事業再構築補助金の交付申請とは?必要書類や提出時の注意点も解説
事業再構築補助金を申請した後の「交付申請」にお困りの方もいるかと思います。そこで本記事では、事業再構築補助金の交付申請のフローや必要書類について詳しく解説。交付申請で必要書類を提出する際の注意点もお伝えします。
事業再構築補助金の交付申請とは?
事業再構築補助金の申請は、最初の申請と交付申請に分かれます。申請を出してすぐに補助金を受け取れるのではなく、申請が採択された後に交付申請を行い、その後事業を実施・報告してようやく給付が行われます。
採択通知後の流れ
最初の申請が通ると「採択通知」がされます。採択通知後の流れは以下の通りです。
- 採択通知
- 交付申請
- 補助事業の実施
- 補助事業の実績報告
- 精算払請求
- 補助金振込
- 事業化状況の報告
最初の申請を出した後、結果が分かるのは約3ヶ月後。ここでは事業計画の審査が通っただけで、他の項目など詳細な審査はされていない状況です。交付申請にて詳しい審査を依頼する必要があります。交付申請の審査を通過すると、補助事業の実施や実績報告、補助金振込などのステップに進めます。
事前着手申請をすることで採択前から事業を始めることは可能です。しかし、採択を受けた後に事業を変更する場合は再度事前着手申請が必要だったり、手続き完了まで時間がかかったりと決してスムーズではありません。基本的には採択から交付申請までは順当な流れで進めるのがおすすめです。
交付申請の流れと期限
交付申請の大まかな流れを見ていきましょう。
- 交付申請書別紙1をダウンロードする
- 見積書や見積依頼書、決算書など必要書類を用意する
- 必要書類をファイルにまとめてJグランツから申請する
交付申請を行うにあたって、まずは「交付申請書別紙1」を用意する必要があります。事業再構築補助金の電子申請システムよりファイルをダウンロード可能です。
続いて、見積書や見積もり依頼書、決算書、宣誓書など必要書類をすべて用意・記載します。最後に、経済産業省による電子申請システム「Jグランツ」より申請を行って交付申請が完了です。
交付申請の期限はありません。ただし原則として、交付申請が受理されなければ事業を始められないため、交付申請が遅れれば事業のスタートも遅れてしまいます。
事業再構築補助金の交付申請の必要書類
事業再構築補助金の交付申請における必要書類を見ていきましょう。法人・個人によって必要な書類は異なります。
法人の必要書類 |
個人の必要書類 |
交付申請書別紙1 |
|
見積書・相見積書・見積依頼書 |
|
取得財産に係る誓約書 |
|
建物費、機械装置・システム構築費の追加書類 |
|
交付申請書別紙2 |
|
海外渡航計画書・旅費明細書 |
|
履歴事項全部証明書 |
直近2期分の確定申告書(第一表) |
決算書 |
青色申告書または白色申告書 |
法人・個人共通の必要書類
まずは、法人と個人共通の必要書類をご紹介します。
交付申請書別紙1
交付申請を行うための申請書です。採択通知を受けると「R」から始まる受付番号が付与されるので、電子システムから同申請書のファイルをダウンロードします。
見積書・相見積書・見積依頼書
事業再構築補助金にて計上する全ての経費には「見積書」の提出が必須です。また、第3回公募以降に申請を行った事業者は「見積依頼書」も必要となります。
単なる見積書だけでなく、複数業者を比べた相見積書が必要です。相見積書に記載する業者の件数は対象経費によって異なります。
- 建物費:見積額が50万円(税抜)の場合、2者以上の相見積もりが必要
- 機械装置・システム構築費:見積額が50万円(税抜)の場合、2者以上の相見積もりが必要
- 中古品:3者以上の相見積もりが必要
合理的な理由によって相見積書が取得できない場合は、業者選定理由書を提出することで認められます。たとえば、当該企業との長い付き合いがあるため相見積もりができない場合などです。
取得財産に係る誓約書
第4回公募以降の申請事業者は、取得財産に係る誓約書の提出が必須です。
建物費、機械装置・システム構築費の追加書類
建物費や機械装置・システム建築費の場合、追加書類が必要となります。具体的には以下のような書類です。
【建物費】
- 設計書・見取図
- 補助対象経費により取得する建物に係る宣誓・同意書
【機械装置・システム構築費】
- 価格の妥当性を証明する書類(パンフレットなど)
- 機械装置の価格を換算するために用いたレート表(海外から購入する場合)
交付申請書別紙2(該当事業者のみ)
事業再構築補助金で以下の経費を計上する場合、「交付申請別紙2」が必要となります。
- 技術導入費
- 専門家経費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
海外渡航計画書・旅費明細書(該当事業者のみ)
同補助金申請にあたって海外旅費を計上する場合は、「海外渡航計画書」「旅費明細書」の提出が必要です。
法人の必要書類
続いて、法人の必要書類を見ていきましょう。
履歴事項全部証明書
交付申請日から3ヶ月以内に発行された履歴事項全部証明書が必要です。同書類は基本的には法務局の窓口で申請・発行ができます。また事業再構築補助金では、履歴事項全部証明書のすべてのページの添付が必要です。
決算書
交付申請日から直近の決算書が必要となります。ただし、事業再構築補助金の1回目の申請時点で表紙付きの決算書を提出している場合は、ここでは不要です。
個人事業主の必要書類
続いて、個人事業主の必要書類を見ていきましょう。
直近2期分の確定申告書(第一表)
個人事業主が交付申請を行う際は、直近2期分の確定申告書(第一表)が必要です。ただし、事業再構築補助金の1回目の申請時点で提出している場合は不要となります。
青色申告書または白色申告書
確定申告時に提出する「青色申告書」または「白色申告書」のいずれかの提出が必要です。青色申告書は損益計算書(合計で4ページ)、白色申告書は収支内訳書(合計2ページ)を提出します。なお、事業再構築補助金の1回目の申請時点で提出している場合は、交付申請時では不要です。
事業再構築補助金の必要書類を提出する際の注意点
事業再構築補助金には法人・個人ともに色々な書類が必要です。ここでは最後に、事業再構築補助金の必要書類を提出する際の注意点をご紹介します。
相見積もりを行っていないと差し戻しされる
事業再構築補助金の交付申請では、50万円(税抜)以上の経費を計上する際、必ず相見積もりが必要です。基本的には2者以上の見積もりを取る必要があり、中古品の場合は3者以上が必要となります。対象経費によって相見積もりの数は異なるため、わからない場合は可能な限り見積もりをとって提出するのが確実です。
見積書の有効期間をチェックする
事業再構築補助金の交付申請は、交付決定まで3ヶ月程度かかります。見積書の有効期限が3ヶ月未満だと交付申請を行っている間に無効となるため、最低でも3ヶ月以上の見積書を取得しておきましょう。
見積書に振込手数料は記載しない
事業再構築補助金において、振込手数料は対象経費に含まれません。そのため、見積書に振込手数料は記載しないよう注意が必要です。交付申請を行う前に、合計金額に振込手数料が含まれていないか確認しましょう。
見積書を取得するには発注先に押印してもらう必要がある
事業再構築補助金を含む中小企業庁が行う補助金制度では、見積書に発注先の押印が必須となります。印鑑の指定はないためデジタルでも問題ありません。押印されていない場合は書類不備とみなされてしまうため、作成時は十分に注意しましょう。
【まとめ】事業再構築補助金の交付申請の必要書類を紹介しました
事業再構築補助金の交付申請で必要な書類はさまざま。特に「見積書」については、相見積もりが必須だったり、発注先の押印が必要だったりと、注意点が多いです。書類を1つずつしっかりと確認し、ミスのないよう交付申請を行いましょう。