飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金とは?支給額や支給要件を解説

飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金とは?支給額や支給要件を解説

飲食店での資金繰りに困り、給付金・助成金・補助金をもらえないか検討しているものの、どのようなものがあるか分からず、お困りではないでしょうか。

本記事では、飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金について解説します。本記事を読めば、飲食店の状況や形態にあわせて、どの給付金を利用すればいいか、イメージできるようになるでしょう。

目次
  1. 1. 飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金の活用方法
  2. 2. 飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金一覧(全国共通)
    1. 2-1. 雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
    2. 2-2. 小規模事業者持続化補助金(一般型)
    3. 2-3. 事業再構築補助金
    4. 2-4. IT導入補助金
    5. 2-5. ものづくり補助金
  3. 3. 飲食店が受けられる支援制度(地方自治体単位)
    1. 3-1. 東京都:飲食事業者の業態転換支援事業
    2. 3-2. 東京都:飲食事業者向け経営基盤強化支援事業
    3. 3-3. 福井県:新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金
  4. 4. その他飲食店を支援する制度
    1. 4-1. 国税納付の猶予制度
    2. 4-2. 新型コロナウイルス感染症特別貸付
    3. 4-3. 新型コロナ対策資本性劣後ローン
  5. 5. 飲食店の資金繰りを改善するポイント
    1. 5-1. キャッシュフローを正確に把握する
    2. 5-2. 入金を早め、支払期限を延長してもらう
    3. 5-3. 不要な在庫を持たない
  6. 6. 飲食店の給付金・助成金・補助金に関するQ&A
    1. 6-1. もらったら税金はかかる?
    2. 6-2. 返済が必要?
  7. 7. 飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金について説明しました

飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金の活用方法

飲食店では給付金や助成金、補助金を様々な方向で活用できます。例えば、以下のようなことが可能です。

  • 資金繰り
  • ITツール導入
  • 新業態へのチャレンジ

資金繰りがわかりやすい例ですが、IT導入や新業態へのチャレンジにも活用できます。

飲食店でITツールを導入することで、タブレットを導入し、タブレットから厨房へスムーズにオーダーができるようになります。また、POSレジなどIT管理に役立つ機器を導入し、事務作業や分析を効率的にすることもできるでしょう。

新業態として、デリバリーやお弁当の販売、軒先販売などへの対応も可能です。

飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金一覧(全国共通)

 

雇用調整助成金

(新型コロナウイルス

感染症の

影響に伴う特例)

小規模事業者

持続化補助金

(一般型)

事業再構築

補助金

IT導入補助金

ものづくり補助金

担当機関

厚生労働省

全国商工会連合会

事業再構築補助金

事務局

経済産業省

全国中小企業団体中央会

対象

事業主

小規模事業者

中小企業

中小・小規模事業者

中小企業・小規模事業者

内容

雇用調整助成に

関する経費の支援

販路開拓などの

経費を支援

事業再構築への

行動を支援

デジタル化の推進支援

革新的サービス開発・

試作品開発の改善などを

目的とした設備投資の支援

補助額/

補助率

最大従業員

1人あたり

最大15,000円/

最大10/10

最大50万円/

一律2/3

最大1億円/

最大1/2

最大450万円/

最大3/4

最大1,250万円/

最大2/3

対象経費

従業員の休業手当

販路開拓に

関わる設備費や

広報費など

事業再構築のための

設備や広告費・

クラウドサービス

導入費用

ソフトウェア購入費・

クラウド利用料など

対象事業に関する

設備費用や、

ソフトウェアに関する

費用

それぞれの具体的な内容について、次で解説します。

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)は、厚生労働省が実施する助成金。概要、支給額、申請方法、申請手順について解説します。

概要

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)は、新型コロナウイルス感染症の影響で、休業などの雇用調整に迫られた事業主に対して実施する助成金です。

従業員の雇用維持を図るため、労使の協定に基づき、雇用調整を実施する事業主に対して、休業手当などの一部の支給を受けられます。

対象経費

雇用調整助成金の対象となるのは、労働者に対する休業手当です。

支給額

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)の支給額は、以下で算出されます。

支給額=平均賃金額×休業手当などの支払率×個別の助成率

平均賃金額の定義は以下。

前年度1年間における雇用保険料の算定基礎となる賃金総額を、前年度1年間における1か月平均の雇用保険被保険者数及び年間所定労働日数で割った額

引用:雇用調整助成金ガイドブック

たとえば賃金総額が12,000,000円で、平均人員数(雇用保険被保険者数)が6人、所定労働日数が200日とすると

12,000,000÷6÷200=10,000円

10,000円が平均賃金額になります。

休業手当などの支払率は、以下の計算式で計算されます。

​​休業手当などの支払率=休業手当総額÷(平均賃金額×休業延日数)

上記のように書くと複雑に思えるかもしれませんが、休業手当総額は

休業手当総額=休業手当額×休業延日数

で算出されるので、たとえば休業手当額が7,000円で、休業延日数が70日、平均賃金額を上掲の例と同じく10,000円とした場合

(7,000円×70日)÷(10,000円×70日)=70%

となるため、基本的には休業手当額÷平均賃金額で考えれば大丈夫です。(※全日雇用の従業員と短時間雇用の従業員がいる場合は、それぞれ考える必要があります)

個別の助成率は企業規模と期間、解雇の有無で変わります。期間の判断基準となるのは、判定基礎期間

判定基礎期間は、毎月の賃金の締め切り日の翌日から、その次の締め切り日までの期間で、たとえば賃金の締め切り日が毎月末日の場合、1日~末日までが判定基礎機関になります。

個別の助成率(2022年10月~11月)

大企業

解雇をせず雇用を維持した場合

3/4

それ以外の場合

2/3

中小企業

解雇をせず雇用を維持した場合

9/10

それ以外の場合

4/5

条件に該当する全企業

解雇をせず雇用を維持した場合

4/5

それ以外の場合

10/10

休業した最初の日にちが2022年12月から2023年1月までの助成率は以下の通りです。

個別の助成率(2022年12月~2023年1月)

大企業

解雇をせず雇用を維持した場合

2/3

それ以外の場合

1/2

中小企業

解雇をせず雇用を維持した場合

2/3

それ以外の場合

9/10

助成対象となる最初の日にちが2023年2月から3月までの助成率は以下の通りです。

個別の助成率(2023年2月~3月)

大企業

1/2

中小企業

2/3

2023年1月以降は業況や解雇状況に関係なく、計算されます

また、1日1人あたりの支給額には上限額があるため、注意が必要。なお、上限金額は、企業の規模や業況、地域、助成対象となる最初の日にちによって変わります。

金額の上限額をまとめると以下の通りです。

助成対象となる

最初の日にち

1人1日あたりの上限額(原則)

1人1日あたりの上限額

(条件に当てはまる場合)

2022年3月〜9月

9,000円

15,000円

2022年10月〜11月

8,355円

12,000円

2022年12月〜

2023年1月

8,355円

9,000円

2023年2月〜3月月

8,355円

表でいう条件とは、以下いずれかに当てはまる場合です。

  • 売上などの生産指標が最近3ヶ月平均で、過去3年間の同時期と比較して30%減少している場合
  • 緊急事態宣言の実施地域、まん延防止重点措置の対象地域などで、営業時間の短縮などの要請に協力する場合

ただし、上記の条件は、2022年12月以降は適用されません

支給要件

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)の要件は以下の条件をすべて満たしていることです。

  1. コロナウイルス感染症の影響により、経営環境が悪化し、事業が縮小している
  2. 最近1ヶ月の売上高や生産高が、前年同月と比較して10%減少している
  3. 労使間の協定に基づく休業などを実施し、休業手当を支払っている

引用元:雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

申請方法

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)の申請までの手順は以下の通りです。

  • 休業計画を立て、労使協定を従業員と締結しておく
  • 休業を実施する
  • 休業の実績に基づいて書類の準備や申請書の作成を進める
  • 事業所所在地を管轄する都道府県労働局かハローワークにて新製手続きをする
  • 労働局で審査され、支給の可否を検討される
  • 決定後、助成金が振り込まれる

必要な書類は、企業によりますが、生産指標の低下が確認できる書類や休業協定書などが挙げられます。なお、申し込み書類そのものは以下からダウンロード可能です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyouchouseijoseikin_20200410_forms.html

申請期間

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)の申請期間は2023年3月31日まで。新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例そのものは、この期間を最後に終了する予定となっています。

それ以降は通常の雇用調整助成金であれば、申請が可能です。ただし、要件が雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)とは異なるため、注意する必要があります。

小規模事業者持続化補助金(一般型)

小規模事業者持続化補助金(一般型)は、全国商工会連合会が実施する補助金。概要、支給額、申請方法、申請手順について解説します。

概要

小規模事業者持続化補助金(一般型)は、小規模事業者に対して、インボイス制度の導入や給料額の引き上げをはじめとした制度変更に合わせ、販路開拓などの経費の一部を補助します。地域を支える小規模事業者の生産性向上と持続的発展をサポートすることが目的です。

以前は一般型のほかにも、コロナ禍により対人接触機会減少のため、新たなサービスの導入やビジネスを始める小規模事業者を支援する低感染リスク型ビジネス枠の補助金もありました。ただし、2023年3月現在では、新規申込が終了しています。

対象経費

販路開拓などに関わる、以下の経費などが対象です。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  • 委託・外注費

支給額

小規模事業者持続化補助金(一般型)の支給額の上限は50万円で、補助率は2/3。インボイス特例の要件を満たしている場合には、50万円が上乗せされます。

補助率

2/3

補助上限

50万円

インボイス特例

50万円

インボイス特例の要件は2021年9月30日から2023年9月30日まで、免税事業者である場合に、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者であることです。

支給要件

小規模事業者持続化補助金の支給要件は以下5つを満たしていること。

  1. 常時雇用する従業員5名以下(飲食店の場合)
  2. 資本金や出資金5億円以上の法人に、100%の株式を保有されていないこと
  3. 直近過去3年間の課税所得が平均15億円を超えていないこと
  4. 「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を補助金申請までに地域の商工会・商工会議所窓口に提出していること
  5. 小規模事業者持続化補助金(一般型)において、以前に「卒業枠」で補助事業を実施していないこと

申請方法

小規模事業者持続化補助金の申請方法は、以下の通りです。

  • 必要書類の作成準備(経営計画書や補助事業計画書など)
  • 地域の商工会・商工会議所窓口に提出し、「事業支援計画書」(様式4)の交付を受ける
  • 電子申請または郵送で必要書類を提出
  • 補助事業の実施後、実施報告書を提出
  • 事業終了から1年後「事業効果および賃金引上げ等状況報告」を提出

申請期間

小規模事業者持続化補助金の第12回公募は、3月10日に受付開始し、6月1日まで。第13回は9月7日までとなっています。

ただし、予定が変更される可能性もあるため、申請前に公募要領は確認しておきましょう。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は事業再構築補助金事務局が実施する補助金。事業再構築補助金事務局の概要、支給額、申請方法、申請手順について解説します。

概要

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響による売上低下や需要の低下から、事業再構築に向けて行動する中小企業の挑戦を支援するものです。

通常枠や最低賃金枠など6つの枠から選択できます。

対象経費

事業再構築補助金の対象経費としては以下のものなどが挙げられます。

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • クラウドサービス利用費
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費

支給額

事業再構築補助金は、補助額の上限が高いのが特徴。

補助金の金額と補助率は従業員数や企業規模により変わります。なお、1回の公募につき、いずれか1つの枠しか申請できません

 

通常枠

大規模賃金

引上枠

回復・再生応援枠

最低賃金枠

対象

売上低迷している

中小企業

雇用従業員が

多い中小企業

コロナ禍による

業績悪化の影響が

大きい中小企業

最低賃金枠の

引き上げが

難しい中小企業

補助額上限

8,000万円

1億円

1,500万円

1,500万円

補助率

中小企業

2/3 

中堅企業

1/2

中小企業

2/3 

中堅企業

1/2

中小企業

3/4

中堅企業

2/3

中小企業

3/4

中堅企業

 2/3

支給要件

事業再構築補助金は、中小企業基本法に該当する、日本国内に本社を有する中小企業または中堅企業です。

また、通常枠での要件として以下のものが挙げられます。

  1. 事業内容が事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当している
  2. 2020年4月以降で連続する6ヶ月のうち3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
  3. 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
  4. 補助事業終了後3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を立てること

申請方法

事業再構築補助金の申請手順は以下の通りです。

  • 認定経営革新等支援機関または金融機関の支援をうけ、事業計画書を作成する
  • GBizIDプライムアカウントを入手する
  • マイページから申請書を作成する
  • 交付決定後、対象事業の発注・契約・納入・支払いを進める
  • 実績報告後、確定審査を受ける
  • 事業化状況報告を行う

GBizIDプライムアカウントは以下から、作成可能です。
https://gbiz-id.go.jp/app/rep/reg/apply/show
なお、事業再構築補助金は郵送での申請はできません。    

申請期間

事業再構築補助金の第9回公募は3月24日までです。

IT導入補助金

IT導入補助金は、経済産業省が実施する補助金。IT導入補助金の概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

IT導入補助金は、中小・中小規模事業者に、インボイス制度への対応を含めたデジタル化の推進を支援する補助金です。会計ソフト・ECソフトなどの導入費用に加え、PCやタブレット、レジの導入費用を支援します。

導入するツールや目的、状況にあわせて、通常枠でAとBがあり、それ以外にセキュリティ対策推進枠とデジタル化基盤導入枠が条件に当てはまる場合は利用可能です。

セキュリティ対策推進枠は、ITを使ったオーダーシステムや会計管理などの制度を導入する際に利用できます。デジタル化基盤導入枠は、会計ソフトなどの導入に特化した補助金でPC・タブレットが補助対象にできることが特徴です。

対象経費

IT導入補助金の対象経費は、ソフトウェア購入費・クラウド利用料などです。ただし、デジタル化基盤導入枠はハードウェアも対象となります。

支給額

IT導入補助金の補助額はA類型が5万円〜150万円未満、B類型が150万円〜450万円以下。補助率はA型もB型も1/2となります。また、デジタル化基盤導入枠の場合は、「ソフトウェアとクラウド利用料」と「ハードウェア」で上限と補助率が変わります。

表にまとめると以下の通りです。

 

A型

B型

セキュリティ対策

推進枠

デジタル化基盤

導入枠

対象

ソフトウェア購入費・

クラウド利用料

ソフトウェア購入費・

クラウド利用料

セキュリティサービス

利用料

ソフトウェア購入費・

クラウド利用料

ハードウェア導入費用

(別枠)

補助額

5万〜150万円

150万〜450万円

50万円以下

50万〜350万円

ハードウェア

最大20万円

補助率

1/2

1/2

3/4

2/3

ハードウェア

1/2

支給要件

IT導入補助金通常枠(A・B類型)の飲食店の補助対象者は中小企業と小規模事業者

中小企業の要件は資本金5000万円・常勤従業員100人以下となります。小規模事業者が常勤従業員数5人以下の会社か個人事業主です。

申請方法

IT導入補助金の申請手順は以下の通りです。

  • IT導入支援事業者と相談し、導入するツールを決める
  • GBizIDプライムアカウントを入手する
  • マイページから申請書を作成する
  • IT導入支援事業者がIT導入補助金の申請をする
  • 交付決定後、IT支援事業者と発注・契約・納入・支払いを進める
  • 事業化状況報告の報告を行う

なお、交付決定の前にIT導入支援事業者に発注・契約・支払いをしないように注意してください。先に手続きを進めてしまうと、補助金の交付が受けられません

申請期間

IT導入補助金(A・B 類型)の申請期間は、2023年度分は3月28日より受付が開始されます。なお、締切は2023年3月時点では公表されていません。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、全国中小企業団体中央会が実施する補助金。ものづくり補助金の概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

ものづくり補助金は今後複数年に渡って要求される、働き方改革や賃上げ、インボイス導入などの制度変更に対応しようとする中小企業・小規模事業者にむけた補助金

中小企業や小規模事業者に対して、革新的サービス開発・試作品開発の改善をし、生産性を向上させることを目的とした設備投資などを支援します。

対象経費

ものづくり補助金の対象経費は、対象事業に関する設備費用や、ソフトウェアに関する費用などです。

支給額

ものづくり補助金で飲食店が利用できるのは通常枠。通常枠は、従業員数5人以下が100万〜750万円、6人〜20人が100万〜1000万円、21人以上が100万〜1250万円が補助されます。補助率は人数にかかわらず、1/2ですが、小規模事業者の場合は2/3です。

 

従業員数5人以下 

6人~20人

21人以上 

補助額

100万~750万円

100万~1,000万円

100万~1,250万円

補助率

1/2

(小規模企業者・小規模事業者などの場合2/3)

支給要件

ものづくり補助金の支給要件は飲食業の場合で、資本金5,000万円、常時従業員数が100人以下であること。

以下の要件も満たす必要があります。

  1. 事業計画期間で一定水準以上の給与を上げること
  2. 申請要件を満たす事業計画を策定し、「未達の場合には返還に応じる」ことに同意すること

申請方法

ものづくり補助金の申請は以下の手順で行います。

  • 事業計画書の作成
  • GBizIDプライムアカウントの作成
  • 電子申請システムより申請
  • 交付決定後、事業改善の実施
  • 事業完了後、事業実績報告書の作成・提出
  • 事業実績報告書の審査後、支払い請求書の作成・提出
  • 助成金受領後、状況報告の作成・提出
  • 消費税及び地方消費税にかかる仕入控除税額報告書の作成・提出

申請期間

14次ものづくり補助金の申請期間は3月24日17時から同4月19日17時までです。

飲食店が受けられる支援制度(地方自治体単位)

飲食店が受けられる支援制度として、以下のものが挙げられます。

  • 飲食事業者の業態転換支援事業
  • 飲食事業者向け経営基盤強化支援事業
  • 福井県信用保証協会の新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金

それぞれの内容について、次で紹介します。

東京都:飲食事業者の業態転換支援事業

飲食事業者の業態転換支援事業は、東京都中小企業振興公社が展開しているもの。飲食事業者の業態転換支援事業の概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

飲食事業者の業態転換支援事業は、都内中小飲食事業者が、テイクアウトや宅配など新たなサービスを通して、売上を確保する取り組みに対し、経費の一部を助成する制度

新型コロナの影響で大きく売上が落ち込んでいる中小飲食事業者を対象としています。

対象経費

印刷物の制作費などの販促費や、車両費、Wi-Fiなどの設備機器費用などが対象です。

支給額

飲食事業者の業態転換支援事業の支給額は最大100万円で、助成率は4/5です。

支給要件

飲食事業者の業態転換支援事業の支給要件は、以下の通りです。

  1. 中小企業基本法で定義する中小企業者であること
  2. 東京都内で飲食事業を行い、書類上で所在や、納税証明などが確認できること
  3. 1期以上の決算を経ており、税務署に確定申告済みで受付印がある、前年度の確定申告書の写しが提出できること
  4. 保健所の許可を取得し、許可書の写しが提出できること
  5. そのほか条件を満たしていること

申請方法

飲食事業者の業態転換支援事業の申請は、申請書類を揃えて、東京都中小企業振興公社の事務局にて行います。

申請期間

飲食事業者の業態転換支援事業第26回の締切は、2023年3月31日です。

東京都:飲食事業者向け経営基盤強化支援事業

飲食事業者向け経営基盤強化支援事業は東京都中小企業振興公社が展開する補助事業です。飲食事業者向け経営基盤強化支援事業の概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

飲食事業者向け経営基盤強化支援事業は、今後の行動制限緩和を見据え、事業の本格的な稼働再開を検討する都内飲食事業者に対して実施する事業です。専門家派遣支援にて派遣された専門家より助言を受け、収益の確保に取り組む際、その経費の一部を助成します。

対象経費

飲食事業者向け経営基盤強化支援事業の対象経費は、以下のものなどが対象です。

  • 厨房機器の購入費
  • 広告宣伝費
  • マーケティング調査費
  • システム導入費
  • 厨房などの工事費

支給額

飲食事業者向け経営基盤強化支援事業の支給額は、最大200万円で、助成率は対象経費の2/3以内です。

支給要件

飲食事業者向け経営基盤強化支援事業の申請要件は、以下のものがあります。

  1. 東京都内店舗で飲食業を事業として行っていること
  2. 大企業が経営に参画していないこと
  3. 2023年時点で、店舗の登記が都内にあるまたは、個人事業主であれば納税地が都内であること
  4. フランチャイズ加盟店でないこと
  5. 1事業につき、1回であること
  6. 必要書類を申請時にすべて提出できること
  7. 「東京都暴力団排除条例」で規定される、風俗関連業、ギャンブルなどの事業ではないこと

また、飲食事業者向け経営基盤強化支援事業による派遣支援を受けていることも条件です。

申請方法

飲食事業者向け経営基盤強化支援事業の申請方法は、電子申請です。電子申請フォームのURLは支援事業者にてメールで連絡されます。

福井県:新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金

新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金は、福井県信用保証協会が展開する支援金制度。概要や支給額、支給要件について紹介します。

概要

新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金は、新型コロナウイルス感染症への対応から、事業再構築などの前向きな取り組みを行う事業者を支援する制度です。

対象経費

新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金は利用できる経費の内容に指定はありません

支給額

新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金の保証限度額は1億円です。

支給要件

新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金の保証対象は、福井県内で事業を経営している中で、以下の条件に該当していることです。

  1. 中小企業信用保険法第2条第5項第4号に当てはまる中小企業者として、認定を受けていること
  2. 中小企業信用保険法第2条第5項第4号の認定を受けていること
  3. ある一定期間において、前年同月と比較して、5%以上売上が減少していること

申請方法

新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金の申請は、消費税の納税証明書や経営行動計画書などの必要書類を提出します。提出先は信用保証協会です。

申請期間

新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金の申請期間は2023年3月時点で特段期限がありません。そのため、無制限に申請できます。

その他飲食店を支援する制度

給付金以外にも、飲食店を支援する制度があります。ここでは、どのような制度があるか、解説します。

国税納付の猶予制度

新型コロナウイルス感染症の影響で資金繰りが悪化し、期限までに税金を納めるのが困難な事業者の場合には、国税納付の猶予制度が利用できます。最大で1年の猶予が受けられ、1年据え置きか、分割納付か選択可能です。

申請する際には、納付すべき国税の納期限から6ヶ月以内に申請する必要があります。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

新型コロナウイルス感染症特別貸付は、日本政策金融公庫が行っている制度。新型コロナウイルス感染症の影響により、前年度と比較して、5%以上業況が悪化している事業者が利用できます。

最大8000万円の貸付が受けられ、20年以内の返済期間、無担保で利用可能です。

新型コロナ対策資本性劣後ローン

新型コロナ対策資本性劣後ローンは、日本政策金融公庫または商工組合中央金庫で行っているローン

新型コロナウイルス感染症の影響を受けているスタートアップ企業や事業再生に取り組む方などを対象に、財務体質強化を図ることを目的に資金を供給します。

中小企業の場合は1社あたり上限10億円が融資限度額です。無担保・無保証人で利用でき、融資後3年間は一律0.5%または0.95%の利率で利用できます。

支給要件は、J-Startupプログラムに選定された事業者や、中小機構が出資する投資ファンドから出資を受けた事業者などです。

飲食店の資金繰りを改善するポイント

飲食店の資金繰りを改善するには、闇雲に取り組むのではなく、ポイントを押さえることが大切です。

飲食店の資金繰りを改善するポイント

それぞれのポイントについて、次で解説します。

キャッシュフローを正確に把握する

飲食店の資金繰りを改善するためには、キャッシュフローの把握が重要。キャッシュフローを把握するには、手元の資金やお金の動きを把握するための資金繰り表を作成する必要があります。

通常であれば、月ごとの資金繰り表を作ることが一般的ですが、資金繰りが悪化している場合には、日ごとの資金繰り表作成も検討しましょう。

入金を早め、支払期限を延長してもらう

飲食店の資金繰りを改善するためには、入金を早め、支払期限を延長してもらうことが重要。入金が遅く、支払いが早い場合には、手元の現金がなくなり、資金ショートのリスクが高まります。

入金を早める施策としては、現金払いにすることが効果的。ただし、現金払いのみの場合、顧客の利便性を損ないます。近年では、決済から翌日の入金など、入金の早い決済サービスもあるため、そのような方法も選択肢です。

給付金などを利用し、キャッシュレス決済のサービス導入を検討してみましょう。

不要な在庫を持たない

飲食店の資金繰り改善のためには、不要な在庫をなくすことが大切です。飲食店で食品の在庫があることで、現金が流出しやすくなります。さらに、賞味期限切れなどによる在庫ロスも問題です。

極力不要な在庫を減らし、必要最小限の仕入れを心がけましょう

飲食店の給付金・助成金・補助金に関するQ&A

飲食店の給付金・助成金・補助金は利用したことがないと、導入が不安だという人も多いでしょう。ここでは、飲食店の助成金・補助金のよくある疑問について説明します。

もらったら税金はかかる?

中小企業や個人事業主がもらった助成金・補助金は原則として、課税対象になります。中小企業であれば法人税、個人事業主であれば所得税の課税対象です。

ただし、補助金や助成金の種類によって課税関係が異なり、非課税のケースも。そのため、申請する補助金ごとに調べておきましょう。

なお、収益として計上する時期は、支給決定が決まったタイミングです。

返済が必要?

助成金・補助金は、原則として返済が不要。ただし、法令に違反した場合や、要件を満たさない場合には、返還が命じられる場合があります。

「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」では、補助金を譲渡・交換・貸付・担保は禁止されています。また、補助金申請時に記載した用途と異なる用途で利用してはいけません。

また、一部の補助金では事業後に一定の成果が求められるものもあります。そのため、返還が求められるかどうか、確認が必要です。

飲食店がもらえる給付金・助成金・補助金について説明しました

本記事では、飲食店でもらえる給付金・助成金・補助金について説明しました。飲食店でもらえる給付金は様々なものがあり、資金繰りだけではなく、ITの導入や、新業態へのチャレンジなどの用途で活用可能です。

事業内容や目的に合ったものを申請することで、経営状態の改善につなげられます。