ものづくり補助金の採択後の流れは?気をつけたいポイントも解説

採択後

設備やシステムの導入費用を補助してもらえる「ものづくり補助金」。ものづくり補助金の応募が採択されたが、その後のフローがわからず悩んでいる方もいるかと思います。そこで本記事では、ものづくり補助金の採択後の流れを8つのステップにわけて徹底解説。気をつけたいポイントもお伝えしています。

目次
  1. 1. ものづくり補助金の採択後の流れ
    1. 1-1. STEP1:交付申請を行う
    2. 1-2. STEP2:補助事業を開始する
    3. 1-3. STEP3:業務遂行状況を報告する
    4. 1-4. STEP4:実績報告書を提出する
    5. 1-5. STEP5:確定検査を受ける
    6. 1-6. STEP6:精算払請求を行う
    7. 1-7. STEP7:補助金が入金される
    8. 1-8. STEP8:事業化状況を5年間報告する
  2. 2. ものづくり補助金の採択後の流れで気をつけたいポイント
    1. 2-1. 計画変更は必ず事務局の承認が必要となる
    2. 2-2. 中間監査や確定検査で現地調査される場合がある
    3. 2-3. 費用単価が50万円以上だと相見積書を作る必要がある
    4. 2-4. 設備の契約や発注は必ず交付決定後に行う
  3. 3. 【まとめ】ものづくり補助金の採択後の流れを紹介しました

ものづくり補助金の採択後の流れ

ものづくり補助金の応募内容が採択されたら、次のステップで申請を進めていきます。

  1. 交付申請を行う
  2. 補助事業を開始する
  3. 業務遂行状況を報告する
  4. 実績報告書を提出する
  5. 確定検査を受ける
  6. 精算払請求を行う
  7. 補助金が入金される
  8. 事業化状況を5年間報告する

STEP1:交付申請を行う

補助金が「採択」された状態は、事業計画が採用され、「内定」を受けているのと同じです。しかしながら、採択を受けただけの状態では、事業計画に盛り込んだ補助金額を満額受給できるとは限りません。

採択を受けたら「交付申請」によって、経費内容の妥当性を示さなければなりません。交付申請では見積書や相見積書を提出します。計画に変更がある場合は、この時点で応募データを再確認・修正を行いましょう。交付申請から交付決定までは1ヶ月程度かかります。

STEP2:補助事業を開始する

交付決定を受けたら補助事業を始めましょう。事業開始後、設備の発注が可能となります。発注から納品まで時間がかかる場合は、事業所に設置場所が必要であり、実績報告書に設置前の写真を添付する必要があります。

事業が完了したら、完了日から起算して30日を経過した日または補助事業実施完了期限日のどちらかの早い日までに、実績報告書を提出します。

STEP3:業務遂行状況を報告する

事業開始から実績報告を行うまでに時間を要する場合、中間報告として「業務遂行状況」を報告する必要があります。スケジュールの進捗や経費内訳を伝えるために、報告書と経費明細書を提出します。

STEP4:実績報告書を提出する

補助事業の内容をまとめる「実績報告書」を提出しましょう。公式ページに公開されているフォーマットに従って項目を入力。実績報告書には以下のような内容を記載します。

  • どのようなスケジュールで補助事業を進めたか
  • 目標は達成度合いや成果がどのくらい出たか
  • 補助事業で開発した試作品の写真

報告はオンライン上で行いますが、公式ページで公開されているマニュアルに従って入力しても、1回で通るのは難しいといわれています。自治体や担当者によって指摘内容にもばらつきがあるため、指摘されたら速やかに修正を行いましょう。また、実績報告書だけでなく、見積書や発注書、請求書といった経理書類も必要です。

STEP5:確定検査を受ける

実績報告書を提出する前後のタイミングで確定検査があります。担当者が企業を訪問し、実際に導入した設備や書類のチェックが行われます。なお「中間監査」を受けた場合は、確定検査が省かれることも多いです。

STEP6:精算払請求を行う

確定検査で問題がなければ補助金額が確定し、事務局から補助金確定通知書」が送られてきます。それをもとに「精算払請求書」を作成・提出しましょう。

STEP7:補助金が入金される

精算払請求書が受理されたら、全国中央会によって補助金の振込が行われます。入金は精算払請求から2週間程度です。

STEP8:事業化状況を5年間報告する

入金後も、事業化状況の報告が義務化されており、年に1度の報告が5年間必要です。事業化状況の報告内容として次のものがあげられます。

  • 会社の決算書の提出
  • 補助事業の売上や利益の報告書提出
  • 返還計算シートの提出(利益が出ている場合)

補助事業の利益が出ている場合、利益の一部あるいは全額を国庫へ返還しなければならないケースがあります。

ものづくり補助金の採択後の流れで気をつけたいポイント

ものづくり補助金の採択後の流れは?気をつけたいポイントも解説_1

ものづくり補助金の採択後のフローをお伝えしましたが、とくに以下の点には気をつけましょう。

計画変更は必ず事務局の承認が必要となる

補助事業の計画を変更する場合は、必ず事務局の承認が必要です。ただし、変更によって売上や成果の減少が予想される場合は変更できないので要注意。計画変更は、採択後の最初のステップである「交付申請」のタイミングで行います。

中間監査や確定検査で現地調査される場合がある

設備が納品されたら、「中間監査」が行われる場合があります。設備の確認や経理書類が整理されているかをチェックするのが主な目的です。実績報告書を提出する前後では、同様の目的で確定検査が行われることもあります。いずれにしても、現地調査が行われる可能性があることを覚えておきましょう。

費用単価が50万円以上だと相見積書を作る必要がある

導入する設備の単価が50万円以上の場合、相見積書を提出しましょう。これは設備が高額なゆえ、複数社を検討したことを証明するために必要です。2社以上から同じ条件、同じ仕様による見積書を取得する必要があります。

設備の契約や発注は必ず交付決定後に行う

設備の契約や発注は、必ず交付決定後に行いましょう。交付申請を通過し、交付決定がされた後、ようやく補助事業を始められます。設備の契約・発注が認められるのは交付決定後となり、交付決定前の発注は認められないので注意しましょう。

【まとめ】ものづくり補助金の採択後の流れを紹介しました

ものづくり補助金の採択後には、交付申請や事業の実施、完了後の報告業務など、やるべきことが多くあります。計画変更は交付申請の時点で行う、設備の契約や発注は必ず交付決定後に行うなど、タイミングも重要です。ものづくり補助金を無事に受け取るためにも、採択後の全体的な流れを掴み、正しいステップを踏みましょう。