助成金サポートとは?依頼先・活用するメリット・費用相場を紹介
助成金の利用を検討していても、担当者の仕事が忙しいことから前に進められていないケースもあるのではないでしょうか。助成金サポートを利用すると、助成金の選定や申請手続きなどを支援してもらえます。
本記事では、サポート内容や依頼先、費用相場などを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
助成金サポートの活用で面倒な作業をお任せ
そもそも助成金は、厚生労働省所管で取り扱っている支援金のことです。返済不要のお金で条件を満たせば、法人と個人を問わず、原則支給されます。助成金は補助金と合わせると、3,000種類以上あるため、自社の課題ごとに適切なものを申請することが可能です。
助成金サポートは、自社に合う助成金の選定や申請代行などのアドバイスをしてくれるサービスです。助成金は自社のみでも申請できますが、必要な書類が多くあります。サポートを受けると、面倒な作業を任せられスムーズに手続きを完了させられます。
助成金サポートの内容は大きく分けて「申請手続きサポート」「労働環境改善サポート」の2種類に分けられるので、それぞれみていきましょう。
申請手続きサポート
申請手続きサポートは、申請に必要な書類の収集、提出、確認などの手続きを行ってもらえます。申請書類が多くあるので、必要なものを収集するだけで時間がかかってしまいます。申請手続きを任せられると、助成金の担当者の負担を軽減することが可能です。
また、企業の状況をヒアリングして課題に適した助成金を選定してもらえます。数多くの助成金が支給されており、専門家のアドバイスをもらえれば適切なものを利用可能です。
労働環境改善サポート
労働環境改善サポートでは、労働環境の改善も支援してもらえます。
助成金は雇用や人材育成などを目的にしているケースが多くあり、その場合は支給要件に労働環境の改善が設定されています。要件を満たさなければ、助成金の申請が通らなかったり、採択が決定してもお金が支給されなかったりします。
労働環境改善サポートでは、専門家のアドバイスを受けながら、適切な労働環境の改善が行えるようになります。
助成金サポートの依頼先とは
助成金サポートの依頼先は、民間のコンサルタントや社会保険労務士など様々なところがあります。
助成金の管轄は厚生労働省のため、書類の作成や申請は社会保険労務士のみがサポート可能です。中小企業診断士や行政書士などには依頼できないことに注意しましょう。
企業に合う助成金の選定や労働環境改善などのサポートは、社会保険労務士だけでなく民間のコンサルタントにも相談できます。さらに、民間のコンサルタントでは社会保険労務士を紹介してもらえるサービスも提供しています。
社会保険労務士 |
中小企業診断士 |
行政書士 |
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依頼内容 |
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助成金の申請でよくある悩み
以下に助成金の申請でよくある悩みをまとめました。
初めて申請する場合 |
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以前申請したことがある場合 |
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以前、外部に申請を 依頼したことがある場合 |
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助成金サポートを受けるメリット
助成金は自社で申請できますが、専門家のサポートを受けると様々なメリットがあります。
活用できる助成金を新たに知れる
民間コンサルタントや社会保険労務士は助成金の専門家です。企業ごとに活用できる助成金を探して提案してもらえます。
数多くの助成金の中から自社で利用できるものを探すことは容易ではありません。さらに、業種によっても助成金の内容が異なります。
助成金サポートで助成金を紹介してもらえると、自社だけではわからなかった制度を知れ、効果を最大限に引き出せるでしょう。
本業に専念できる
助成金は多くの申請書類が必要になるので、専門知識がなければ手続きに時間がかかります。
助成金サポートを利用すると専門家に手続きを任せられるため、自社で対応する作業が少なくなります。企業課題の改善や営業・開発などの本業に専念することが可能です。
申請書類の不備をなくせる
助成金は条件を満たせば原則支給されますが、提出書類に不備があると採択されません。社会保険労務士に相談すると、書類の確認を行ってもらえるため、提出前に不備を明確にできます。
正確な情報で申請できるため、自社のみで申請するよりも支給される確率が高まります。
申請がスムーズにできる
助成金によりますが、郵送での申請が必要になるものや、窓口に直接提出するものまであります。助成金サポートを社会保険労務士に依頼すると、申請書類の作成・確認だけでなく、行政への提出も任せることが可能です。自社で対応するよりもスムーズに申請を進められるでしょう。
助成金に強い社会保険労務士に依頼できる
助成金サポートで申請書類の作成や申請を依頼する場合、社会保険労務士に依頼しなければなりません。サポートを受けるなら、自社に適した社会保険労務士を探すところから始める必要があります。
民間の助成金コンサルタントに相談すると、社会保険労務士を紹介してもらえます。自社で探す手間が省けるので、スムーズに手続きを進めることが可能です。
また、すでに社会保険労務士と契約しているケースがあると思いますが、医者のように専門分野が幅広く分かれています。助成金が不得手な社会保険労務士と契約しているなら、2〜3種類の助成金しか申請できない可能性があります。
幅広い選択肢の中から助成金を選んで申請するなら、助成金を専門とする社会保険労務士に相談することが適しているでしょう。
助成金サポートには費用がかかる
自社で助成金を申請して採択されると、支給額を全額自社で利用できます。しかし、民間コンサルタントや社会保険労務士にサポートを依頼すると、助成金の支給額の一部を報酬として支払う必要があります。
助成金サポートの相談は無料のケースが多くありますが、サポートを依頼すると費用が発生します。費用相場は以下のとおりです。
- 着手金:2〜10万円
- 成功報酬:支給額の10〜30%
上記はあくまで相場であり、依頼先によって費用は異なります。
また、助成金の支給額の相場は数十万〜200万円程度です。助成金の種類によって支給額は異なるので、利用する制度を確認してみてください。
助成金サポートによる申請の流れ
助成金サポートを利用して、助成金の申請をする流れは、以下のとおりです。
大まかな申請の流れは上記になりますが、助成金の選定や申請手続きなどは、民間コンサルタントや社会保険労務士に任せられます。
サポートを受けられる助成金の例
ここからは、サポートを受けられる助成金の例を紹介します。
キャリアアップ助成金:労働者の正社員化や処遇改善を支援する
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者のキャリアアップ促進を目的にしており、正社員化や処遇改善に取り組む事業主を支援する制度です。
複数のコースが設けられていますが、それぞれの受給額は以下の通りです。
受給額 |
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正社員化コース |
有期雇用労働者から正規雇用労働者等への転換: 中小企業57万円、大企業42万7,500円 無期雇用労働者から正規雇用労働者等への転換: 中小企業28万5,000円、大企業21万3,750円 |
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障害者 正社員化コース (1年間) |
重度身体障害者、 重度知的障害者 および精神障害者 |
有期雇用から 正規雇用への転換 |
支給総額(1人あたり) 中小企業:120万円 中小企業以外:90万円 |
有期雇用から 無期雇用への転換 |
支給総額(1人あたり) 中小企業:60万円 中小企業以外:45万円 |
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無期雇用から 正規雇用への転換 |
支給総額(1人あたり) 中小企業:60万円 中小企業以外:45万円 |
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重度以外の身体障害者、 重度以外の知的障害者、 発達障害者、 難病患者、 高次脳機能障害 と診断された者 |
有期雇用から 正規雇用への転換 |
支給総額(1人あたり) 中小企業:90万円 中小企業以外:67万5,000円 |
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有期雇用から 無期雇用への転換 |
支給総額(1人あたり) 中小企業:45万円 中小企業以外:33万円 |
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無期雇用から 正規雇用への転換 |
支給総額(1人あたり) 中小企業:45万円 中小企業以外:33万円 |
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賃金規定等 改定コース |
中小企業:賃金引き上げ3%以上5%未満5万円(1人あたり)、 5%以上65,000円 大企業:3%以上5%未満33,000円、5%以上43,000円 |
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賃金規定等 共通化コース |
中小企業:60万円(1事業所あたり) 大企業:45万円 |
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賞与・退職金制度 導入コース |
中小企業(賞与または退職金制度を導入):40万円 中小企業(賞与と退職金制度を導入):56万8,000円 大企業(賞与または退職金制度を導入):30万円 大企業(賞与と退職金制度を導入):42万6,000円 |
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短時間労働者 労働時間延長コース |
3時間以上延長した場合 中小企業:23万7,000円 大企業:17万8,000円 1時間以上2時間未満の延長(基本給を10%以上増額) 中小企業:5万8,000円 大企業:4万3,000円 2時間以上3時間未満の延長(基本給を6%以上増額) 中小企業:11万7,000円 大企業:8万8,000円 |
雇用調整助成金:休業手当の一部を支援する
雇用調整助成金は、新型コロナウイルスによって事業活動の縮小を余儀なくされた場合に限り、従業員の雇用を継続する際に休業する事業主を支援する制度です。従業員に支払う休業手当の一部が助成されます。
受給額 |
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休業・教育訓練の場合 |
中小企業:休業手当の2/3 大企業:休業手当の1/2 1日1人あたり8,355円が上限 訓練費は1日1人あたり1,200円を加算 |
出向の場合 |
中小企業:休業手当の2/3 大企業:休業手当の1/2 |
働き方改革推進支援助成金:時間外労働の削減・年次有給休暇取得など環境整備を支援する
働き方改革推進支援助成金は、時間外労働の削減と年次有給休暇の取得を促進させるために、労働環境の整備に取り組む事業主を支援する制度です。
以下の成果目標1〜3のうち1つ以上を選択し取り組むことで助成されます。
- 全ての対象事業場において、令和5年度又は令和6年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと
- 全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること
- 全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること
引用:厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
受給額 |
助成金額の上限 |
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労働時間短縮・ 年休促進支援コース |
以下のいずれか低い額を助成
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助成金額の上限 成果目標1:200万円 成果目標2:25万円 成果目標3:25万円 ※成果目標1は、実施前の設定時間数や 実施後の労働時間数に応じて上限額が変動 |
65歳超雇用推進助成金:高年齢者の雇用を支援する
65歳以上への定年引き上げや高年齢者の雇用管理制度の整備など、高年齢の有期労働者を無期雇用に転換する事業主を支援する制度です。
以下の3コースが設けられています。
- 65歳超継続雇用促進コース
- 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
- 高年齢者無期雇用転換コース
受給額 |
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65歳超継続 雇用促進コース |
60歳以上の 被保険者数 |
65歳への 定年引上げ |
66~69歳へ の定年引上げ (5歳未満) |
66~69歳への 定年引上げ (5歳以上) |
70歳以上への 定年引上げ |
定年の定めの 廃止 |
1~3人 |
15万円 |
20万円 |
30万円 |
30万円 |
40万円 |
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4~6人 |
20万円 |
25万円 |
50万円 |
50万円 |
80万円 |
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7~9人 |
25万円 |
30万円 |
85万円 |
85万円 |
120万円 |
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10人以上 |
30万円 |
35万円 |
105万円 |
105万円 |
160万円 |
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高年齢者評価制度等 雇用管理改善コース |
中小企業: 支給対象経費の60% 中小企業以外: 支給対象経費の45% |
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高年齢者 無期雇用転換コース |
中小企業:48万円 中小企業以外:38万円 |
両立支援等助成金:職場生活と家庭生活を両立できる職場改善を支援する
両立支援等助成金は、働きながら子育てや介護などを行う労働者を継続雇用するために、就業環境整備に取り組む事業主を支援する制度です。
両立支援等助成金には、以下の3コースが設けられています。
- 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
- 介護離職防止支援コース
- 育児休業等支援コース
受給額 |
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出生時 両立支援コース |
第1種 (男性労働者の出生時育児休業取得):20万円 第1種(代替要員加算):20万円 第1種(育児休業等に関する情報公表加算):2万円 第2種(男性労働者の育児休業取得率上昇) 1事業年度以内に30ポイント以上上昇した場合:60万円 2事業年度以内に30ポイント以上上昇した (または連続70%以上)場合:40万円 事業年度以内に30ポイント以上上昇した (または連続70%以上)場合:20万円 |
介護離職防止支援コース |
介護休業(休業取得時):30万円 介護休業(職場復帰時):30万円 介護休業(業務代替支援加算): 新規雇用20万円、手当支給等5万円 介護両立支援制度:30万円 個別周知・環境整備加算:15万円 |
育児休業等支援コース |
休業取得:30万円 職場復帰時:30万円 業務代替支援:新規雇用50万円、手当支給等10万円 業務代替支援(有期雇用労働者加算):10万円 職場復帰後支援(制度導入時):30万円 制度利用時(制度利用時) A:子の看護休暇制度1,000円×時間 B:保育サービス費用補助制度実費の2/3 |
助成金サポートについて解説しました
助成金サポートは、助成金の選定や申請手続きなどを任せられます。自社に適した制度を利用できるため、効果を最大化しやすくなります。さらに、スムーズな手続きができるようになります。
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