介護離職防止支援コースの概要と種類、助成額をわかりやすく解説

介護離職防止支援コースの概要と種類、助成額をわかりやすく解説

介護を理由に会社を辞める従業員が増えてきたとお悩みではありませんか?そこで利用できるのが両立支援等助成金の介護離職防止支援コースです。

介護離職防止支援コースの利用により、介護休業を取得しやすい労働環境の整備ができます。この記事では、介護離職防止支援コースの種類と助成額や申請の流れなどについて解説

最後まで読めば、介護離職防止支援コースの内容を理解し、申し込みを検討しやすくなります。

目次
  1. 1. 介護離職防止支援コースとは
  2. 2. 介護離職防止支援コースの種類と助成額
    1. 2-1. 介護休業
    2. 2-2. 介護両立支援制度
  3. 3. 介護離職防止支援コースの申請の流れ
    1. 3-1. 介護休業の場合
    2. 3-2. 介護両立支援制度の場合
  4. 4. 介護離職防止支援コースの種類・助成額・申請の流れについて解説しました

介護離職防止支援コースとは

介護離職防止支援コースとは、両立支援等助成金のコースのひとつです。仕事と介護の両立支援によって労働者の雇用安定を図るため制定されました。

以下の取り組みを実施した中小企業事業主に対して助成金を支給する制度です。

  • 仕事と介護の両立ができるような職場環境整備に取り組む
  • 介護支援プランを作成し実施する
  • 介護休業の円滑な取得・職場復帰の取組など仕事と介護を両立させられる制度を作る
  • 介護目的で労働者が有給休暇取得を取りやすいようにする

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介護離職防止支援コースの種類と助成額

介護離職防止支援コースの種類と助成額

介護離職防止支援コースには介護休業と介護両立支援制度の2種類があります。

介護休業

介護休業とは、対象労働者が介護休業を合計5日以上取得後に復帰した場合に支給できる制度のことです。

対象事業主は以下の通りです。

取得の種類

内容

休業取得時

  • ・要介護状態家族の介護をする労働者について、
  •  介護支援プランを作成し合計5日以上の介護休業を取得させている
  • ・対象労働者とその上司がプラン策定のために面談を行った上でプランを作成する
  • ・対象労働者の業務整理・引き継ぎに関する措置を決める
  • ・作成したプランに基づいて業務整理、引き継ぎ等を実施する

職場復帰時

  • ・介護休業終了後、対象労働者に対し、上司とフォロー面談を実施する
  • ・対象労働者を原則として原職等に復帰させる
  • ・対象労働者を、介護休業終了後、3か月以上継続雇用している

助成額は以下の通りです。
介護休業取得者の代替要員を確保した場合、業務代替支援が加算されます。

休業取得時

職場復帰時

業務代替支援加算

30万円

※1年度各5人まで

30万円

※1年度各5人まで

  • ・新規雇用:20万円
  • ・手当支給等:5万円

介護両立支援制度

介護両立支援制度とは、事業主が介護のため柔軟な就労形態制度を導入し、対象労働者が合計20日以上制度を利用した場合に助成できる制度です。

対象事業主は以下の通りです。

  • 要介護状態家族の介護をする労働者について、介護支援プランを作成し以下の制度について、
    対象労働者に対して合計20日間以上利用させた
    • 所定外労働の制限制度
    • 時差出勤制度
    • 深夜業の制限制度
    • 短時間勤務制度
    • 介護のための在宅勤務制度
    • 介護休暇制度
    • 介護のためのフレックスタイム制度
    • 介護サービス費用補助制度
  • 対象労働者とその上司がプラン策定のために面談を行った上でプランを作成する
  • プランには、利用期間中の業務体制の検討に関する取組が定められている
  • 裁量労働制や高度プロフェッショナル制が適用されている者
     ・介護サービス費用補助制度:対象
     ・介護のためのフレックスタイム制度:対象外

助成額は以下の通りです。

介護両立支援制度

個別周知・環境整備加算

30万円

※1年度各5人まで

15万円

対象労働者への個別周知の取組を以下のように行った場合、個別周知・環境整備加算が助成され
ます。

周知については、口頭ではなく、関係資料を書面により交付するのが条件です。

  • 介護休業及び介護両立支援制度
  • 介護休業等に関する申出先
  • 介護休業給付に関すること
  • 介護休業期間中における社会保険料
  • 介護休業等の取得・利用期間中の待遇
  • 介護休業等利用後の賃金、配置などの労働条件

介護離職防止支援コースの申請の流れ

介護離職防止支援コースの申請の流れ
支給申請までの流れ

画像引用:厚生労働省「2022年 両立支援等助成金パンフレット」

介護離職防止支援コースの申請の流れについて解説します。

介護休業の場合

介護休業の場合

画像引用:厚生労働省「2022年 両立支援等助成金パンフレット」

(1)労働局に支給申請書を提出

対象労働者に関する介護休業開始日の5日後から2か月以内に申請する必要があります。

申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 就業規則
  • 労働者へ周知したこと及びその日付が分かる書類(実施要領、通達、マニュアルなど)
  • 仕事と介護の両立支援 面談シート兼介護支援プラン
  • 対象労働者の家族が要介護状態であることを確認できる書類
  • 雇用契約書
  • 介護休業申出書
  • 出勤簿又はタイムカード
  • 介護短時間勤務に係る申出書及び
  • 賃金計算方法が確認できる書類

(2)支給決定の通知

助成金の支給となった場合、両立支援等助成金支給決定通知書が届きます。ただし、支給後に支給要件を満たしていなかったことが判明した場合、助成金の支給は取り消され、返還する必要があります。

介護両立支援制度の場合

介護両立支援制度の場合

画像引用:厚生労働省「2022年 両立支援等助成金パンフレット」

(1)労働局に支給申請書を提出

申請期限は、対象労働者による両立支援制度の利用実績が、合計20日後から起算して1か月後から2か月以内です。支給申請書を労働局に提出します。

申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 就業規則
  • 労働者へ周知したこと及びその日付が分かる書類(実施要領、通達、マニュアルなど)
  • 仕事と介護の両立支援 面談シート兼介護支援プラン
  • 対象労働者の家族が要介護状態であることを確認できる書類
  • 対象労働者の介護両立支援制度に係る利用申出書
  • 出勤簿又はタイムカード
  • 介護サービスを利用する際に受領した領収書
  • 雇用契約書

(2)支給決定の通知

助成金の支給となった場合、両立支援等助成金支給決定通知書が届きます。ただし、支給後に支給要件を満たしていなかったことが判明した場合、助成金の支給は取り消され、返還する必要があります。

介護離職防止支援コースの種類・助成額・申請の流れについて解説しました

介護離職防止支援コースについて知りたい方向けに、介護離職防止支援コースの種類と助成額や申請の流れなどを解説しました。

介護離職防止支援コースには、介護休業と介護両立支援制度の2種類があります。

種類

内容

介護休業

  • ・対象労働者が介護休業を合計5日以上取得し、復帰した場合に支給

介護両立支援制度

  • ・介護のため柔軟な就労形態制度を導入し、合計20日以上利用した場合に助成

本記事で紹介した内容をもとに、介護離職防止支援コースの申請を検討してみましょう。