観光庁の補助金とは?目的別に各補助金の支給額や支給要件を紹介

観光庁の補助金とは?目的別に各補助金の支給額や支給要件を紹介

新型コロナウイルスも落ち着き「より観光客を集客したい」とお悩みですか?そういった事業者に向けて、観光庁から補助金制度が複数発表されています。

本記事を読めば、現行の補助金制度の概要と支給額、要件などがわかり、申請できるようになります。ぜひご活用ください。

目次
  1. 1. 観光庁の補助金一覧表
  2. 2. 観光客の受け入れ環境の構築を主目的とした補助金
    1. 2-1. 持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業
    2. 2-2. 地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業
    3. 2-3. 省エネ設備等導入支援事業
    4. 2-4. インバウンド受入環境整備高度化事業
  3. 3. 観光コンテンツの充実支援を主目的とした補助金
    1. 3-1. 地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業
    2. 3-2. 地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出
  4. 4. 目的別に観光庁の各補助金の支給額や支給要件を紹介しました

観光庁の補助金一覧表

新型コロナウイルスも落ち着き、ポストコロナを見据えた動きを見せ始めています。そんななか、政府はパンデミックで大きな損害を受けた観光業界向けに多くの補助金制度を用意しています。そこで、観光庁が主催する補助金を一覧にまとめてみました。

制度

概要

支給額

申請期間

持続可能な

観光の促進に向けた

受入環境整備事業

地域と旅行者の双方がメリットを

享受できる持続可能な観光促進を支援

補助対象経費の

1/2

2023年4月25日~

2023年5月26日

地域一体となった観光地・

観光産業の再生・

高付加価値化事業

宿泊施設や光施設等の

改修、廃屋の撤去、

面的DX化などの取組を

複数年にわたって支援

1,000万円~

1億円

2023年6月1日~

2023年6月30日

省エネ設備等導入支援事業

宿泊施設、観光施設における

省エネ設備の導入経費の一部を支援

補助対象経費の

1/2~1/3

2023年4月24日~

2023年5月24日 

インバウンド

受入環境整備高度化事業

環境整備事業と観光拠点施設の

強化事業を支援

補助対象経費の

1/2

2023年4月12日~

2023年5月12日

地域一体型

ガストロノミーツーリズム

の推進事業

地域独自の食文化を

楽しむことを目的とした

ガストロノミーツーリズムに

取り組む地域を支援

上限2,000万円

2023年4月21日~

2023年5月12日

地域独自の観光資源を

活用した地域の

稼げる看板商品の創出

観光資源を活用したコンテンツ造成から

販路開拓までを支援

上限1,000万円

申請期間外

観光客の受け入れ環境の構築を主目的とした補助金

ここからは、観光客の受け入れ環境の構築を主目的とした補助金を4つ紹介します。

持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業

概要

地域と旅行者の双方がメリットを享受できる持続可能な観光促進を支援する事業です。大型連休時に観光地が過剰に混み合うなど「オーバーツーリズム」の状態になると、地元住民や環境保全、景観に悪影響を与え、さらには観光客の満足度も低下させてしまいます。「持続可能な観光」とは、オーバーツーリズムの防止や自然環境・文化などの地域資源の保存・活用に貢献する整備のことを指します。

支給金額

補助対象経費の1/2

支給要件

以下の事業者であることです。

  • 地方公共団体
  • 観光地域づくり法人(DMO)
  • その他の持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業を実施する者(民間事業者等)

また、以下の補助対象事業を実施することです。

  • トイレの有料化に係る整備 
  • 入域料・協力金徴収のためのオンライン等による徴収システムとその徴収に必要な整備
  • 自然保護のための保護柵、遊歩道等の整備
  • 景観に配慮した工作物の整備 
  • 光害防止のための照明の整備
  • バイオトイレ等の整備
  • ペットボトル削減のための給水機等の整備
  • パークアンドライドのための駐車場の整備
  • マナー啓発のためのコンテンツ制作、設備整備
  • 混雑平準化・解消のための予約システムの整備
  • 混雑平準化・解消のための混雑状況の可視化に役立つシステムの整備

申請の流れ

申請の流れは以下のとおり。

  1. 整備計画と要望書を地方運輸局に提出する
  2. 同局より計画認定の通知と補助金額の内示を受ける
  3. 交付申請書を同局に提出する

なお、整備計画と要望書はこちらからダウンロードできます(提出資料を参照)

申請期間

2023年4月25日~2023年5月26日 17時

地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業

概要

宿泊施設や観光施設等の改修、廃屋の撤去、面的DX化などの取組を複数年にわたって支援する事業です。

支給金額

事業

概要

補助上限額

補助率

宿泊施設の高付加価値化改修

改修前後で宿泊施設の収益力が

向上する改修等の支援

1億円

1/2

観光施設改修等

観光客の利用を念頭においた

施設等の改修支援

2,000万円

1/2

廃屋撤去

観光地の景観改善等に

役立つ廃屋撤去の支援

1億円

1/2

面的DX化※

観光地の面的再生に

役立つ面的DX化支援

5,000万円

1/2

公的施設への観光目的での

改修支援

新たな民間活力の導入等により

実施する改修支援

2,000万円

1/2

実証実験

施設改修等の効果を最大化する

取組等の支援

1,000万円

1/2

※データを活用し、地域がデータに基づいた観光地経営を行うこと

支給要件

以下の事業者であることです。

  • 計画の対象地域を管轄する自治体
  • 計画の対象地域のマーケティング・マネジメントを行う観光地域づくり法人
  • 計画の対象地域に所在する民間事業者・団体

ただし、いずれの場合も宿泊事業者を含む5者以上の事業者が事業を実施する必要があります。また、面的DX化の場合は相当数の事業者の参加が求められます。

申請の流れ

申請の流れは以下のとおり。

  1. 伴走支援申請
  2. 地域計画の策定
  3. 審査
  4. 交付申請

このように、本事業は申請が2度あります。まず伴走支援申請後、本事業を主催する「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業 事務局 」のサポートを受けながら地域計画を策定・提出します。その後審査、交付申請の順に進みます。事務局と一緒に計画を磨き上げていくことも想定すると、最長で半年程度は計画の策定期間を見積もる必要があるでしょう。

申請期間

2023年6月1日~2023年6月30日 17時

省エネ設備等導入支援事業

概要

宿泊施設、観光施設における省エネ設備の導入経費の一部を支援する事業です。

支給金額

1,000万円(補助率1/2)

支給要件

以下の事業者であることです。

  • 宿泊事業者
  • 観光施設の設置・管理者

また、以下が補助対象経費です。

  • 省エネ型空調
  • 省エネ型ボイラー・配管等
  • 二重サッシ等
  • 太陽光発電、蓄電設備
  • 節水トイレ等
  • 照明機器
  • その他省エネ対策に必要な設備・備品

申請の流れ

申請の流れは以下のとおり。

  1. 事業計画書や費用精算書など応募書類を用意する
  2. 電子申請で事務局に提出する
  3. 採択内示を受ける
  4. 交付申請書を提出する

電子申請では、画面に入力して応募します。申請には事業者登録が必要で、アカウントを作成後にログインして申請します。

申請期間

2023年4月24日~2023年5月24日 17時

インバウンド受入環境整備高度化事業

概要

駅から観光スポットまでの「まちあるき」や広域的な周遊を促進するための環境整備事業と、訪日外国人旅行者の来訪が多い施設の強化事業を支援する事業です。

支給金額

補助対象経費の1/2(ただし、拠点機能強化事業のみの場合は1/3)

支給要件

事業

対象者

概要

面的整備事業

(公共交通機関の駅から

個々のスポットまでの散策エリアや

広域的な環境整備を一体的に進める事業)

指定市区町村

当該特定観光地の指定市区町村

都道府県

当該特定観光地で事業を行う都道府県

観光地域づくり法人

(DMO)

当該特定観光地で事業を行う

観光地域づくり法人(DMO)

またはその候補として観光庁長官

の登録を受けた法人

民間事業者

当該特定観光地で事業を行う民間事業者

拠点機能強化事業

(道の駅、みなとオアシスの

訪日外国人旅行者の来訪が

特に多い施設における

拠点機能の強化を図る事業)

訪日外国人旅行者の

来訪が多い

施設の設置・管理者

当該特定観光地で事業を行う

観光拠点施設の設置・管理者

申請の流れ

申請の流れは以下のとおり。

  1. 「受入環境整備高度化計画」を提出する
  2. 計画認定を受ける
  3. 交付申請書の提出する

申請期間

2023年4月12日~2023年5月12日 17時

観光コンテンツの充実支援を主目的とした補助金

地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業

概要

地域独自の食文化を楽しむことを目的としたガストロノミーツーリズムに取り組む地域を支援する事業です。

支給金額

上限2,000万円

支給要件

以下の事業者であることです。

  • 観光地域づくり法人(DMO)
  • 地方公共団体(観光地域づくり法人(DMO)が地域に存在しない場合)

策定する事業は一定の要件を満たす必要があります。以下に一部を紹介します。

  • 食材・食器・調理器具等、その地域ならではの産品を用いた実証を実施するべく、農協・漁協等の一次産業の事業者が含まれた体制とすること。また、食を含む複合的な要素で構成された計画とするべく、異業種で3団体以上の参画、および地域への経済波及効果が見込まれる体制とすること。
  • 地域に根ざした様々な事業者が幅広く連携することにより、地域全体における観光需要の回復や地域経済の活性化に役立つ取組とすること。また、実証事業で得た観光資源を、実証事業終了後も中期的に活用可能な計画性をもった取組とすること。
  • 食に関するコンテンツ造成に留まらない、地域全体の収益増加も踏まえた取組とすること。

また、以下が補助対象経費です。

  • 謝金
  • 人件費・賃金
  • 通信運搬費
  • 委託料
  • 借料・損料・使用料
  • 旅費
  • 消耗品費
  • 雑役務費
  • レンタルやリースでは対応できない必要物品の作成・購入費
  • 一般管理費

詳細は公募要領の2ページ目をご覧ください。

申請の流れ

申請の流れは以下のとおり。

  1. 当該地域の関係者の合意を得る
  2. 事業計画を策定する
  3. 別添様式に記載して事務局に提出する

申請期間

2023年4月21日~2023年5月12日 18時

地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出

※2023年度は現状募集がありません。
※本記事では2022年度の情報をもとに記載していますが、最新情報については公式サイトをご確認ください。

概要

地域の稼げる看板商品の創出のため、自然や食、歴史・文化・芸術、生業、交通などの観光資源を活用したコンテンツ造成から販路開拓までを支援する制度です。

支給金額

上限1,000万円(500万円までは補助率10/10で支給。500万円以上は1/2)

支給要件

以下のすべてを満たす事業者であること。

  • 地域の関係者と連携すること
  • 地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、観光協会、民間企業であること
  • 地方公共団体でない場合は、事業に関係する全ての市区町村の同意を得ること

また、以下のすべてを満たす事業が補助対象事業です。

  • 地域ならではの観光資源を活用した、ツアー、アクティビティ、体験、イベント等のコンテンツの磨き上げを図る取組であること
  • 国内居住者を主なターゲットとしつつも、将来的なインバウンドへの活用を見据えた取組であること
  • 事業期間内において、モデルツアーをはじめとした、地域に実際に旅行者が訪れる取組、販路形成、プロモーションなど、販売を想定した総合的な取組であること
  • 本事業終了以降、磨き上げたコンテンツを販売する、又は継続的に実施することを前提とした取組であること
  • 総事業費が700万円以上の取組であること

以下が補助対象経費です。

  • 観光資源を活用したコンテンツの造成に係る経費
    •  滞在型コンテンツ、旅行商品等の企画開発
    • 名産品の企画開発
    • ワークショップ、協議会等の開催
    • 専門家からの意見聴取
    • ガイドの育成
    •  造成したコンテンツに関するモニターツアーの開催など
  • 備品の購入・設備の導入に係る経費(※補助額の上限200万円)
    • コンテンツの造成等に必要となる備品の購入や設備の導入など
  • プロモーションに係る経費(※補助額の上限200万円)
    • 動画、ホームページ、チラシ、パンフレット等、対外的な情報発信のための素材やツールの作成
    • 造成したコンテンツの販路拡大を目的とした広告宣伝など
  • 新型コロナウイルス感染症対策に係る経費

申請の流れ

申請期間外につき非公開

申請期間

2022年3月30日~2022年4月15日

目的別に観光庁の各補助金の支給額や支給要件を紹介しました

ポストコロナの動きが加速するなか、観光地の活性化は地域経済回復の要といえます。観光庁からは受け入れ環境の構築と観光コンテンツの充実両面からの支援策が発表されていますので、積極的に活用しておきたいところです。これからはインバウンドも見込まれるため、ぜひ本記事で紹介した制度を活用してみてください。