補助金の申請支援とは?依頼先・メリット・注意点を紹介

補助金の申請支援とは?依頼先・メリット・注意点を紹介

補助金の利用を検討しているが、自社で申請したことがないため、申請支援を活用したい方も多いのではないでしょうか。

本記事では、補助金の申請支援のメリット、依頼先、注意点などを紹介します。ぜひこの記事を参考に、申請支援の利用を検討してみてください。

目次
  1. 1. 補助金の申請支援とは
  2. 2. 補助金の申請支援を利用するメリット
    1. 2-1. 採択率が高まる
    2. 2-2. 本業に集中できる
    3. 2-3. 自社に適した補助金を紹介してもらえる
  3. 3. 補助金の申請支援を依頼できる専門家
    1. 3-1. 行政書士
    2. 3-2. 中小企業診断士
    3. 3-3. 税理士
    4. 3-4. コンサルタント
    5. 3-5. 金融機関
    6. 3-6. 商工会・商工会議所
  4. 4. 補助金の申請支援を利用する際の注意点
    1. 4-1. 費用がかかる
    2. 4-2. 丸投げはできない
    3. 4-3. 依頼先によってサポート内容が異なる
  5. 5. 補助金の申請支援業者の選び方
  6. 6. 申請支援を依頼できる補助金一覧
    1. 6-1. 事業再構築補助金
    2. 6-2. ものづくり補助金
    3. 6-3. IT導入補助金
    4. 6-4. 小規模事業者持続化補助金
  7. 7. 【まとめ】補助金の申請支援を紹介しました

補助金の申請支援とは

補助金の申請支援とは、補助金の申請に関する業務から採択後のフォローまでをサポートするサービスです。主に補助金の提案、情報収集、提出書類のアドバイス、代理申請などを行ってもらえます。

国や地方自治体が運営する補助金・助成金は、約3,000種類あるといわれています。それらの補助金の中から自社に最適なものを選定するのは困難な上、申請準備にはかなりの労力が必要です。そのため、申請支援を利用することで、スムーズに申請を進められます

補助金の申請支援を利用するメリット

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続いて、補助金の申請支援を利用するメリットを見ていきましょう。

採択率が高まる

補助金は支給を受けるために、事務局の審査を通過する必要があります。補助金に関する知識があまりない状態で申請してしまうと、書類漏れや不備などで審査に通らない可能性があるでしょう。

申請支援を利用すると、専門家の視点から提出書類のアドバイスをもらえます。そのため、自社で申請するよりも、審査に通りやすい書類を準備でき採択率が高まります

本業に集中できる

補助金の申請には、事業計画書をはじめとした様々な書類の提出が必要です。それらの書類を全て準備するとなると、かなりの労力がかかります。そこで申請支援に相談することで、書類の準備や申請などを行ってもらえます。自社で全てのことに対応せずに済むので、本業に集中しやすくなるでしょう。

自社に適した補助金を紹介してもらえる

日本には約3,000種類の補助金・助成金があります。専門知識がない状態でその中から自社に最適なものを選定することは困難です。

補助金申請支援を行う専門家は専門知識があるので、相談すると企業ごとに適した補助金を紹介してもらえます。そのため、スムーズに申請する補助金を決められるでしょう。

補助金の申請支援を依頼できる専門家

補助金の申請支援とは?依頼先・メリット・注意点を紹介_1

続いて補助金の申請支援を依頼できる専門家を見ていきましょう。

行政書士

行政書士は、法律業務や行政手続きを行う法律の専門家です。主に官公署に提出する書類の作成や行政手続きを強みにしています。

ただし、多くの行政書士が補助金の申請支援を手がけていますが、中には対応していない事務所もあります。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営支援や事業計画策定などを行う専門家です。中小企業経営の専門家なので、経営課題の分析と助言、事業計画書作成代行などを相談できます。補助金の申請をする際は事業計画書の作成が欠かせません。中小企業診断士に相談すると、採択率の高まる事業計画書を作成しやすくなります

税理士

税理士は、税務や会計業務を行う専門家です。主に税制・財務を加味したアドバイス、会計処理などを相談できます。さらに、税理士は融資や税金に関する専門家のため、資金繰りや補助金の受給後の会計処理なども相談を受けてもらえます。

コンサルタント

補助金の申請支援は、民間コンサルタントにも依頼が可能です。コンサルタントには、補助金の紹介、補助金の代理申請、補助金申請のコンサルティングなどを相談できます。ただし、コンサルタントの中には優秀な業者がいる一方、悪質なサービスを提供する業者も存在します。コンサルタントに申請支援を相談する際は、慎重に判断しましょう。

金融機関

金融機関によっては、補助金の申請支援を受けているケースがあります。金融機関には、主に専門家の紹介や融資の相談などを相談できます。特に補助金は申請したからといって受給できるとは限らないので、融資の相談もできれば資金繰りで困ることは少なくなるでしょう。

商工会・商工会議所

商工会・商工会議所も補助金の相談を受けているケースがあります。ただし、具体的な申請支援というより、制度案内や専門家の紹介までが一般的です。

補助金の申請支援を利用する際の注意点

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補助金申請支援の利用は多くのメリットがありますが、一方で注意点もあります。

費用がかかる

補助金の申請支援は専門家に相談する以上、費用がかかります。費用は依頼時点でかかる着手金と受給決定後にかかる成果報酬の2種類です。そのため、申請支援を利用する際は、実質的に受け取る額が減少します。

丸投げはできない

補助金の申請支援は依頼したからといって丸投げはできません。申請支援はあくまで補助金の申請をサポートするものです。そのため専門家に「取り組みたい内容」を伝えなければ、サポートをしてもらえません。補助金を申請する際は、専門家と一緒に進めましょう。

依頼先によってサポート内容が異なる

補助金の申請支援は、依頼する専門家によってサポート内容が異なります。依頼後に相談したかった内容を相談できないといったことがないように、事前にサポート内容を確認した上で依頼しましょう。

補助金の申請支援業者の選び方

補助金の申請支援業者を選ぶ際は、以下の項目を意識しましょう。

  • 資格はあるか:国家資格や支援機関の認定がされているか
  • 実績はあるか:補助金の受給実績が豊富にあるか
  • 費用は適切か:自社の予算にあう費用か
  • 補助金に精通しているか:得意としている補助金は何か
  • サポート内容は適切か:依頼したいサービス内容があるか

補助金の申請支援は、様々な専門家に依頼できます。専門家によって相談できるサービス内容が異なるので、自社に最適な依頼先を見つけましょう。

申請支援を依頼できる補助金一覧

続いて、申請支援を依頼できる補助金を紹介します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換など思い切った事業再構築に挑戦する中小企業等を支援する制度です。様々な申請枠が用意されており、自社の目的に応じて選びやすくなっています。

対象者

製造業:資本3億円以下または従業員300人以下

卸売業:資本1億円以下または従業員100人以下

サービス業:資本5,000万円以下または従業員100人以下

小売業:資本5,000万円以下または従業員50人以下

ソフトウェア業:資本3億円以下または従業員300人以下

旅館業:資本5,000万円以下または従業員200人以下

その他の業種:資本3億円以下または従業員300人以下

 

【中堅企業】

上記の中小企業以外で、資本金10億円未満の会社

補助金額・

補助率

成長枠

100万~7,000万円

中小企業:経費の1/2

 (大規模な賃上げを

実施する場合:2/3)

中堅企業:1/2

 (大規模な賃上げを

実施する場合:1/2) 

グリーン成長枠

100万~1.5億円

中小企業:1/2

 (大規模な賃上げを

実施する場合:2/3)

中堅企業:1/3

 (大規模な賃上げを

実施する場合:1/2)

卒業促進枠

成長枠・グリーン成長枠の

補助金額上限に準じる

中小企業者:1/2

中堅企業:1/3

大規模賃金引上促進枠

100万~3,000万円

中小企業者:1/2

中堅企業:1/3

産業構造転換枠

100万~7,000万円

中小企業者:2/3

中堅企業:1/2

最低賃金枠

100万~1,500万円

中小企業者:3/4

中堅企業:2/3

物価高騰対策・

回復再生応援枠

100万~3,000万円

中小企業者:2/3

中堅企業:1/2

対象経費

・建物費

・機械装置・ システム構築費

・技術導入費

・専門家経費

・運搬費

・クラウドサービス利用費

・外注費

・知的財産権等関連経費

・広告宣伝・販売促進費

・研修費

・廃業費

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、生産性の向上を目的に、革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に取り組む事業者を支援する制度です。主に設備投資を支援する補助金であり、経費の一部を補助してもらえます。

対象者

【小規模事業者】

商業・サービス業:5人以下

サービス業(宿泊業・娯楽業):20人以下

製造業・その他:20人以下

 

【中小企業】

製造業:資本3億円以下または従業員300人以下

卸売業:資本1億円以下または従業員100人以下

サービス業:資本5,000万円以下または従業員100人以下

小売業:資本5,000万円以下または従業員50人以下

ソフトウェア業:資本3億円以下または従業員300人以下

旅館業:資本5,000万円以下または従業員200人以下

その他の業種:資本3億円以下または従業員300人以下

補助金額・

補助率

省力化

(オーダーメイド)枠

100万円~8,000万円

中小企業

補助金額が1,500万円まで:

経費の1/2

補助金額が1,500万円を

超える部分:1/3

 

小規模企業者・小規模事業者

補助金額が1,500万円まで:

経費の2/3

補助金額が1,500万円を

超える部分:1/3

通常枠

100万~1,250万円

1/2

※小規模事業者または

再生事業者:2/3

回復型賃上げ・

雇用拡大枠

100万~1,250万円

 

 

2/3

デジタル枠

100万~1,250万円

2/3

グリーン枠

100万~4,000万円

2/3

グローバル市場開拓枠

100万~3,000万円

1/2

※小規模事業者または

再生事業者:2/3

対象経費

・機械装置・システム構築費

・運搬費

・技術導入費

・外注費

・専門家経費

・クラウドサービス利用費

・原材料費

・外注費

・知的財産権等関連経費

・海外旅費(グローバル市場開拓枠のみ)

・通訳・翻訳費(グローバル市場開拓枠のうち海外市場開拓のみ)

・広告宣伝・販売促進費(グローバル市場開拓枠のうち海外市場開拓のみ)

IT導入補助金

IT導入補助金は、労働生産性を向上させるために、業務効率化やDXなどを実現するITツールの導入を支援する制度です。対象のITツールは、IT導入補助金の公式ホームページに公開(登録)されているものです。加えて、申請者はIT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」の支援を受けながら申請する必要があります。

対象者

【小規模事業者】

商業・サービス業:5人以下

サービス業(宿泊業・娯楽業):20人以下

製造業・その他:20人以下

 

【中小企業】

製造業:資本3億円以下または従業員300人以下

卸売業:資本1億円以下または従業員100人以下

サービス業:資本5,000万円以下または従業員100人以下

小売業:資本5,000万円以下または従業員50人以下

ソフトウェア業:資本3億円以下または従業員300人以下

旅館業:資本5,000万円以下または従業員200人以下

その他の業種:資本3億円以下または従業員300人以下

補助金額・

補助率

通常枠(A類型)

5万円~150万円未満

経費の1/2以内

通常枠(B類型)

150万円~450万円以下

1/2以内

セキュリティ対策推進枠

5万円~100万円

1/2以内

デジタル化基盤導入枠

(デジタル化基盤導入類型)

(下限なし)~50万円

3/4以内

50万円超~350万円

2/3以内

〜10万円(PC・タブレット)

1/2以内

〜20万円(レジ・券売機)

1/2以内

対象経費

通常枠(A・B類型)

・ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)

・機能拡張やデータ連携ツールなど

・導入コンサルティングや設定・導入研修など

・保守サポート

セキュリティ対策推進枠

・ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)

・ハードウェア関連費

・導入関連費

デジタル化基盤導入枠

(デジタル化基盤導入類型)

・ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)

・機能拡張やデータ連携ツールなど

・導入コンサルティングや設定・導入研修など

・保守サポート

・PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機

・POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営のために、販路開拓や業務効率化などに取り組む小規模事業者を支援する制度です。地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら申請を進める必要があります。

対象者

商業・サービス業:5人以下

サービス業(宿泊業・娯楽業):20人以下

製造業・その他:20人以下

補助金額・

補助率

通常枠

50万円

経費の2/3

賃金引上げ枠

200万円

2/3(赤字事業者は3/4)

卒業枠

200万円

2/3

後継者支援枠

200万円

2/3

創業枠

200万円

2/3

対象経費

・機械装置等費

・広報費

・Webサイト関連費

・展示会等出展費

・旅費

・新商品開発費

・資料購入費

・雑役務費

・借料

・設備処分費

・委託・外注費

【まとめ】補助金の申請支援を紹介しました

ここまで補助金の申請支援を紹介しました。申請支援を利用すると、自社で申請するよりも採択率が上がったり、本業に集中したりできます。しかし、依頼費用がかかったり、丸投げできなかったりするなどの注意点もあります。

ぜひこの記事を参考に、補助金の申請支援の利用を検討してみてください。