【2023年】ホームページ制作で使える補助金・助成金4種類の制度を条件から申請方法まで解説
ホームページを制作したいけど、予算が少ないとお悩みをお持ちの方は多いと思います。実は、ホームページ制作は目的によって補助金を申請できます。
本記事では、
- 補助金の種類
- 金額や条件
- どうやって申請するのか
について詳しく解説します。ホームページ制作を検討している方はぜひ参考にしてください。
ホームページ制作で活用できる補助金・助成金一覧
制度 |
補助対象 |
補助額 |
補助率 |
小規模事業者 持続化補助金 |
商業・サービス業 (常時使用する従業員の数 5人以下) 宿泊業・娯楽業 (常時使用する従業員の数 20人以下) 製造業その他 (常時使用する従業員の数 20人以下) |
50万円~ 200万円 |
1/2~3/4 |
事業再構築補助金 |
製造業、建設業、運輸業、 小売業、ソフトウェア業、 情報処理サービス業、 旅館業、他 ※資本金、従業員数などの 細かい規定は 公式ページをご確認ください |
100万円~ 1.5億円 |
1/2~3/4 |
IT導入補助金 |
中小企業 (飲食、宿泊、卸・小売、 運輸、医療、介護、 保育等のサービス業の他、 製造業や建設業等も対象) 小規模事業者 (商業・サービス業、 製造業、他) |
下限無し~ 450万円 |
2/3 |
ものづくり・商業・サービス 生産性向上促進補助金 |
中小企業・小規模事業者 |
750万円~ 5,000万円 |
1/2~2/3 |
地方自治体の 補助金 |
各自治体による |
各自治体に よる |
各自治体による |
小規模事業者持続化補助金
【概要】
小規模事業者が販路開拓や生産性向上のために計画した経営改善施策を支援する制度。 ホームページ制作にも利用でき、最大12.5万円が補助されます。
【補助対象】
以下の法人、個人事業、特定非営利活動法人が対象です。
商業・サービス業 (宿泊業・娯楽業除く) |
常時使用する従業員の数 5人以下 |
宿泊業・娯楽業 |
常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 |
常時使用する従業員の数 20人以下 |
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 資本金または出資金が5億円以上の法人に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
- 直近過去3年分の課税所得の平均が15億円を超えていないこと
- 持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠)で本補助金を申請済みであること
- 「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと
補助対象となる経費は以下のとおりです。
「ホームページ制作のみ」の申請は認められていないため、ほかの補助対象項目と組みあわせて申請する必要があります。具体的には補助金総額が50万円の場合、ホームページ制作には1/4である12.5万円までが利用できます。
【公募期間】
第11回受付締切 |
2023年2月20日 |
第12回受付締切 |
2023年6月1日 |
第13回受付締切 |
2023年9月7日 |
【応募方法】
小規模事業者持続化補助金に応募するには、必要書類を受付締切日までに提出しなくてはいけません。必要書類については全国商工会連合会から発行された「応募時提出資料・様式集」をご確認ください。提出方法は「電子申請」または「郵送」となります。
電子申請の際には補助金申請システム(名称:Jグランツ)を利用します。Jグランツには「GビズIDプライムアカウント」が必要ですが、発行に数週間必要。そのため、アカウントは早めに取得することをおすすめします。
▼参考:
Jグランツ(https://www.jgrants-portal.go.jp/)
GビズIDプライムアカウント(https://gbiz-id.go.jp/top/index.html)
事業再構築補助金
【概要】
新型コロナウイルスによる影響で、経営が悪化した事業主を支援するための制度。新規分野事業の開拓、もしくは業態転換を支援するのが目的となります。
【補助対象】
社会情勢の変化に対応するため、新規事業を展開する中小企業・中堅企業が支援を受けられます。そのため、既存事業の広告を目的としたホームページ制作は助成対象外となるので注意が必要です。
たとえば、喫茶店が店舗のホームページを制作する場合は補助対象となりません。既存事業の宣伝・広告を目的としたホームページは対象外のため。一方で、喫茶店がコーヒー豆の通販サイトを立ち上げる場合は補助対象となる可能性が高まります。あくまで「新規事業に必要なホームページを制作すること」が補助対象になると覚えておきましょう。
【申請要件】
- 2020年4月以降の6か月間のうち、連続する3か月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
- 新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組むこと
- 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
【補助額】
種類 |
補助額 |
補助率 |
通常枠 |
100万円~8,000万円 |
補助対象経費の1/3 ~2/3 |
大規模賃金引上枠 |
8,000万円超~1億円 |
補助対象経費の1/3~2/3 |
回復・再生応援枠、最低賃金枠 |
100 万円~1,500万円 |
補助対象経費の2/3~3/4 |
グリーン成長枠 |
100万円~1.5億円 |
補助対象経費の1/3~1/2 |
緊張対応枠 |
100万円~4,000万円 |
補助対象経費の2/3~3/4 |
※企業規模(中小企業・中堅企業)に応じて補助額と補助率は変化します
【公募期間】
第8回受付締切 |
2023年1月13日 |
第9回受付締切 |
2023年3月24日 |
新規公募は随時発表されるため公式ホームページを定期的にご確認ください。
【応募方法】
事業再構築補助金の申請は電子申請のみ受け付けています。必要書類を受付締切日までに提出してください。必要書類については「電子申請にあたってご注意いただくこと」をご確認ください。なお、申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。
▼参考
事業再構築補助金申請ホームページ(https://jigyou-saikouchiku-shinsei.jp/login.aspx?ReturnUrl=%2f)
GビズIDプライムアカウント(https://gbiz-id.go.jp/top/index.html)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
【概要】
中小企業・小規模事業者の新商品(試作品)開発や生産管理システムの導入など、経営革新に関する投資を支援する制度。残念ながら、一般的なホームページ制作に対して助成する「低感染リスク型ビジネス枠」は2022年2月に受付終了しています。
しかし、決済機能や顧客管理機能を含んだホームページであれば「通常枠」で申請が可能です。
【補助対象】
中小企業・小規模事業者に対して、以下の経費を補助します。
機械装置・システム構築費 |
・機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用の経費 ・専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用の経費 ・改良・修繕または据え付けの経費 |
運搬費 |
運搬料、宅配・郵送料の経費 |
技術導入費 |
知的財産権等の導入の経費 |
知的財産権等関連経費 |
特許権等の知的財産権等を取得する弁理士の手続き代行費用等 |
外注費 |
新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・ 検査等の一部を外注(請負、委託等)する経費 |
専門家経費 |
本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 |
クラウドサービス利用費 |
クラウドサービスの経費 |
原材料費 |
試作品の開発に必要な原材料および副資材の購入経費 |
海外旅費 |
海外渡航および宿泊の経費 |
通訳・翻訳費 |
通訳および翻訳の経費 |
広告宣伝・販売促進費 |
海外展開に必要な広告(パンフレット、動画、写真等)の作成 および媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションの経費 |
【申請要件】
以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定すること。
- 事業者全体の付加価値を年率平均3%以上増加
- 給与支給額を年率平均1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
「付加価値額」とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです。
【補助額】
750万円~5,000万円(中小企業は1/2、小規模事業者は2/3)
【公募期間】
13次締切 |
2023年2月20日 |
14次締切 |
2023年4月19日 |
新規公募は随時発表されるため公式ホームページを定期的にご確認ください。
【応募方法】
電子申請のみ受け付けています。なお、申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。
※2023/03/14現在、電子申請システムは準備中となっています。受付開始は令和5年3月24日(金)予定とのことです。
▼参考
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金申請ホームページ(https://portal.monodukuri-hojo.jp/denshi.html)
GビズIDプライムアカウント(https://gbiz-id.go.jp/top/index.html)
IT導入補助金(2023年3月現在公募なし)
※本補助金は2023年3月現在、新しい公募の発表はありません。新規公募は随時発表されるため公式ホームページを定期的にご確認ください。
【概要】
中小企業・小規模事業者のIT導入を支援する制度。ホームページ制作や、業務システムやクラウドツールの導入費用などで最大450万円の補助が出ます。
【補助対象】
中小企業や小規模事業者がIT導入する際に下記について支援を受けられます。
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用料
- 導入関連費
上記に加え「デジタル化基盤導入枠」ではハードウェア購入費用(PC、タブレット・プリンター・スキャナー等)も補助対象になります。
【補助額】
【公募期間】
セキュリティ対策推進枠 |
6次締切 7次締切 |
2023年1月19日 2023年2月16日 |
デジタル化基盤導入枠 |
18次締切 19次締切 |
2023年1月19日 2023年2月16日 |
新規公募は随時発表されるため公式ホームページを定期的にご確認ください。
【応募方法】
- IT導入支援事業者を選定し、導入するITツールを選択
- 「gBizIDプライム」アカウントの取得と「SECURITY ACTION」の実施
(「SECURITY ACTION」とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度」のことです。) - 交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
・IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受け、申請者基本情報を入力
・申請に必要な情報入力・書類添付
・IT導入支援事業者が導入するITツール情報、事業計画値を入力
・「申請マイページ」で事務局へ提出
地方自治体の補助金
地方自治体の中には地域の事業主支援を目的に補助制度をつくっているところもあります。自社の所属する自治体に関しては各自治体ホームページをご参照ください。
ここでは、一部の代表的な補助制度を紹介します。
東京
足立区 |
見本市等助成事業補助金 |
対象経費の2/3(上限75万円) |
|
荒川区 |
魅力発信動画製作補助金 |
対象経費の1/2(上限10万円) |
|
江戸川区 |
販路拡大支援事業助成金 |
対象経費の1/2(上限50万円) |
|
北区 |
新型コロナウイルス対策 設備投資等支援事業 |
対象経費の1/2(上限50万円) |
|
江東区 |
ホームページ作成費補助 |
対象経費の1/2(上限10万円) |
|
新宿区 |
おもてなし店舗支援事業補助金 |
対象経費の10/10(上限10万円) |
|
中央区 |
中小企業ホームページ作成費補助金 |
一般:対象経費の1/2 (上限5万円) 創業:対象経費の2/3 (上限6万円) |
|
豊島区 |
ホームページ作成支援 |
対象経費の1/2(上限5万円) |
|
練馬区 |
ホームページ作成費補助金 |
対象経費の1/2(上限5万円) |
|
港区 |
ホームページ作成支援事業補助金 |
中小企業:対象経費の2/3 (上限30万円) 商工団体等:対象経費の2/3 (上限75万円) |
|
八王子市 |
販路拡大支援補助金 |
中小企業:対象経費の2/3 (上限15万円) 小規模事業者:対象経費の3/4 (上限15万円) |
|
東村山市 |
中小企業等事業継続補助事業 |
通常枠: 事業者負担分の2分の1 低感染リスク型ビジネス枠: 事業者負担分の全額 |
|
町田市 |
産業見本市出展事業補助金 |
上限30万円 |
神奈川
大阪
岸和田市 |
創業者の販路開拓を支援します |
対象経費の1/2 (上限10万円) |
|
豊中市 |
売上アップ応援金 |
対象経費の10/10 (上限30万円) |
|
吹田市 |
中小企業ホームページ等作成事業補助金 |
対象経費の1/2 (上限20万円) |
愛知
春日井市 |
小規模事業者ホームページ作成支援事業 |
対象経費の1/2 (上限10万円) |
|
知多市 |
がんばる中小企業応援補助金/販路開拓事業 |
対象経費の1/2 (上限10万円) |
|
安城市 |
がんばる中小企業応援事業補助金/販売促進事業 |
対象経費の1/2 (上限20万円) |
福岡
福岡市 |
小規模事業者持続化補助金 |
対象経費の2/3 (上限50万円) |
ホームページ制作補助金の注意点
書類や申請手順を守ること
補助金を確実に受けたいのであれば、必要書類や締切日など、決められたルールをしっかり守ることが大切。必要書類はもちろんのこと、自社に要件が合致しているか、計画通りに事業が実施されているかが支給可否を分けることになります。
また助成金や補助金は、1年単位でルールが変わることも珍しくありません。規定に沿わないとすぐに審査に落ちてしまうため事前に公式サイトを漏れのないように確認しておきましょう。
加点審査項目をわかりやすく盛り込む
基本的に補助金は要件さえクリアすれば採択されやすい制度。しかし、制度要件をどれだけ満たしているかで決まる加点審査項目をわかりやすく盛り込めば、より確実に助成金を受けられます。
具体的には、経営計画書や事業計画書などの提出書類に自社の強みをしっかり盛り込みます。それだけでなく、これから制作するホームページが、どのように運用されて目標を達成するのかをわかりやすくアピールすることをおすすめします。
ホームページが適切に運用されると期待できる内容であれば、審査の際に加点対象となります。分析データなどはテキストだけでなくグラフなども活用して視覚的にアピールするのも効果的です。
補助金交付までには時間がかかる
補助金は事業計画が採択されて、実際に事業を実施し、効果が認められてようやく支給されます。支給されるまでの期間は制度や自治体によって異なりますが、少なくとも補助金が交付されるまでは事業にかかる資金は自社でまかなわなくてはいけません。
補助金を申請する計画を立てるときは、資金面も含めて実施する体力があるのかも見積もっておきましょう。
小規模事業者持続化補助金と各自治体補助金の併用は不可
ホームページ制作に関する補助金は国・自治体をあわせればいくつもありますが、小規模事業者持続化補助金と各自治体補助金の併用は不可とされています。他にも併用できない補助金はありますので各補助金の公式サイトの「よくある質問」を確認してみてください。
ホームページ制作の相場
参考までにホームページ制作のおおまかな相場をご紹介します。
費用は制作するサイトの規模によって異なります。
- 小規模:10万~100万円
- 中規模:数十万~500万円
- 大規模:数百万~数千万円
規模はページ数やコンテンツ量、機能・デザインで決まります。やりたいことが多ければ多いほど費用は高額になると考えましょう。
さらに、作りたいサイトの種類がどのようなものなのかが重要です。
- 企業サイト:50万~300万円
- ランディングページ:30万~60万円
- ECサイト:100万~500万円
- オウンドメディア:100万~300万円
- 採用サイト:50万~150万円
ホームページ制作を依頼する前に費用感を把握しておけば、無駄な出費を抑えられるのでおすすめです。
▼関連記事
ホームページ制作の費用の相場を詳しく知りたい場合は、「ホームページ制作・作成の費用・料金相場【相場早見表・事例つき】」をあわせてご覧ください。
ホームページ制作の補助金について紹介しました
本記事では、ホームページ制作で活用できる補助金について解説しました。
補助金を使ってホームページ制作ができれば大きな助けになりますが、各補助金には要件が定められています。漏れがないよう計画的に準備しましょう。また、補助金制度の公募は随時更新されるため、気になる補助金の公募が始まったらすぐに準備ができるように公式サイトは定期的にチェックすることをおすすめします。