中途採用等支援助成金とは?対象者・支給額・申請方法を解説
人手が足りない上に採用活動にかける費用がないため、中途採用に力を入れられないとお悩みではありませんか?
中途採用等支援助成金を利用すると資金不足を補えます。この記事では、中途採用等支援助成金のコース概要や中途採用等支援助成金に関するよくある質問などについて解説。
最後まで読めば、中途採用等支援助成金の内容を把握し、対象であれば申請して資金の足しにすることが可能です。
中途採用等支援助成金とは
中途採用等支援助成金とは、中途採用の拡大と東京圏から移住者などを雇い入れ、雇用の機会を作り出そうとしている事業主を支援する制度です。
転職・再就職者の採用機会を拡大し、人材移動を促進します。また、生涯現役社会の実現を促進することが目的です。
中途採用等支援助成金のコース
中途採用等支援助成金には「中途採用拡大コース」「UIJターンコース」の2種類があります。以前は「生涯現役起業支援コース」もありましたが、現在は募集をしておりません。
中途採用拡大コース
画像引用:厚生労働省「中途採用等支援助成金」
中途採用拡大コースは、中途採用者の雇用管理制度を整備し中途採用の拡大を図った事業主を助成する制度です。
中途採用の拡大には以下の2種類があります。
- 中途採用率の拡大
- 45歳以上の中途採用率の拡大
2022年12月に、中途採用拡大コースは政府による見直しが入りました。現行制度と改正後の違いは以下の通りです。
現行制度と改正後 |
内容 |
現行制度 |
中途採用計画期間前3年間の中途採用率が60%未満の事業所限定
45歳以上の労働者を初めて中途採用した事業主
情報を公表し中途採用者数を拡大させた事業主 |
改正後 |
中途採用率が60%未満の事業所に限定されない
撤廃 |
受給要件
受給要件は以下の通りです。
項目 |
内容 |
対象労働者 |
(1)中途採用で雇用された労働者 (2)雇用保険加入者 (3)期間の定めのない労働者(パートタイムを除く) (4)該当事業所で就労したことがない労働者 (5)親会社や子会社の社員ではない (6)45歳以上の労働者(45歳以上の中途採用率の拡大のみ) |
対象事業主 |
|
支給対象となる 取り組み (共通) |
(過去3年間の中途採用率は80%以下)
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支給対象となる 取り組み (45歳以上の中途採用率の拡大) |
|
受給額
受給額は以下の通りです。
- 中途採用率の拡大:50万円
- 45歳以上の中途採用率の拡大:100万円
中途採用率拡大目標値は以下の計算式により算出できます。
画像引用:厚生労働省「中途採用等支援助成金」
45歳以上中途採用率拡大目標値は以下の計算式により算出できます。
画像引用:厚生労働省「中途採用等支援助成金」
申請期間
中途採用計画を策定し、中途採用計画の半年前から中途採用計画の開始日の前日までに、最寄りの労働局かハローワークへ必要書類の届出をします。
必要書類
必要書類は以下の通りです。
- 中途採用計画(変更)届
- 中途採用計画
- 中途採用者の雇用管理制度が確認できる書類
- 採用規程
- 就業規則
- 賃金規程
- 人事評価規程等
- 中途採用率算定対象一覧
- 自社ホームページの写し等中途採用の情報公表(従業員数300人以上の企業のみ)
申請手続きの流れ
申請手続きの流れは以下の通りです。
(1)中途採用計画の作成と中途採用情報の公表(従業員数300人以上の企業のみ)
(2)中途採用計画を労働局へ提出
(3)中途採用者の雇用管理制度の整備・対象者の雇用
(4)助成金支給
画像引用:厚生労働省「中途採用等支援助成金」
UIJターンコース
UIJターンコースとは、東京圏からの移住者を雇用した事業主に、その採用活動に要した経費の一部を助成するものです。
受給要件
受給要件は以下の通りです。
項目 |
内容 |
対象労働者 |
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対象事業主 |
|
支給対象となる 採用活動 |
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受給額
受給額は以下の通りです。
項目 |
内容 |
支給額 |
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対象経費 |
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申請期間
採用計画書を最寄りの労働局、またはハローワークに提出する必要があります。9月1日を計画期間とする場合、6月2日から8月31日まで計画書の提出が必要です。
提出日の翌日から3か月以内の範囲で計画期間の始期を設定します。また、採用計画書は、事業所ごとに作成しなくてはなりません。
必要書類
必要書類は以下の通りです。
- 採用計画書
- 自社のパンフレット
- その他労働局長が必要とした書類
申請手続きの流れ
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画像引用:厚生労働省「中途採用等支援助成金(UIJターンコース)」
申請手続きの流れは以下の通りです。
(1)計画書の提出
採用計画書を最寄りの労働局、またはハローワークに提出し、認定されると計画がスタートします。計画に変更があった場合、「計画書変更届」を提出する必要があります。
- 計画期間の始期:計画書を提出した日の翌日から3か月以内の範囲で設定
- 計画期間の終期:計画期間の始期から半年以上1年以内の範囲で設定
(2)採用計画の実施
半年以上1年以内で採用活動を実施し、対象労働者を雇用します。
(3)支給申請
計画期間の終期の翌日から2か月以内に支給申請書に必要な書類を添付し、労働局へ提出します。
添付書類は以下の通りです。
- 認定・不認定通知書の原本又は写し
- 地方公共団体からの登録証書、求人掲載のマッチングサイトに関する画面のコピー
- など
- 民間人材ビジネス事業者等から企業に対して候補者を紹介した書面のコピー
- 移住
- 労働者が移住先の市町村に提出した就業先企業等の就業証明書
- 対象労働者の雇用契約書
- 対象労働者の賃金台帳
- 対象労働者のタイムカード
- 対象労働者の移住支援金の受給を証する書類(写)及び当該移住支援金の申請に際して事業主が作成した就業を証する書類(写)
- 対象経費の支払の発生原因が確認できる書類(契約書、見積書、請求書、納品書など)
- 金融機関の振込明細書
- 当該被保険者数と常時雇用する労働者数の差について疎明する書類
- 雇用保険適用事業所番号を申告する書類
- 支給要件確認申立書
画像引用:厚生労働省「中途採用等支援助成金(UIJターンコース)雇用の安定のために」
(4)助成金支給
支給申請書と添付書類が提出され、書類に不備がなければ助成金が支給されます。
生涯現役起業支援コース
生涯現役起業支援コースは、令和4年3月31日で廃止となりました。創業予定の人、事業開始後間もない法人事業主、個人事業主が活用できる助成金を指します。
助成内容は以下の通りです。
項目 |
内容 |
雇用創出措置助成分 |
|
生産性向上助成分 |
|
中途採用等支援助成金に関するよくある質問
中途採用等支援助成金に関するよくある質問をまとめました。
中途採用率の拡大と45歳以上の中途採用率拡大を一緒に提出できますか?
中途採用率の拡大と、45歳以上の中途採用率拡大について計画期間が重複する場合、1つの助成のみ受給対象となります。
計画期間が重複しない場合は可能です。
就業規則で新規採用者と中途採用者の賃金規程を分けていないが申請できますか?
新規学卒者と中途採用者の就業規則、賃金規程等が同一の場合も計画の申請はできます。すでに中途採用者の雇用管理制度が整備されている場合も対象内です。
設立直後ですが申請は可能ですか?
中途採用計画を提出するには、中途採用計画期間の初日の前日から起算し3年前の日に雇用保険への加入が必要です。
計画提出後に雇用管理制度の整備前に採用した中途採用者はこの制度の対象になりますか?
雇用管理制度整備前でも、対象労働者に対し雇用管理制度が適用される場合は支給対象です。ただし、支給申請時に対象労働者に雇用管理制度が整備されている必要があります。
中途採用等支援助成金の対象者・支給額・申請方法を解説しました
中途採用等支援助成金について知りたい方向けに、中途採用等支援助成金のコース概要や中途採用等支援助成金に関するよくある質問などを解説しました。
中途採用等支援助成金には、以下の2コースがあります。
- 中途採用拡大コース
- UIJターンコース
本記事で紹介した内容をもとに、中途採用等支援助成金の申請を検討してみましょう。