働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)とは?対象者や申請方法まで解説

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)とは?対象者や申請方法まで解説

働き方改革を進める上で「勤務間インターバル」が重要視されており、導入を考えている企業の担当者も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、政府が実施する「働き方改革推進支援助成金」について徹底解説。助成金の概要から対象企業、助成金額、申請フローまで詳しくお伝えします。

目次
  1. 1. 働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)とは?
  2. 2. 勤務間インターバル導入コースの対象事業者
  3. 3. 勤務間インターバル導入コースの対象となる取り組み
    1. 3-1. 取り組みでは「成果目標」の設定が必須
  4. 4. 勤務間インターバル導入コースの助成金額
    1. 4-1. 基本の助成金額
  5. 5. 勤務間インターバル導入コースの申請の流れ
    1. 5-1. 1. 労働局に交付申請を行う
    2. 5-2. 2. 計画に沿って取り組みを行う
    3. 5-3. 3. 取り組み実施後、支給申請を行う
  6. 6. 働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)申請期間
  7. 7. 【まとめ】勤務間インターバル助成金を活用しよう

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)とは?

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)とは、厚生労働省が中小企業の「勤務間インターバル」に対して行う助成金制度。勤務間インターバルとは、勤務終了から翌日の勤務開始までに設ける「休憩時間」のことで、一定のインターバルを設けることで助成金が支給されます。

主な目的は、従業員の過重労働の防止。プライベートや睡眠時間を確保することで働きすぎを防ぎ、企業の生産性向上を図ります。また勤務間インターバルの導入は、2019年より努力義務化されています。

勤務間インターバル導入コースの対象事業者

勤務間インターバル導入コースは、主に中小企業が対象となります。以下の全ての条件を満たす事業者が対象です。

  1. 労災保険に加入している
  2. 次のa〜bのいずれかに該当する事業主
    1. 勤務間インターバルを実施していない事業所がある
    2. 既に勤務間インターバルを9時間以上確保している事業所で、対象となる従業員が全従業員の過半数以下の場合
    3. 9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業所
  3. 36協定(労働基準法第36条)の届出を出している
  4. 月45時間以上の時間外労働を行っていること(過去2年間で)
  5. 年次有給休暇の取得を促す就業規則を定めている(年5日以上)

また厚生労働省では、助成金の対象となる「中小企業」の業種や企業規模についても明確に定めています。

中小企業の業種

資本金(出資額)

従業員数(常時雇用)

小売・飲食

5,000万円以下

50人以下

サービス

100人以下

卸売

1億円以下

その他

3億円以下

300人以下

詳しい条件や注意点については、厚生労働省の公式ページを参照にしてください。

勤務間インターバル導入コースの対象となる取り組み

勤務間インターバル導入コースでは、以下の取り組みが対象となります。

1.労務管理担当者に対する研修
2.労働者に対する研修、周知・啓発
3.外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
4.就業規則・労使協定等の作成・変更
5.人材確保に向けた取組
6.労務管理用ソフトウェアの導入・更新
7.労務管理用機器の導入・更新
8.デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
9.労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

引用:働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)| 厚生労働省

 

上記の取り組みを「1つ以上」実施することが条件。また7番目に「労務管理用機器の導入・更新」とありますが、PCやタブレット、スマートフォンなどの端末は対象となりません。対象となるのは、ICカードなど出退勤の打刻を管理できる機器です。

取り組みでは「成果目標」の設定が必須

上記の取り組みを行う際は、企業や事業所単位での「成果目標」の設定が必要

ただし、企業や事業所によって勤務形態や状況は異なります。自社(事業所)の状態に応じて、以下の取り組みを実施しましょう。

1. 「新規導入」の場合

対象:勤務間インターバルを導入していない企業や事業所

成果目標:勤務間インターバルを9時間以上とする内容を就業規則に定める。(所属従業員の過半数以上を対象とする)

2. 「対象となる従業員を拡大」する場合

対象:9時間以上の勤務間インターバルを導入済だが、対象となる従業員が過半数以下の企業や事業所

成果目標:所属従業員の過半数以上を対象とすることを就業規則に定める

3. 「インターバル時間延長」の場合

対象:9時間未満の勤務間インターバルを導入している企業や事業所

成果目標:インターバルを延長し、9時間以上とすることを就業規則に定める(所属従業員の過半数以上を対象とする)

上記3つに加えて、従業員の賃金(時給計算)の3%以上の引き上げも成果目標に加えることができ、その場合は助成金額がアップします。成果目標は、助成金を申請する際の「事業実施計画」に記載します。

勤務間インターバル導入コースの助成金額

続いて、勤務間インターバル導入コースの助成金額を見ていきましょう。助成金は「成果目標の達成状況」に応じて支給されます。

以下では、基本となる助成金額と、賃金引き上げを行った場合に上乗せされる金額にわけて説明します。

基本の助成金額

インターバル時間

「新規導入」の場合

「対象となる従業員を拡大」

「インターバル時間延長」

の場合

補助率

9〜11時間

80万円

40万円

3/4

11時間以上

100万円

50万円

賃金引き上げを行った場合の上乗せ金額(従業員が30人以上)

引き上げ人数と割合

3%以上

5%以上

1〜3人

15万円

24万円

4〜6人

30万円

48万円

7〜10人

50万円

80万円

11〜30人

1人あたり5万円

(上限150万円)

1人あたり8万円

(上限240万円)

金額はいずれも一人当たりの上乗せ金額です。

賃金引き上げを行った場合の上乗せ金額(従業員が30人以下)

引き上げ人数と割合

3%以上

5%以上

1〜3人

30万円

48万円

4〜6人

60万円

96万円

7〜10人

100万円

160万円

11〜30人

1人あたり10万円

(上限300万円)

1人あたり16万円

(上限480万円)

金額はいずれも一人当たりの上乗せ金額です。

勤務間インターバル導入コースの申請の流れ

勤務間インターバル導入コースの申請の流れ

続いて、勤務間インターバル導入コースを申請する流れを見ていきましょう。申請フローは大きく3つに分かれます。

1. 労働局に交付申請を行う

まずは、管轄の労働局に「交付申請」を行いましょう。労働局は提出された書類を確認し、交付・不交付の決定通知を行います。交付申請では、交付申請書をはじめ複数の書類が必要です。

交付申請で必要となる書類

勤務間インターバル導入コース申請における必要書類は以下の通りです。

  • 交付申請書(事業実施計画を添付)
  • 36協定書
  • 労働時間が明記された書類(賃金台帳など)
  • 就業規則の写し
  • 現在の勤務間インターバルの状況が分かる書類
  • 対象となる従業員の賃金台帳、労働時間が分かる書類
  • 見積書(取り組み実施にかかる経費などの)

交付申請にあたって、全ての書類を揃える必要があります。上記以外にも書類を求められる場合があるので、労働局の指示に従って書類を用意しましょう。

必要書類についての詳細は、働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の申請マニュアル(2023年度)を参考にしてください。

2. 計画に沿って取り組みを行う

交付決定通知が届いたら、事業実施計画に沿って取り組みを行います。取り組みは計画書に記載した期間内に完了させ、実際に取り組みや経費の支払いを行った事実を証明する資料(賃金台帳や領収書など)を保管しておきましょう。事実が証明できないと助成を受けられない場合があります。

3. 取り組み実施後、支給申請を行う

取り組みを終えたら、助成金の支給申請を行います。支給申請でも複数の書類が必要です。

  • 支給申請書
  • 事業実施結果報告書
  • 事業実施を証明できる書類
  • 事業の経費を証明できる書類
  • 成果目標の達成状況がわかる証拠書類
  • 労働時間に関する会議の議事録など
  • 取り組みを社内に周知させたことがわかる資料

支給申請についての詳細は、働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の申請マニュアル(2023年度)をご確認ください。

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)申請期間

申請受付の締切は、2023年11月30日。ただし本助成金は国の予算額に準ずるため、11月30日以前に受付が締め切られる場合があります。申請予定の方は余裕をもって申請を行いましょう

【まとめ】勤務間インターバル助成金を活用しよう

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)を受給するためには、9〜11時間(あるいはそれ以上)のインターバル時間を設定し、取り組みを行う必要があります。

対象者の条件項目は多いですが、労災保険の加入や36協定の届出など難しくないものが多いので、ほとんどの企業は条件を満たせるでしょう。勤務間インターバルを導入する際は、ぜひ本助成金の活用をご検討ください。