【全国・自治体別】パソコン購入費などへの補助金・助成金制度5選

【全国・自治体別】パソコン購入費などへの補助金・助成金制度5選

人手不足や賃上げ、テレワークの導入などで「社内の生産性向上」が喫緊の課題となっている企業も多いのではないでしょうか。業務効率化のためにはパソコンやITサービスが必要不可欠ですが、社内で一斉導入するとなれば大きな設備投資が必要です。

そこで本記事では、パソコン購入費などへの補助金・助成金をご紹介します。

目次
  1. 1. パソコン購入の補助制度は全国・自治体ごとに多数ある
  2. 2. 【全国】パソコン購入費に活用できる補助金・助成金一覧表
    1. 2-1. IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)
    2. 2-2. 人材確保等支援助成金(テレワークコース)
  3. 3. 【自治体別】パソコン購入費などへの補助金・助成金制度
    1. 3-1. テレワーク促進助成金【東京都】
    2. 3-2. 働き方改革テレワーク導入補助金【札幌市】
  4. 4. 【まとめ】コスト削減や生産性向上のためにもパソコン購入の補助金を活用しよう

パソコン購入の補助制度は全国・自治体ごとに多数ある

昨今、高齢化による生産年齢人口の減少や賃上げ、働き方改革などが叫ばれています。加えて、新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がるなど、企業の「生産性向上」が強く求められるようになりました。

その中で国や自治体は、パソコンやタブレット端末などの購入に対する補助制度を数多く打ち出しています。ハードウェア以外にもソフトウェアなど、各種ITツールの導入に対する補助制度もあります。

パソコン購入をはじめとした設備投資を必要とする企業は、積極的に補助金を活用すべきといえるでしょう。

【全国】パソコン購入費に活用できる補助金・助成金一覧表

全国を対象に行っているパソコン補助金は「IT導入補助金」と「人材確保等支援助成金」の2つ。それぞれの特徴や助成金額などを表にまとめたので、ご参考ください。

以下では各補助金の詳細情報を説明します。

補助金

概要

補助額

補助率

IT導入補助金

・パッケージソフトやクラウドサービスなど

 「ソフト面」の助成が充実。

・デジタル化基盤導入枠では

 パソコン端末も助成可能。

〜350万円

1/2〜3/4

人材確保等

支援助成金

・「テレワークコース」で

 ハードウェア購入・運用の助成を行う。

・パソコンやタブレット端末は

 レンタル・リースのみ。

〜77万円

※導入機器によって異なる

20〜35%

IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)

IT導入補助金とは、中小企業や個人事業主のITツール導入を支援する補助金。IT導入補助金には「通常枠」や「セキュリティ対策推進枠」など複数のコースがあり、パッケージソフトやクラウドサービスなど「ソフト面」への補助が基本となっています。

しかし、「デジタル化基盤導入枠」ではパソコン購入費も対象です。パソコンやタブレットなどのハードウェアをはじめ、レジや券売機といった端末も補助対象となります。

対象事業者・対象経費

IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)の対象者は、申請時点で日本国内に法人登記している中小企業と小規模事業者(個人事業主を含む)。対象となる経費としては、次のものがあげられます。

  • ハードウェアの導入・関連費
  • ソフトウェアの購入費
  • クラウドサービスの利用費(最大2年分)

パソコン購入費をはじめPOSレジやプリンター、複合機の購入費なども対象。クラウドサービスを導入する場合も、最大で2年間の料金が補助されます。

補助額・補助率

IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)の補助額と補助率は以下の通りです。

対象経費

補助額

補助率

パソコン・タブレットなど

〜10万円

1/2以内

レジ・券売機など

〜20万円

ITツール

〜350万円

2/3〜3/4

(機能要件によって異なる)

端末やツールによって補助額と補助率が異なります。パソコンやタブレット端末の場合は、補助率が1/2で最大10万円まで補助を受けられます。なおハードウェアについては新品のみが対象となり、中古品の購入は対象外です。

申請手続きの流れ・申請期限

IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)の申請の流れは以下となります。

  1. IT導入支援事業者・ITツールの選定
  2. gBizIDプライムの取得
  3. マイページで申請者の情報入力
  4. IT導入支援事業者によるITツール情報の入力
  5. 申請者が事務局へ交付申請

本補助金の申請にあたっては、ITツール導入をサポートする「IT導入支援事業者」が必要。公式サイトの検索ページよりIT導入支援事業者を探します。依頼する支援事業者が見つかったら、共同で申請を行いましょう。また、政府が主導する認証システム「gBizIDプライム」のアカウント取得も必要です。

IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)は、2023年3月28日より申請が始まっています。受付終了日はまだ決まっていないようです。

要件や申請フロー、スケジュールなど詳しい内容は、以下記事をあわせてご覧ください。

関連記事:IT導入補助金とは?対象者や補助額、申請方法を解説【注意点も】

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、中小企業がテレワークを円滑に進めるための助成制度。テレワーク運用に合わせた就業規則の変更にかかる費用、外部専門家によるコンサルティング費用、テレワーク用の通信機器の導入など幅広い経費が対象となります。

ただし注意点として、ネットワークやサーバー機器などは「購入」が対象となりますが、パソコンやタブレットなどの端末は「レンタル・リースのみ」が対象です。

対象事業者・対象経費

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の対象者は、テレワークを新たに導入する企業や現在試験的に導入している企業。その他にも細かい条件があるので、詳しくは公式資料をご確認ください。

またテレワークコースでは、以下のような経費が対象となります。

  • テレワーク用の通信機器の導入・運用費用
  • 就業規則や労働協約の作成・変更費用
  • 外部専門家へのコンサルティング依頼費用
  • 労務管理に関する費用など

テレワークの促進に関するさまざまな経費が対象となりますが、パソコンやタブレット、スマートフォンは「レンタル・リース」のみが対象となるので注意しましょう。

補助額・補助率

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の補助額や補助率は以下の通りです。

対象経費

補助額

補助率

テレワーク用の通信機器の

導入・運用費用

(パソコンやタブレットの

レンタル・リース)

〜77万円

(6ヶ月間)

20〜35%

※助成のタイプや条件によって変動

就業規則や労働協約の

作成・変更費用

〜11万円

外部専門家への

コンサルティング依頼費用

〜33万円

労務管理に関する費用

〜11万円

本助成金には、「機器等導入助成」と「目標達成助成」の2種類の助成タイプがあります。たとえば就業規則変更やテレワーク機器導入など、単純にテレワーク環境を整備した場合は「機器等導入助成」として30%の補助率に。一方、一定以下の離職率を達成した場合は「目標達成助成」として最大35%補助を受けられます。

申請手続きの流れ・申請期限

人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、以下の流れで申請を行います。

  1. 労働局に労働管理制度計画書を提出
  2. 就業規則や労働協約を整備する
  3. 取り組みを実施し、助成金の支給申請を行う
  4. 離職率の要件を確認する(目標達成助成の場合)
  5. 助成金が受給される

労働管理制度計画書は、計画が始まる6ヶ月〜1ヶ月前の前日までに提出しなければなりません。たとえば、2023年6月1日にテレワークの計画を開始する場合、提出期限11月30日〜4月30日となります。

同制度は2023年の募集を行っていますが、申請期限は公開されていません。詳しい要件やスケジュールについては、人材確保等支援助成金(テレワークコース)の公式ページをご覧ください。

【自治体別】パソコン購入費などへの補助金・助成金制度

補助金

概要

補助額

補助率

テレワーク

促進助成金

【東京都】

・企業のテレワーク拡充に関するハードウェア、

 ソフトウェア購入費用の助成を行う。

・一般コースと非正規社員拡充コースの2種類

 から選択可能。

従業員数

30〜999人:

250万円

2〜30人未満:

150万円

1/2

または

3/2

働き方改革

テレワーク

導入補助金

【札幌市】

・テレワークを導入する中小企業等に

 機器購入の助成を行う。

・通常申請枠と専門家派遣枠の2種類

 から選択可能。

通常申請枠:

最大40万円

専門家派遣枠:

最大60万円

2/3

続いて、パソコン購入に関する「自治体」の補助制度をご紹介します。

テレワーク促進助成金【東京都】

テレワーク促進助成金は、東京都が行うテレワーク助成制度。コースは、常時雇用する従業員を対象とした「一般コース」と、非正規社員を対象とした「非正規社員拡充コース」の2つ。いずれも企業のテレワーク拡充に関するハードウェア、ソフトウェア購入費用の助成を行っています。

助成額や助成率は以下の通りです。

企業規模(従業員数)

助成上限額

助成率

30人〜999人

250万円

1/2

2人〜30人未満

150万円

2/3

受付期間は、2023年5月8日〜2024年1月31日まで。一般コースは郵送または電子申請、非正規社員拡充コースは郵送のみでの申請が可能です。

詳しい要件や申請方法については、テレワーク促進助成金の公式ページをご覧ください。

働き方改革テレワーク導入補助金【札幌市】

働き方改革テレワーク導入補助金は、札幌市が行うテレワークの助成制度です。同市内でテレワークを導入する中小企業等(個人事業主も含む)に対して、パソコンやプリンター、ネットワーク機器、WEBカメラなどの助成を行います。対象は常時雇用する従業員が100人以下の企業です。

申請は「通常申請枠」と「専門家派遣枠」の2種類があります。テレワークの計画が円滑に進んでいる企業は前者を、テレワーク導入に不安のある企業は後者を選択し、専門家からのコンサルティングを受けながら導入を進められます。

助成額や助成率は以下の通りです。

申請枠

助成額

助成率

通常申請枠

上限:40万円

下限:10万円

2/3

専門家派遣枠

上限:60万円

下限:10万円

受付期間は、2023年5月15日〜2024年1月19日です。通常申請枠が150件、専門家派遣枠が100件までと枠数に限りがあるため、早めの申請がおすすめです。

詳しい要件や申請方法については、働き方改革テレワーク導入補助金の公式ページをご覧ください。

【まとめ】コスト削減や生産性向上のためにもパソコン購入の補助金を活用しよう

全国や各自治体で行っている、パソコン購入の補助金・助成金をご紹介しました。補助金や助成金を利用することで、本来は全額自己負担しなければならない端末を安価に購入できます

自社の生産性向上に繋がることはもちろん、コスト削減によってキャッシュフローも安定しやすくなるでしょう。パソコン購入をお考えの企業は、ぜひ補助金・助成金の活用を検討なさってください。