国70店舗以上で雑貨の販売をしています。

同社では非対面型の観光土産を販売するためにIT導入補助金を利用し、カプセルマシンからECサイトに誘導する手法を導入しました。

従来は直営店の紹介などを主軸にしたホームページにECサイトへの誘導機能を追加。その結果、Webサイトのページビューは前年⽐150%以上を記録しています。

参考:東北経済産業局 産業部 経営⽀援課|小規模事業者持続化補助金活用事例集

ミツワ株式会社(ものづくり補助金)

ミツワ株式会社は東京都にある、プラスチックの射出成形を手がけている企業です。同企業では商品開発とECサイトの立ち上げを目的に、ものづくり補助金を利用しました。

ものづくり補助金の申請は、ふくらはぎの疲れをほぐす「モンデリング」の商品化とECサイトの立ち上げを目的としていました。

モンデリングはらせん技術で特許を取得し、2015年の販売開始以来、約5万個を販売。今後は海外展開も視野に入れ事業展開しています。

参考:ものづくり補助事業公式ホームページ|ふくらはぎの疲れをほぐす「モンデリング」

玄海肴処 旬風(事業再構築補助金)

玄海肴処 旬風は佐賀県唐津市京町にて飲食店を営んでいます。呼子イカをはじめとする唐津の天然魚介や地場食材を提供していました。魚介は養殖ではなく天然物を使用することにこだわり、鮮度と味を強みとしています。

しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、主要顧客が激減。そこでECサイトでの販売事業に挑戦するために、事業再構築補助金を申請しました。

社長の魚への目利きと調理技術を生かし、ECサイトでの販売を目指した加工製造業へ業種転換。食材の鮮度を保ちつつ、瞬間凍結できる「3D冷凍機」を導入。HACCPに対応し、高水準の衛生管理を実現しています。

参考:経済産業省 九州経済産業局|玄海肴処 旬風

ECサイト構築で利用できる補助金をまとめました

本記事ではECサイト構築で利用できる4つの補助金や、具体的な採択事例を紹介しました。

ECサイト構築は条件を満たしていれば、飲食店でも利用できるものも多数あります。ただし新しい事業への取り組みを必要とするものも多いため、事業計画を立てた上で利用を検討しましょう。