事業所が使える国の支援金一覧|雇用支援と事業支援に分けて解説

事業所が使える国の支援金一覧|雇用支援と事業支援に分けて解説

事業資金に困っているため、助成金、給付金、補助金、支払いの猶予といった経済的緩和対策について知りたい経営者は多いでしょう。

この記事では、事業支援に関する国の支援金や雇用支援に関する国の支援金について解説します。

最後まで読めば、「国」の支援金の内容を把握し、支援金の申し込みがしやすくなります。

目次
  1. 1. 事業支援に関する国の支援金
    1. 1-1. スーパー低利・無担保融資
    2. 1-2. 事業再構築補助金
    3. 1-3. 地域一帯となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化
    4. 1-4. 全国旅行支援
  2. 2. 雇用支援に関する国の支援金
    1. 2-1. 雇用調整助成金
    2. 2-2. 産業雇用安定助成金
    3. 2-3. トライアル雇用助成金
    4. 2-4. 雇用・求職者支援制度
    5. 2-5. 介護職 再就職準備金・就職支援金
    6. 2-6. 高等職業訓練促進給付金
  3. 3. 事業所が使える国の支援金を解説しました

事業支援に関する国の支援金

事業支援に関する国の支援金

事業支援に関する国の支援金について解説します。

スーパー低利・無担保融資

スーパー低利・無担保融資は、日本政策金融公庫が新型コロナウイルス感染症の影響により、業況悪化になっている中小企業者を支援する制度です。

項目

内容

申請要件

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、

1または2のいずれかに当てはまり、かつ、3に当てはまる方

  1. 1.最近1ヵ月間の売上高または過去半年の平均売上高が
  2.  前5年のいずれかの年の同期と比較し5%以上減少
  3. 2.債務負担が重い
  4. 3.中長期的に業況が回復

融資限度額

直接貸付6億円

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、新分野展開や事業転換など事業再構築に意欲のある中小企業を支援する制度であり、対象事業は以下の8つです。

対象事業

内容

成長枠

  • 成長分野への大胆な事業再構築に取り組む

グリーン成長枠

  • 研究開発・技術開発又は人材育成を行う
  • グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う

卒業促進枠

  • 中小企業等から中堅企業等に成長する

大規模賃金引上促進枠

  • 大規模な賃上げに取り組む

産業構造転換枠

  • 市場が縮小している業種・業態の中小企業等が事業再構築に取り組む

最低賃金枠

  • 最低賃金引上げの影響を受け、原資の確保が困難な中小企業である

物価高騰対策・回復再生応援枠

  • 原油価格・物価高騰等の影響を受ける中小企業である

対象者は以下の企業または個人です。

事業再構築補助金

画像引用:事業再構築補助金

本記事では成長枠について解説します。

項目

内容

申請要件

  • ・事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業
  • ・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
  • ・補助金額が3,000万円を超える案件は
  •  認定経営革新等支援機関及び金融機関の確認を受けていること
  • ・付加価値額要件
    •  ◦補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均4.0%以上増加
    •  ◦従業員一人当たり付加価値額の年率平均4.0%以上増加
  • ・市場拡大要件
    •  ◦過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する
    •   業種・業態に属していること
  • ・給与総額増加要件
    •  ◦事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加

受給額

  • 20人以下:100~2,000万円
  • 21~50人:100~4,000万円
  • 51~100人:100~5,000万円
  • 101人以上:100~7,000万円

地域一帯となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化

地域一帯となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化は、以下に関する地域・産業の「稼ぐ力」を回復・強化するための取組を支援します。

  • 観光地経営のマスタープランとなる地域計画の構築・磨き上げ
  • 宿泊施設・観光施設の改修
  • 廃屋の撤去
  • 面的DXなど

項目

内容

申請要件

  • ・計画の対象地域を管轄する自治体
  • ・計画の対象地域のマーケティング・マネジメントを行う観光地域づくり法人
  • ・計画の対象地域に所在する民間事業者・団体

補助上限額

  • ・宿泊施設の高付加価値化改修:10,000万円
  • ・観光施設の改修:最大2,000万円
  • ・廃屋の撤去:10,000万円
  • ・公的施設の観光目的での利活用のための民間活力の導入:2,000万円
  • ・実証実験:1,000万円

全国旅行支援

全国旅行支援とは、旅行代金が割引になるだけではなく、飲食店等で利用できるクーポン券も配布されるキャンペーンです。

項目

内容

補助条件

  • ワクチン3回接種またはPCR検査等の陰性証明

割引額

  • ・旅行代金最大20%割引
    •  ◦交通付プラン上限:5,000円
    •  ◦上記以外のプラン上限:3,000円
  • ・クーポン配布
    •  ◦平日:2,000円/泊
    •  ◦休日:1,000円/泊

実施終了

2023年6月30日

※一部異なる都道府県あり

雇用支援に関する国の支援金

雇用支援に関する国の支援金

雇用支援に関する国の支援金について解説します。

雇用調整助成金

雇用調整助成金は事業縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業等を行って労働者の雇用の維持を図る場合に、休業手当や賃金などの一部を助成するものです。

項目

内容

支給要件

  • ・直近3か月の生産量、売上高などの生産指標が
  •  前年同期と比べて10%以上減少
  • ・雇用保険被保険者数の直近3か月間の月平均値の雇用指標が
  •  前年同期と比べ一定規模以上増加無し
  • ・雇用調整助成金の支給を受けた場合1年以上経過
  • ・雇用保険に加入

受給額

  • ・休業を実施した場合の休業手当

・教育訓練を実施した場合の賃金相当額

・出向元事業主の負担額に対する助成

  •  ◦大企業:1/2
  •  ◦中小企業:2/3
  • ・教育訓練を実施したときの加算:1,200円/日/人

産業雇用安定助成金

産業雇用安定助成金とは、新型コロナウイルス感染症の影響により事業縮小となった事業主が、労働者を在籍型出向させた場合、出向元と出向先の双方の事業主に対して助成するものです。

項目

内容

支給要件

  • ・雇用調整を目的とする出向が対象
  • ・出向元と出向先が、親会社と子会社の間の出向でないこと
  • ・代表取締役が同一人物である企業間の出向でないこと
  • ・雇用保険に加入

受給額

  • ・出向元が労働者の解雇などを行っていない場合
    •  ◦中小企業:9/10
    •  ◦中小企業以外:3/4
  • ・出向元が労働者の解雇などを行っている場合
    •  ◦中小企業:4/5
    •  ◦中小企業以外:2/3
  • ・上限額(出向元・先の計):12,000円/日

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金とは、職業経験がなく技能・知識不足により安定的な就職が難しい求職者について、ハローワークの紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成するものです。

項目

内容

支給要件

  • ・以下に該当しない者
    •  ◦1週間当たりの実働時間が30時間以上の自営業者
    •  ◦学校に在籍している者
    •  ◦トライアル雇用期間中の者
  • ・以下に該当する者
    •  ◦2年以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している者
    •  ◦離職している期間が1年以上の者
    •  ◦妊娠・出産・育児を理由として離職し、仕事をしない期間が1年以上の者
    •  ◦55歳未満のニートやフリーター
    •  ◦特別の配慮を有する者

 (生活保護受給者・母子家庭の母・父子家庭の父等)

  • ・ハローワークの紹介により雇い入れること
  • ・3ヶ月のトライアル雇用
  • ・通常の労働者と同程度の労働時間であること

受給額

  • 4万円/月/人

雇用・求職者支援制度

求職者支援制度とは、再就職、転職、スキルアップを目指す方が、無料の職業訓練を受講できる制度です。制度を利用すると、月10万円の生活支援の給付金を受給できます。主な訓練コースは以下の通りです。

  • 基礎
  • IT
  • 営業・販売・事務
  • 医療事務
  • 介護福祉
  • デザイン
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • その他

項目

内容

支給要件

  • ・ハローワークに求職の申込みをしている
  • ・雇用保険に加入していない
  • ・労働の意思と能力がある
  • ・職業訓練を行う必要があるとハローワークが認めている
  • ・月8万円以下の収入である
  • ・世帯全体の収入が月30万円以下である
  • ・世帯全体の金融資産が300万円以下である
  • ・住居以外の土地・建物を所有していない
  • ・訓練実施日全てに出席する
  • ・世帯の中で同時に給付金を受給して訓練を受けている者がいない
  • ・過去3年以内に不正受給がない
  • ・過去6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けていない

給付金

  • 10万円/月

介護職 再就職準備金・就職支援金

介護職として再就職をお考えの方には再就職準備金、初めて働くことをお考えの方へには就職支援金があります。

 

項目

内容

再就職準備金

貸付事業

対象者

  • ・介護福祉士の資格を持っている
  • ・実務者研修を修了している
  • ・介護職員初任者研修を修了している
  • ・介護保険サービス事業所で介護職員等として再就職している
  • ・都道府県福祉人材センターに氏名や住所などを届出を済ませ、
  •  再就職準備金利用計画書を提出している

貸付金額

  • 40万円以内

介護分野就職支援金

貸付事業

対象者

  • ・介護職員初任者研修などの所定の研修を修了している
  •  介護未経験者である
  • ・介護保険サービス事業所等において介護職員として就職している
  • ・就職支援金利用計画書を提出している

貸付金額

  • 20万円以内

高等職業訓練促進給付金

高等職業訓練促進給付金とは、母子家庭や父子家庭の方が資格取得を目指して修業する期間の生活費を支援する制度です。養成機関で就職の際に有利となる以下の資格を半年以上修業します。

  • 看護師
  • 准看護師
  • 保育士
  • 介護福祉士
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 調理師
  • 製菓衛生師
  • シスコシステムズ認定資格
  • LPI認定資格

項目

内容

支給要件

  • ・児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準である
  • ・養成機関で半年以上のカリキュラムを修業し、
  •  対象資格の取得見込みがある

給付金額

  • ・訓練期間中:10万円(住民税課税世帯は月額70,500円)

 ※訓練を受けている期間の最後の1年間は4万円増額

  • ・訓練修了後:5万円(住民税課税世帯は25,000円)

事業所が使える国の支援金を解説しました

事業所が使える国の支援金について知りたい方向けに、事業支援に関する国の支援金や雇用支援に関する国の支援金について解説しました。

事業所が使える国の支援金は、以下の通りです。

項目

内容

事業支援に関する

国の支援金

  • ・スーパー低利・無担保融資
  • ・事業再構築補助金
  • ・地域一帯となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化
  • ・全国旅行支援

雇用支援に関する

国の支援金

  • ・雇用調整助成金
  • ・産業雇用安定助成金
  • ・トライアル雇用助成金
  • ・雇用・求職者支援制度
  • ・介護職 再就職準備金・就職支援金
  • ・高等職業訓練促進給付金

本記事で紹介した内容をもとに、条件が合う場合、支援金の申し込みを検討してみましょう。