商店街におすすめの補助金7選 | 活気を取り戻した事例もご紹介

商店街におすすめの補助金7選 | 活気を取り戻した事例もご紹介

近年、空洞化が進んでいる商店街。「自分たちの商店街に活気を取り戻したい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで本記事では、商店街の補助金について徹底解説。全国・自治体単位で利用できる補助金をはじめ、活気を取り戻した事例もご紹介します。

目次
  1. 1. 商店街で利用できる補助金とは
  2. 2. 「全国」の商店街が対象となる補助金
    1. 2-1. 1. 小規模事業者持続化補助金(商工会議所)
  3. 3. 「自治体」が主導する商店街の補助金
    1. 3-1. 1. 東京都産業労働局による助成金(東京都)
    2. 3-2. 2. 商店街起業・承継支援事業(東京都)
    3. 3-3. 3. 商店街商業機能向上支援事業(札幌市)
    4. 3-4. 4. 頑張る商店街応援事業助成金(仙台市)
    5. 3-5. 5. 吹田市が実施する商店街補助金
  4. 4. 商店街による補助金の活用事例
    1. 4-1. 1. 用賀商店街(東京都世田谷区)
    2. 4-2. 2. 上田市松尾町商店街(長野県上田市)
  5. 5. 【まとめ】補助金を活用して商店街に活気を取り戻そう

商店街で利用できる補助金とは

商店街の補助金とは、文字通り商店街単位で利用できる補助金を指します。商店街振興組合ごとに申請できたり、商店街にある数店舗以上のグループ単位で申請できたりと、補助金によって形式はさまざまです。

商店街の空き店舗率は増加傾向にあり、2000年の8.5%から2012年には14.6%と大幅に増加(※1)。中心部への大規模小売店舗の増加や経営者の高齢化など、原因は複数考えられます。そうした過疎化が進む商店街に活気を取り戻すべく、政府や自治体はさまざまな補助金策を提示してい
ます。

商店街の補助金は大きく分けて、全国で横断的に利用できるもの、自治体主導で行っているものの2種類。次章では、全国が対象の補助金と各自治体の補助金をそれぞれご紹介します。

※1:中小企業・小規模事業者が直面する経済・社会構造の変化 経済産業省を参照

「全国」の商店街が対象となる補助金

まずは、全国の商店街を対象とする補助金を見ていきましょう。

1. 小規模事業者持続化補助金(商工会議所)

小規模事業者持続化補助金は、商工会議所が主催する全国規模の補助金です。従業員数が20人以下の中小企業や個人事業主が主なターゲット。株式会社や合名会社、企業組合、協業組合など幅広い組織形態が対象となっており、商店街も該当します。

同補助金には、「通常枠」と「特別枠」があります。一般型では、ホームページ作成制や店舗改装など幅広い取り組みが対象で、策定した計画に基づいて販路を拡大します。一方の特別枠には「賃金引上げ枠」や「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」があり、目的に応じて選択が可能です。

小規模事業者持続化補助金の概要(通常枠の場合)

対象者

従業員20人以下の法人

または個人事業主

※宿泊業・娯楽業以外のサービス業は従業員5人以下

対象経費

店舗改装費、ホームページ作成費、商談会への参加費など

補助上限

50万円

補助率

2/3

募集期間

第12回受付:2023年6月1日まで

第13回受付:2023年9月1日まで

公式ページ

https://r3.jizokukahojokin.info/

※上記は「通常枠」の内容。特別枠については公式ページをご参照ください。

「自治体」が主導する商店街の補助金

続いて、自治体が主導する商店街補助金を見ていきましょう。自治体主導の補助金は多くありますが、ここでは東京や大阪など大都市が実施する補助金をピックアップしています。

1. 東京都産業労働局による助成金(東京都)

東京都産業労働局は、商店街に関するさまざまな補助金を打ち出しています。イベントやホームページ作成に対する助成、新たな商店街づくりに対する助成、商店街の環境や福祉などに対する助成など幅広いです。

目的別に以下の5つの助成金を設けています。

  1. イベント・活性化事業:商店街による商店街活性化施策に対する支援
  2. 地域連携型商店街事業:商店街がNPOなどと協力して行う地域活性化施策に対する支援
  3. 地域力向上事業:商店街が行う住民生活やコロナ対策に対する支援
  4. 未来を創る商店街支援事業:「新たな商店街づくり」に取り組む商店街に対する支援
  5. 政策課題対応型商店街事業:環境・防災・福祉・グローバル化など行政課題の解決に取り組む商店街を支援

東京都産業労働局による助成金の概要(イベント・活性化事業の場合)

対象者

商店街および商店街の連合会

商工会、商工会議所

対象経費

商店街のイベント関連費、街路灯設置費、

ホームページ作成費、ポイントカードの導入費用など

補助率

対象経費が100万円以下:1/2

対象経費が100万円以上:1/3

補助上限

300万円(対象経費が100万円以上の場合)

募集期間

要問い合わせ

公式ページ

https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/shoko/chiiki/jyosei/

2. 商店街起業・承継支援事業(東京都)

商店街起業・承継支援事業は、東京都の中小企業振興公社が提供する補助金です。この補助金では、都内の商店街で創業または後継ぎとして継承する場合に、店舗の初期費用をサポートしてくれます。

また、資金面だけでなく後継者の育成支援まで行うなど、商店街にお店を根付かせるためのサポートが盛り込まれています。

対象者

商店街で事業承継予定の法人・個人事業主

商店街で創業予定の法人・個人事業主

対象経費

店舗の改装や新装費、備品購入費、宣伝費、

実務研修の関連費、テナントの賃借料など

補助率

2/3

補助上限

改装や新装、備品購入、宣伝費:250万円

実務研修の受講費:6万円

テナント賃借料:180万円(2年目〜144万円)

募集期間

2023年6月26日〜2023年7月14日

公式ページ

https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/shotengai.html

3. 商店街商業機能向上支援事業(札幌市)

商店街商業機能向上支援事業は、札幌市が実施する商店街補助金です。札幌市内における商店街の個人店の競争力強化や、商店街の活性化を目的としています。主に加盟店が新商品・新サービスを開発する際に補助を受けることが可能です。

対象者

市内商店街に加盟する商業者グループ(2者以上)

対象経費

新商品・サービス開発のための試作費、店舗改装費、

備品購入費、宣伝費、委託料など

補助率

2/3

補助上限

200万円

募集期間

2023年4月3日〜2023年8月25日

公式ページ

https://www.city.sapporo.jp/keizai/shotengai/kotenshien.html#group

4. 頑張る商店街応援事業助成金(仙台市)

頑張る商店街応援事業助成金は、仙台市が実施する商店街の助成金です。市内の商店街への来訪者を増やすためのイベント施策や広報施策などを支援します。

この助成金の種類は「商店街イベント助成事業」と「商店街魅力向上支援事業」の2つ。前者は主にイベントの企画・実施の支援、後者は看板やのぼり、ホームページ制作など広報の支援を行います。

頑張る商店街応援事業助成金の概要(商店街イベント助成事業の場合)

対象者

市内の商店街振興組合、地域商業振興を目的とする

事業協同組合や一般社団法人など

対象事業

イベント事業の関連費用

補助率

1/4

補助上限

25万円

募集期間

要問い合わせ

公式ページ

https://www.city.sendai.jp/shogyoshinko/download/

bunyabetsu/shigoto/yushi/kofu.html

5. 吹田市が実施する商店街補助金

大阪府の吹田市では、同市内の商店街活性化のための補助制度が充実しています。イベント支援や施設の補修、コンサルタント派遣など、以下4つの補助制度を設けています。

  1. 商工業団体事業活動促進補助金:イベントの広告宣伝やホームページ作成など商店街活性化を目的とする施策を支援
  2. 商店街等商業共同施設設置事業補助金:アーケードや公衆トイレ、防犯カメラなら施設の設置または補修への支援
  3. 商業活性化コンサルタント派遣事業補助金:商店街活性化のためのコンサルタント利用に対する支援
  4. 商店街等魅力向上促進事業補助金:ITを活用した情報発信や商品券の発行、空き店舗の改装などに対する支援

吹田市が実施する商店街補助金(商工業団体事業活動促進補助金の場合)

対象者

商工業団体

対象経費

イベント実施、研究調査、広告宣伝、

ホームページ作成にかかる関連費用

補助率

1/2

補助上限

20万円

募集期間

要問い合わせ

公式ページ

https://www.city.suita.osaka.jp/sangyo/1018028/1018029/1021242/1011520.html

商店街による補助金の活用事例

商店街補助金をご紹介しましたが、どのように補助金を活用すれば良いのか、本当に商店街を活性化させられるのか、とお考えの方もいらっしゃるかと思います。ここでは、2013年に経済産業省が行なった「活力補助金」を利用し、商店街が活性化された事例をご紹介します。

1. 用賀商店街(東京都世田谷区)

東京都世田谷区にある「用賀商店街」の事例です。同商店街は規模は大きいものの、次第に人々の生活を支えていた業種が多く撤退し、活気を失っていたといいます。そこで同商店街では補助金を活用し、以下のような取り組みを実施しました。

  • 個人店の魅力向上のために商圏分析や雑誌・新聞折込を活用した販売戦略を行なった
  • クーポンマガジンの発行やキャラクターのブランディング・頻出回数を増やした
  • イベント回数を増やし、商店街全体の集客力向上を目指した

取り組みの結果、商店街内の通行量が10%向上(2施設が立ち並ぶ道路)。また、クーポンマガジンの効果で組合員数も増えたといいます。

参考:活力補助金を活用した商店街活性化事例集 | 経済産業省

2. 上田市松尾町商店街(長野県上田市)

長野県上田市にある「上田市松尾町商店街」の事例です。同商店街では、100坪を超える大型テナントの「空き店舗」状態が続いていたといいます。飲食での起業を目指すニーズはあったものの、店舗自体は物販がメインだったためテナントに入る事業者が見つからなかったそうです。そこで同商店街では補助金を活用し、以下のような取り組みを実施しました。

  • 厨房を設置し、地元住民に「間借りレストラン」や「弁当・惣菜」の販売事業を展開した
  • テナントを「人材育成カフェ」とし、商店街での独立を目指す人のサポートを進めた
  • 敷地内の土地を活用し、安心安全な野菜を生産した

間借り営業を促進したことで、人の流れが流動的になり来訪者が固定化されなくなったそう。「食」を求めて町外から訪れる人も増え、来訪者の滞留時間も長くなったといいます。

参考:活力補助金を活用した商店街活性化事例集 | 経済産業省

【まとめ】補助金を活用して商店街に活気を取り戻そう

以前と比べて活力が失われつつある商店街ですが、補助金の活用によって回復した事例も多いです。ご紹介したように、全国規模のものから自治体単位のものまで多くの補助金があるので、ぜひ活用なさってください。