POSレジに使える補助金・助成金とは?概要や支給要件なども解説

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POSレジ導入で、補助金や助成金の導入を検討しているものの、どのようなものがあるかわからずお困りではないでしょうか。

本記事では、POSレジ導入のメリットや、POSレジ導入に利用できる補助金や助成金について、概要や支給要件まで解説します。この記事を読めば、POSレジ導入のためにどのような補助金や助成金を利用すればいいか、イメージできるようになります。

目次
  1. 1. POSレジとは
  2. 2. POSレジを導入するメリット
    1. 2-1. 会計処理が自動化され、人件費が削減できる
    2. 2-2. 複数店舗の売上管理を一元化できる
    3. 2-3. ヒューマンエラーを防止できる
    4. 2-4. セキュリティ強化につながる
  3. 3. POSレジの導入に使える補助金、助成金一覧
  4. 4. IT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)
    1. 4-1. 概要
    2. 4-2. 対象経費
    3. 4-3. 支給金額
    4. 4-4. 支給要件
    5. 4-5. 申請方法
    6. 4-6. 申請期間
  5. 5. 小規模事業者持続化補助金(通常枠)
    1. 5-1. 概要
    2. 5-2. 対象経費
    3. 5-3. 支給金額
    4. 5-4. 支給要件
    5. 5-5. 申請方法
    6. 5-6. 申請期間
  6. 6. ものづくり補助金(一般型)
    1. 6-1. 概要
    2. 6-2. 対象経費
    3. 6-3. 支給金額
    4. 6-4. 支給要件
    5. 6-5. 申請方法
    6. 6-6. 申請期間
  7. 7. 業務改善助成金
    1. 7-1. 概要
    2. 7-2. 対象経費
    3. 7-3. 支給金額
    4. 7-4. 支給要件
    5. 7-5. 申請方法
    6. 7-6. 申請期間
  8. 8. 働き方改革推進支援助成金
    1. 8-1. 概要
    2. 8-2. 対象経費
    3. 8-3. 支給金額
    4. 8-4. 支給要件
    5. 8-5. 申請方法
    6. 8-6. 申請期間
  9. 9. 助成金・補助金を活用したPOSレジの導入事例
    1. 9-1. IT導入補助金
    2. 9-2. ものづくり補助金
    3. 9-3. 業務改善助成金
  10. 10. POSレジの導入に使える補助金、助成金について紹介しました

POSレジとは

POSレジはPOS機能を搭載したレジのこと。POSは「Points of Sales」の頭文字を取ったもので、販売時点情報管理を意味します。

販売時点での顧客や商品についての情報を瞬時に集計し、インターネット上で管理できるため、各店舗の売上を一元的に管理できることが特徴です。

POSレジを導入するメリット

POSレジを導入するメリット

POSレジを導入することで、これまでにできなかった売上管理や、より正確な管理が可能です。どのような特徴があるか、次で解説します。

会計処理が自動化され、人件費が削減できる

POSレジを導入するメリットは、会計処理を自動化できることで、人件費削減ができること。会計処理の自動化により、レジ締め作業の負担が大幅に軽減します。

POSレジの中には各業界の特徴に合わせた効率化ができるものもあります。たとえば飲食店であれば、オーダーを自動で厨房に伝えるオーダーエントリーシステムにより、オーダーをよりスムーズに伝えることが可能です。

複数店舗の売上管理を一元化できる

POSレジは複数店舗の売上を一元管理できます。従来のレジは、各店舗で売上を集計し、情報入力しなければ、状況が確認できません。そのため、各店舗の集計を待たなければならず、確認に時間がかかるため、効率的な管理は難しい状態でした。

POSレジは、インターネット上で情報を管理でき、売上状況をリアルタイムで管理可能。各店舗の締め作業を待たずに売上状況を把握できるため、より柔軟な対応ができるようになりました。

顧客管理や在庫管理と連動させることで、各店舗の在庫状況や、顧客の傾向分析が可能。その結果、各店舗に合わせた在庫の移動や発注ができる、顧客のニーズに合わせた商品展開ができるなどのメリットがあります。

ヒューマンエラーを防止できる

POSレジはヒューマンエラー防止に役立ちます。POSレジはバーコードスキャナーから商品情報を読み取るため、金額を手入力する場合と異なり、入力ミスが起こりません。自動釣銭機があるものであれば、現金の数え間違いも防げます

セキュリティ強化につながる

POSレジの導入はセキュリティ強化にもつながります。POSレジは誰がどのような行動をしたのか使用ログが残るためです。

何らかの問題や不正があった場合でも、使用ログから動きを把握できるため、原因特定や不正の発見をスムーズに行えます。

POSレジの導入に使える補助金、助成金一覧

POSレジ導入に使える補助金、助成金を以下の表にまとめました。

 

IT導入補助金

小規模事業者

持続化補助金

ものづくり

補助金

業務改善

助成金

働き方改革

推進支援助成金

担当機関

経済産業省

全国商工会連合会

全国中小企業団体

中央会

厚生労働省

厚生労働省

対象

中小規模事業者

小規模事業者

中小企業・

小規模事業者

中小企業・

小規模事業者

中・小規模の事業主

内容

ITツール導入費を補助

小規模事業者の

販路開拓、

生産性向上の

取り組みを支援

働き方改革や賃上げ、

インボイス導入

などへの対応を支援

生産性向上、

賃金の引き上げを

支援

労働時間の縮減、

年次有給休暇の

促進に向けた

環境整備を支援

補助額/

補助率

最大350万円/最大3/4

50万円/補助率2/3

1250万円/

補助率1/2

上限600万円

/最大補助率9/10

上限490万円/3/4

対象経費

・PC

・タブレット

・レジ

・券売機

・ITツール

・製造装置

・外注費

※補助事業に

使用されるものに限る

・機械

・専用ソフトウェア

・情報システム

※補助事業に

使用されるものに限る

設備投資等

・労務管理用ソフトウェア

・労務管理用機器の導入

それぞれの助成金・補助金の特徴を次で解説します。

IT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)

IT導入補助金は、通常枠(A・B類型)やセキュリティ対策推進枠など枠が複数ありますが、POSレジ導入に利用できるのがデジタル化基盤導入類型。概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

IT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)は、経済産業省が実施する補助金

中小・中小規模事業者に、インボイス制度も見据えたデジタル化の推進を目的に、会計ソフト・ECソフトなどの導入費用に加え、PCやタブレット、レジの導入費用を支援します。

対象経費

IT導入補助金は導入するITツールと関連する費用が主な対象です。例えば、ITツールと関連した以下のものなどが対象になります。

  • PC
  • タブレット
  • レジ
  • 券売機
  • プリンター
  • スキャナー

支給金額

支給金額は以下の表の通りです。

補助対象

上限と補助率

PC・タブレット

10万円まで(補助率1/2)

レジ・券売機

20万円まで(補助率1/2)

ITツール

(会計ソフトや勤怠管理ツールなど)

5万円〜50万円以下の場合:補助率3/4

50万円超~350万円以下の場合:補助率2/3

支給要件

IT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)の支給要件は、中小企業または小規模事業者です。中小企業や小規模事業者の条件は、業種や組織形態で変わります。

中小企業に当てはまる要件は以下の通り。なお、条件に当てはまっていれば、企業でない法人も対象となります。

 

資本金上限

常勤の従業員数上限

製造業・建設業・運輸業

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

ゴム製品製造業

(自動車・航空機用タイヤ・

チューブ製造業・

工業用ベルト製造業を除く)

3億円以下

900人以下

ソフトウェア業・

情報処理サービス業

3億円以下

300人以下

旅館業

5,000万円以下

200人以下

その他の業種

3億円​​

300人以下

医療法人・

社会福祉法人・

学校法人

300人以下

商工会・

都道府県商工会連合会・

商工会議所

100人以下

中小企業団体

(中小企業支援法

第2条第1項第4号に

規定されるもの)

主たる業種に記載の

従業員規模

特別の法律によって

設立された組合

またはその連合会

主たる業種に記載の

従業員規模

財団法人(一般・公益)、

社団法人(一般・公益)

主たる業種に記載の

従業員規模

特定非営利活動法人

主たる業種に記載の

従業員規模

申請方法

IT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)の申請方法は、以下の手順で進めます。

  • IT導入支援事業者と導入するツールを決める
  • GBizIDプライムアカウントを入手する
  • マイページから申請書を作成する
  • IT支援事業者が申請する
  • 交付決定後IT支援事業者と発注・契約・納入・支払いを進める
  • 事業実施効果の報告を行う

GBizIDプライムアカウントは以下から作成可能。
https://gbiz-id.go.jp/app/rep/reg/apply/show

申請した時点ですでに発注、契約、購入などをしている場合は、交付が受けられません

申請期間

IT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)の申請期間は、19次締め切り分が2023年2月16日です。20次以降の締め切り分については、2023年3月時点では発表されていません。

小規模事業者持続化補助金(通常枠)

小規模事業者持続化補助金は、全国商工会連合会が実施する補助金。概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自社の経営を見直し、販路開拓や生産性向上に取り組むことを支援するのを目的とした制度です。

賃金引上げ枠や後継者支援枠など、支給要件や補助上限によって5つの枠に分けられ、POSレジ導入をする場合は通常枠で申請可能です。

対象経費

新規開拓や業務効率改善に必要な、設備の導入費用、広報費やWEBサイト関連費などに利用できます。

支給金額

補助上限が50万円(補助率2/3)。補助率や補助上限額は以下の通りです。

 

通常枠

補助率

2/3

補助上限

50万円

また、2021年9月30日から2023年9月30日までの期間で一度でも免税事業者であり、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合には、インボイス特例が適用できます。

インボイス特例が適用される場合には、元の上限50万円の補助金に加え、一律50万円上乗せされます。

支給要件

支給要件は、「商業・サービス業」「宿泊業・娯楽業」「製造業その他」それぞれで、常時使用する従業員が一定人数以下の法人、個人事業、特定非営利法人が対象。具体的には以下の表の通りとなります。

商業・サービス業

5人以下

宿泊業・娯楽業

20人以下

製造業その他

​​20人以下

そのほか、資本金または出資金が5億円以上の法人に直接、間接に100%株式保有されていないことや、過去3年で15億以上の課税所得がないことの要件もあります。

上記を満たした上で、策定した経営計画を基に販路開拓や、業務効率化(生産性向上)のための取組であることが要件。また、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であることも要件に含まれます。

申請方法

申請の大まかな流れは以下の通りです。

  • 申請に必要な書類一式の作成・準備
  • 経営計画書と補助事業計画書などを地域の商工会・商工会議所窓口に提出
  • 地域の商工会・商工会議所が作成する「事業支援計画書」(様式4)を受け取る
  • 締切までに「事業支援計画書」を提出する

申請に必要な書類一式は、以下よりご確認ください。
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_obo_yosiki.pdf

事業支援計画書は作成するだけではなく、地域の商工会・商工会議所に提出し、交付された書類を受け取る必要がある点に注意が必要。

申請期間

2023年3月10日から受付が始まり、第12回の締切が2023年6月1日(木)、第13回の締切が2023年9月7日です。

なお、事業支援計画書の発行にも締切があるため、ある程度余裕を持って確保することをおすすめします。電子申請の場合には、締め切り前日の23:59まで受付可能で、郵送の場合は当日消印有効です。

ただし、予定は変更される可能性があるため、事前に全国商工会連合会の公式ページを確認しておきましょう。

ものづくり補助金(一般型)

ものづくり補助金(一般型)は、全国中小企業団体中央会が実施する補助金です。概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

ものづくり補助金は働き方改革や賃上げ、インボイス導入といった制度変更に対応しようとする中小企業・小規模事業者の設備投資などを支援する補助金

「一般型」と「グローバル展開型」、「ビジネスモデル構築型」の3類型があり、POSレジの導入時には、「一般型」部門が活用可能。ものづくり補助金(一般型)には「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」の三つがあります。

「通常枠」は革新的な製品・サービス開発の改善に必要な設備・システム投資等を支援に利用できる補助金。

「回復型賃上げ・雇用拡大枠」は、賃上げや雇用拡大に取り組む場合に、業務効率改善を目的としたPOSレジ導入をすることが可能です。「デジタル枠」はデジタル技術の導入を主とする場合に利用できます。

対象経費

「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」全てがPOSレジに関する、機械装置・システム構築費に対して適用可能。それ以外にも、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費などが補助対象に該当します。

支給金額

ものづくり補助金(一般型)は、単価50万円以上の設備投資に対して補助され、支給金額は、通常枠が1250万円(補助率1/2)。小規模企業者・小規模事業者・などの場合は補助率が2/3になります。

また、一般型には、通常枠の他にも、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」などがあります。それぞれの補助金額と補助率は以下の表の通りです。

 

通常枠

回復型賃上げ・

雇用拡大枠

デジタル枠

補助額

従業員数

5人以下 :

100万~750万円

 

6人~20人:

100万~1000万円


 21人以上 :

100万~1250万円

従業員数

5人以下 :

100万~750万円

 

6人~20人:

100万~1000万円


 21人以上 :

100万~1250万円

従業員数

5人以下 :

100万~750万円


6人~20人:

100万~1000万円


 21人以上 :

100万~1250万円

補助率

1/2

(小規模企業者・

小規模事業者などの場合2/3)

2/3

2/3

支給要件

中小企業であることに加え、事業計画書を策定した上で、補助事業実施期間内に、全ての事業が完了することが条件。その上で、以下の要件を満たす3〜5年の事業計画を作成する必要があります。

  • 対象の期間で、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 対象の期間で毎年、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上であること
  • 対象の期間で、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加させること

これらを満たす賃金引上げ計画を策定する必要があります。交付後に目標が未達の場合、返還義務があるため、注意が必要です。

申請方法

ものづくり補助金(一般型)の申請は、以下の手順で行います。

  • 事業計画書の作成
  • 電子申請システムより申請
  • 交付決定後、事業改善の実施
  • 事業完了後、事業実績報告書の作成・提出
  • 事業実績報告書の審査後、支払い請求書の作成・提出
  • 助成金受領後、状況報告の作成・提出
  • 消費税及び地方消費税にかかる仕入控除税額報告書の作成・提出

電子申請システムより、ものづくり補助金(一般型)の申請を行います。電子申請システムに申請するためには、GBizIDプライムアカウントが必要になるため、事前に取得しておかなければいけません。    

申請期間

ものづくり補助金(一般型)の申請期間は、最新の14次締切分で2023年3月24日に申請が開始され、同4月19日に締め切られます。

業務改善助成金

業務改善助成金は厚生労働省が実施する補助金。概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い時間給)の引き上げを図る企業に対して実施する補助金POSレジの導入による業務改善のための設備導入も助成金の対象となります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高等が30%以上減少した中小企業を対象とした特例コースについては、申請受付が終了しました。

対象経費

業務改善助成金の対象は生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資全般。公式サイトでは実際に助成対象経費の例として「POSレジシステム導入による在庫管理の短縮」が例として挙げられており、対象になる可能性は高いと考えて良いでしょう。

ただし事業内容によって対象となる経費に違いがあるので、申請時は確認が必要です。

支給金額

業務改善助成金の支給金額は給料引き上げの金額や引き上げる労働者の数によって、上限が分けられます。具体的には以下の表の通りです。

引き上げる金額

30円コース

45円コース

60円コース

90円コース

労働者1人の場合

30万円

(60万円)

45万円

(80万円)

60万円

(110万円)

90万円

(170万円)

労働者2〜3人の場合

50万円

(90万円)

70万円

(110万円)

90万円

(160万円)

90万円

(170万円)

労働者4〜6人の場合

70万円

(100万円)

100万円

(140万円)

150万円

(190万円)

150万円

(240万円)

労働者7〜10人の場合

100万円

(120万円)

150万円

(160万円)

230万円

(230万円)

450万円

(450万円)

労働者10人以上の場合

120万円

(130万円)

180万円

(180万円)

300万円

(300万円)

600万円

(600万円)

※()は事業場規模が30人未満の場合

ただし、10人以上の引き上げの際には、特例事業者でなければ対象になりません。

特例時事業者は、以下の場合に該当します。

  • 事業場内最低賃金が920円未満の場合
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で、売上高や生産量等など直近3ヶ月間の月平均値が、過去3年間の同期間と比べて15%以上減少している場合
  • 物価高の行動などの要因で、申請前3ヶ月のうち、いずれかの月で前年同期間と比較して3%以上低下している場合

助成率は引き上げ前の事業場内最低賃金によって変わります。なお、生産性要件を満たす場合には、かっこ内の割合が適用されます。生産性要件は、一定以上の生産性向上が認められる企業に対して、適用される要件です。

生産性要件は以下の式で算出します。

生産性の算出方法

生産性要件を満たす基準は以下の通りです。

生産性要件

また、助成率は事業場内最低賃金によって以下のように変わります。

事業場内最低賃金

〜869円

870円〜919円未満

920円〜

助成率

9/10

4/5(9/10)

3/4(4/5)

()内は生産性要件を満たしている場合の助成率です。

支給要件

業務改善助成金の支給要件は以下の通りです。

  • 中小企業・小規模事業者
  • 事業場での最低賃金と地域での最低賃金の差額が30円以内
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がない

これらの要件に当てはまっていれば、申請が可能です。

申請方法

業務改善助成金の申請方法は、以下の通りです。

  • 交付申請書と事業実施計画書の作成・提出
  • 事業内容の実施
  • 事業実施報告書の作成と提出
  • 状況報告の作成と提出
  • 消費税及び、地方消費税にかかる仕入控除税額報告書の作成と提出

申請期間

2022年度業務改善助成金の申請締め切りは、2023年3月31日。ただし、予算がなくなった場合には、申請期限内でも募集を終了する可能性があるため、申請前に確認しておきましょう。

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、厚生労働省が実施する助成金。概要や支給金額、支給要件、申請方法、申請期間について説明します。

概要

働き方改革推進支援支援助成金は、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備などに取り組む中小企業事業主に対して実施する助成金

4つのコースがあり、「労働時間短縮・年休促進支援コース」と「勤務間インターバル導入コース」がPOSレジの導入に利用可能です。

対象経費

「労働時間短縮・年休促進支援コース」と「勤務間インターバル導入コース」の両方で、POSレジを含む、労働能率の増進に資する設備・機器等の導入が対象となっています。

また、労務管理用のソフトウェアや設備も助成金の対象です。

支給金額

「労働時間短縮・年休促進支援コース」と「勤務間インターバル導入コース」は両コースともに、取り組みの実施に要した経費の一部を、成果目標の達成状況に応じて支給されます。各コースの支給金額は以下の通りです。

労働時間短縮・年休促進支援コース

以下4つの目標と、賃金引き上げの達成時に加算される額に対して、助成額の上限が定められています。補助金の金額は目標1〜4まで達成時の金額の合計か、対象となる経費の3/4を補助率としてどちらか低い方が適用。上限金額は490万円です。

1.月60時間を超える36協定の時間外・休日労働時間数を縮減する

150万円

2.年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入する

50万円

3.時間単位の年次有給休暇制度を新たに導入する

25万円

4.交付要綱で規定する特別休暇のいずれか1つ以上を新たに導入する

25万円

賃金引き上げの達成時の加算額

240万円

勤務間インターバル導入コース

新規導入か適用範囲の拡大かどちらを適用させるかと、賃金引き上げの達成時に加算される額に対して、助成額の上限が定められています。上限金額は340万円です。

 

補助額の上限

補助率

新規導入の場合

100万円

3/4

適用範囲の拡大・時間延長の場合

50万円

3/4

賃金引き上げの達成時の加算額

240万円

支給要件

働き方改革推進支援支援助成金の支給要件はコースで異なります。

労働時間短縮・年休促進支援コース

以下を全て満たすことが条件です。

  • 労働者災害補償保険の適用を受け、従業員数と資本金が一定以下の事業主
  • 年5日の年次有給休暇の取得に向け、就業規則などを整備している
  • 交付申請時点で、上記の成果目標1〜4の設定に向けた条件を満たしている

勤務間インターバル導入コース

以下の要件全てを満たすことが条件です。

  • 労働者災害補償保険の適用を受け、従業員数と資本金が一定以下の事業主
  • 36協定を締結しており、過去2年間において月45時間を超える時間外労働の実態がある
  • 年5日の年次有給休暇の取得に向け、就業規則などを整備している
  • 勤務間インターバルを導入していないまたは、適用される労働者の範囲や、休息時間数が一定以下であること

申請方法

申請方法は、「労働時間短縮・年休促進支援コース」と「勤務間インターバル導入コース」の両コースともに変わりません。

具体的な流れは以下の通りです。

  • 交付申請書を労働局雇用環境・均等部(室)に提出する
  • 交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施する
  • 労働局に支給申請をする

申請期間

「労働時間短縮・年休促進支援コース」と「勤務間インターバル導入コース」の両コースともに、2022年12月12日〜23年1月31日でした。

助成金・補助金を活用したPOSレジの導入事例

助成金・補助金を活用し、POSレジを導入した事例を知っておくと、自社でどのように導入できるかイメージしやすいでしょう。ここでは、以下の助成金・補助金を利用してPOSレジを導入した事例を紹介します。

  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金
  • 業務改善助成金

IT導入補助金

IT導入補助金を利用し、POSレジを導入した事例としては、富山県でオリジナルコーヒー豆の販売を手がけるアルパカ舎が挙げられます。

売れ行きがよくなるにつれ、売上管理業務に負担を感じるようになり、第2店舗も展開。第2店舗が増えたことでスタッフが増え、シフト管理に時間がかかるようになったことも課題でした。

このような背景からIT導入補助金を利用し、「Airレジ」を導入。導入後は商品登録をスタッフに任せられるようになり、売上管理の負担が軽減しました。シフト管理にかかる時間も削減され、事務作業も軽減した結果、深夜の確認作業が不要に。

その結果、コーヒー豆ばい煎の仕事や経営に業務時間を回せるようになりました。

ものづくり補助金

ものづくり補助金を利用し、POSレジを導入した事例としては、栃木県の農業資材会社である株式会社みのりが挙げられます。農家のコンビニエンスストアをコンセプトに栃木県内で8店舗を展開。

農業生産資材にはバーコードのないものが多く、顧客や商品の売上情報が収集できないため、POSレジ導入が進まず、商品分析や顧客分析に課題がありました。

POSレジを導入し、顧客分析や商品分析をするために、JANシールの貼り付けを徹底、JANシールが難しいものについては、オリジナルのプライベートブランドを導入。ほぼ全ての商品にJANコードの貼り付けを完了させました。

その結果、プライベートブランドが売れ筋商品となり、競争力強化や粗利の向上につながっています。

業務改善助成金

業務改善助成金の導入事例として、卸売業・小売業での事例を紹介します。

ある会社では入金・売上の集計や、領収書、釣銭支払等、作業時間が長くなり、業務効率の観点で課題がありました。

そこで、食品小売業や、一般食品小売などの部門でPOSレジシステムや自動釣銭機を導入。その結果、清算業務の自動化が進み、清算業務が効率化したことで、顧客の回転率も改善されました。

POSレジの導入に使える補助金、助成金について紹介しました

本記事では、POSレジ導入に利用できる補助金や助成金について紹介しました。

POSレジ導入は清算業務の効率化や、売上管理が一元化できることで、質が高い顧客分析や商品分析ができることがメリットです。

補助金や助成金をうまく利用することで、コストをかけずに導入できます。本記事の内容をお役立てください。