雇用環境整備促進奨励金とは?支給要件や期限、申請方法を解説
社員雇用を前向きに進められても、非常事態での職場環境整備にはまだまだ弱いと感じる企業は多いでしょう。
この記事では、雇用環境整備促進奨励金の概要や申請から受給までの流れについて解説します。
最後まで読めば、新型コロナウイルス感染症緊急対策 雇用環境整備促進奨励金への申込みの検討がしやすくなります。
雇用環境整備促進奨励金とは?
雇用環境整備促進奨励金の正式名称は「新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金」です。
雇用環境整備促進奨励金とは、下記の助成金を活用して、非常事態下での職場環境を改善する企業に対して奨励するものです。
- 雇用調整助成金
- 緊急雇用安定助成金
- 産業雇用安定助成金(雇用維持支援コース)
- 両立支援等助成金(新型コロナウイルス感染症小学校休業対応コース)
- 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)
- 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
- 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
コロナ禍で多くの産業が苦境に陥り、従業員の雇用維持が困難になりました。そうした企業を支えるために、国や地方自治体は様々な補助金・助成金を実施しています。
雇用調整助成金は、景気や産業構造の変化によって、事業の縮小を余儀なくされた事業者に対して、雇用を維持するための助成金です。
交付要件
画像引用:公益財団法人 東京しごと財団
対象事業者の要件は以下の通りです。
(1)雇用保険に加入している都内中小企業
(2)都内にある労働者災害補償保険適用事業場の中小事業主
(3)農政事務所等が発行する農業等個人事業所に係る証明書の添付がある中小事業主交付要件は以下の通りです。
(1)以下助成金のいずれかの交付決定を受けていること
- 雇用調整助成金
- 緊急雇用安定助成金
- 産業雇用安定助成金(雇用維持支援コース)
- 両立支援等助成金(新型コロナウイルス感染症小学校休業対応コース)
- 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)※
- 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)※
- 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
※新型コロナウイルス感染症対応特例
(2)非常時における雇用環境整備に関する以下の取り組みをし、取組期間中に実施
- 現状分析
- 具体的な取組計画の作成
(3)(2)実施後、実績報告期間中に実績報告
画像引用:公益財団法人 東京しごと財団
交付額
1事業所10万円ですが、交付は1回/事業所に限定されています。
申請手順
(1)財団へ新型コロナウイルス感染症緊急対策に関連した雇用環境整備促進奨励金交付申請書や非常時における雇用環境整備計画書を提出
災害時や感染症発生時等非常時における事業継続のため、以下の取り組みを行います。
- 現状分析
- 非常時における勤務制度の整備に係る具体的な取組計画
(2)非常時における雇用環境整備の取組実施
必ず社内の2名以上より構成するプロジェクトチームで検討のうえ実施します。
(3)財団へ新型コロナウイルス感染症緊急対策に関連した雇用環境整備促進奨励金実績報告書や支払金口座振替依頼書を提出
取組終了後から交付決定日の2か月以内までの期間に提出します。非常時における雇用環境整備報告書には以下の内容を記載します。
- 取組内容
- 取組内容の社内周知
- 非常時における勤務制度の整備に係る誓約事項
申請期間
申請期間は以下の通りです。
審査 |
内容 |
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交付申請受付期間 |
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取組期間 |
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実績報告受付期間 |
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受付は送付のみです。予算の範囲を超えた場合は、申請受付期間内でも受付を終了となるため、早めに申請しましょう。
申請方法
交付申請時に提出する書類をすべて用意し、公益財団法人東京しごと財団まで送付します。送付による受付(締切日消印有効)のみで、来所による提出はできません。
提出書類は以下の通りです。
- 事業実施計画書兼交付申請書
- 非常時における雇用環境整備計画書
- 雇用調整助成金等の場合下記のいずれか
- 雇用調整助成金(休業等)支給決定通知書
- 緊急雇用安定助成金支給決定通知書
- 産業雇用安定助成金(出向元・出向先)支給決定通知書
- 学校休業対応助成金の場合
- 両立支援等助成金支給申請書のいずれかに関する支給申請書の写し
- 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金支給申請書
- 申請事業所の雇用保険適用事業所番号や労働保険番号等が分かる書類
- 誓約書
- 印鑑(登録)証明書(原本)
- 納税証明書(原本)
- 新型コロナウイルス感染症の影響により申告延長又は徴収猶予されている場合の取扱い
- 申告延長:納付の事実がわかる書類
- 徴収猶予:前年度の納税証明書
- 会社概要
- 事業実施計画書兼交付申請書(様式第1号)の控え
- 返信用封筒(切手貼付)
申請~受給までの流れ
画像引用:新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金交付申請の手引き
申請から受給までの流れについて解説します。
必要書類をそろえて申請して交付決定通知を受ける
申請方法に記載された必要書類をそろえて、公益財団法人東京しごと財団まで送付します。審査結果は、交付決定通知書又は不交付決定通知書でわかります。
実績報告を行い額の決定通知を受ける
実績報告時に下記の書類をすべて整え、交付決定日から2か月以内に公益財団法人東京しごと財団まで送付します。
- 実績報告書
- 就業規則等
- タイムカード
- 支払金口座振替依頼書(財団指定様式)
- 通帳又はキャッシュカード等口座名義人が記載されているものの写し
画像引用:新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金交付申請の手引き
奨励金の交付を受ける
実績報告書受理後、審査により実施が適当と認められた場合、金額額の確定通知書が送付されます。支払金口座振替依頼書に記載された口座に奨励金が振り込まれます。振込完了の連絡はないため、通帳の記帳等で財団振込名義の記載を確認しましょう。
雇用環境整備促進奨励金の注意点
書類の提出に関しての注意事項は以下の通りです。
- 奨励金に関する各様式には、印鑑証明書と同じ代表者印の押印をする
- 送付前に、セルフチェックリストにて提出書類の確認をする
- 鉛筆・消せるボールペンは使用しない
- 修正液・修正テープを使用しない
- 提出された書類は原則返却しない
- 記載のない書類についても提出を求める場合がある
- 社外の方が提出代行する場合は、委任状(様式第10号)を添付して提出するなど
雇用環境整備促進奨励金の支給要件・期限・申請方法を解説
雇用環境整備促進奨励金について知りたい方向けに、雇用環境整備促進奨励金の概要や申請から受給までの流れを解説しました。
雇用環境整備促進奨励金の申請から受給までの流れは、以下の通りです。
- 必要書類をそろえて申請して交付決定通知を受ける
- 実績報告を行い額の決定通知を受ける
- 奨励金の交付を受ける
本記事で紹介した内容をもとに、条件が合う場合、雇用環境整備促進奨励金の申請を検討してみましょう。