事業承継・引継ぎ補助金の申請に必要な書類は?加点事由やスケジュールも紹介

書類

国にはさまざまな補助事業や助成制度があります。そのなかでも事業承継・引継ぎ補助金は、事業の再編や引継ぎをしたい方にぴったりの補助事業です。

しかし「利用したいけど、書類が多すぎる」「申請方法が分かりにくい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこでは今回は、事業承継・引継ぎ補助金の必要書類について紹介します。また対象経費やスケジュール感についてもまとめましたので、申請をしたい方はぜひ参考にしてください。

目次
  1. 1. 事業承継引継ぎ補助金とは
    1. 1-1. 各補助枠の金額
    2. 1-2. 補助対象となる経費
  2. 2. 事業承継・引継ぎ補助金の申請に必要な書類
    1. 2-1. 基本書類
    2. 2-2. 加点に必要な書類・事由
  3. 3. 事業承継・引継ぎ補助金の申請スケジュール
  4. 4. 【まとめ】事業承継・引継ぎ補助金の書類について紹介しました

事業承継引継ぎ補助金とは

事業承継・引継ぎ補助金の申請に必要な書類は?加点事由やスケジュールも紹介_1

事業承継・引継ぎ補助金は、事業の再編や継承を目的とした補助事業になっており、中小

企業や個人事業主が対象です。以下では、事業承継・引継ぎ補助金の概要について紹介します。

なおこちらの見出しでは、以下の資料を参照しています。

事業承継・引継ぎ補助金 9次公募のご案内

各補助枠の金額

事業承継・引継ぎ補助金は、「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」の3つに分かれています。申請枠によって補助上限・下限額が異なりますが、最大800万の補助を受けることが可能です。申請枠ごとの補助金は、以下の通りです。

経営革新枠

条件

賃上げ

補助上限額

補助率

・小規模事業者

・営業利益率低下

・赤字

・再生事業者等

のいずれかに該当

実施

800万円

600万円超

~800万円相当部分

1/2以内

実施せず

600万円

~600万円相当部分

2/3以内

上記以外

実施

800万円

1/2以内

実施せず

600万円

専門家活用枠

類型

補助率

補助下限額

補助上限額

上乗せ額(廃業費)

買い手支援類型

2/3以内

50万円

600万円以内

+150万円以内

売り手支援類型

1/2又は

2/3以内

廃業・再チャレンジ枠

申請の種類

補助率

補助下限額

補助上限額

再チャレンジ申請

2/3以内

50万円

150万円以内

併用申請

1/2又は

2/3以内

補助対象となる経費

補助対象と認められる経費は、以下の通りです。なお、補助対象経費は、50万円以上(税抜)の経費については、原則2者以上から相見積が必須です。

経営革新枠

対象経費

  • ・店舗等借入費
  • ・設備費
  • ・謝金
  • ・外注費
  • ・産業財産権等関連経費
  • ・原材料費
  • ・旅費
  • ・委託費
  • ・マーケティング調査費
  • ・会場借料費
  • ・広報費
  • ・廃業費(併用申請時)

専門家活用枠

対象経費

  • ・委託費(M&A登録専門家への支払った経費のみ補助対象)
  • ・謝金
  • ・旅費
  • ・外注費
  • ・システム利用料
  • ・保険料
  • ・廃業費(併用申請時)

廃業・再チャレンジ枠

対象経費

  • ・廃業支援費
  • ・在庫廃棄費
  • ・解体費
  • ・原状回復費
  • ・リースの解約費
  • 移転/移設費用

事業承継・引継ぎ補助金の申請に必要な書類

ここでは事業継承引継ぎ補助金の申請で必要な書類を紹介します。

基本書類

各申請枠では、それぞれ必要となる書類が異なります。ここでは、本人確認の書類や収支の状況を確認できる書類など必要な書類を確認しましょう。

申請枠

原則必要な書類

任意で必要な書類

経営革新枠

・補助金交付申請書

  • 交付認定経営革新等支援機関による確認書
  • 住民票(個人・個人事業主の場合)
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)
  • ・確定申告書(個人事業主の場合)
  • ・直近3期分の決算書(法人の場合)

・営業利益率低下に関する計算書

・事業承継計画表等

・経歴書

・在籍証明書等

・その他

専門家枠

・補助金交付申請書

  • ・住民票(個人・個人事業主の場合)
  • ・履歴事項全部証明書(法人の場合)
  • ・確定申告書(個人事業主の場合)
  • ・直近 3期分の決算書(法人の場合)

 

廃業・再チャレンジ枠

・補助金交付申請書

  • 廃業・再チャレンジの内容を記載した計画書
  • 認定経営革新等支援機関による確認書
  • ・M&A(事業の譲り渡し)に着手したことの証憑

・履歴事項全部証明書(法人・株主)

・直近の確定申告の基となる直近 3期分の決算書(法人)

・住民票(株主・個人事業主)

・株主名簿(法人)

・直近3 期分の所得税青色申告決算書(個人事業主)

・株主代表としての確認書

・その他

参照:公募要領(経営革新枠)公募要領(専門家枠)公募要領(廃業・再チャレンジ枠)

加点に必要な書類・事由

事業承継・引継ぎ補助金では、加点式の審査を実施しています。加点につながる書類を多く提出できれば、より審査が通りやすくなります。事業承継・引継ぎ補助金に申請する際は、加点の要件を満たせるものはないかしっかりと検討しましょう。

申請枠

加点される書類

経営革新枠

 

  • ・中小企業の会計に関する基本要領のチェックリスト
  • ・経営力向上計画の認定書および申請書類
  • ・地域おこし協力隊員の身分証
  • ・認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けたことの証明書
  • ・補助対象事業となる事業承継の形態に係る第三者が作成したPMI計画書(100 日プラン等)
  • ・地域未来牽引企業の選定証
  • ・健康経営優良法人の認定証
  • ・「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用が確認できる書類
  • ・賃金引上げ計画の誓約書
  • ・基準適合一般事業主認定通知書の写し
  • ・交付申請時に有効な期間における、(連携)事業継続力強化計画の 認定書および申請書類
  • ・アトツギ甲子園の出場(地方予選を含む)が確認できる証憑
  • ・従業員への賃金引上げ計画の表明書
  • ・交付申請時点での直近の給与支払期間における賃金台帳の写し
  • ・その他

専門家枠

  • ・中小企業の会計に関する基本要領のチェックリスト
  • ・経営力向上計画の認定書および申請書類
  • ・地域未来牽引企業の選定証
  • ・交付申請時に有効な期間における、(連携)事業継続力強化計画の認定書および申請書類
  • ・基準適合一般事業主認定通知書の写し
  • ・健康経営優良法人の認定証
  • ・「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用が確認できる書類
  • ・賃金引上げ計画の誓約書
  • ・従業員への賃金引上げ計画の表明書
  • ・交付申請時点での直近の給与支払期間における賃金台帳の写し
  • ・その他

廃業・再チャレンジ枠

  • 加点となる書類は特になし

 

<廃業・再チャレンジ枠の加点事由>

  • ・再チャレンジする主体の年齢が若いこと
  • ・再チャレンジの内容が、「起業(個人事業主含む)」「引継ぎ型創業」であること
  • ・従業員の賃上げを検討していること

(申請時点で従業員への表明し、事業化状況報告時までに

 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上の賃上げが必要)

より多くの書類を提出できれば、加点も大きくなります。提出できる項目があれば、すべての加点の必要書類を提出しましょう。

事業承継・引継ぎ補助金の申請スケジュール

事業承継・引継ぎ補助金は、申請から交付手続きまで半年〜1年程度必要です。

また、申請受付期間・事業実施期間・実績報告期間の3つの期間で、それぞれ必要書類を提出する必要があります。2024年4月現在、9次公募を実施しており、以下のスケジュールで申請が可能です。

9次公募 申請スケジュール

申請受付期間

2024年4月1日~4月30日 17:00まで

交付決定日

2024年6月上旬

事業実施期間

交付決定日~11月22日(補助事業完了期限日)

実績報告期間

2024年12月2日まで

参照:事業承継・引継ぎ補助金 9次公募のご案内

【まとめ】事業承継・引継ぎ補助金の書類について紹介しました

事業承継・引継ぎ補助金は、申請枠が多く提出する書類が多いのが特徴です。基本書類のほか、加点につながる書類を作成することで、より審査が通りやすくなります。

しかし加点書類の中には作成が難しいものがあるため、加点を狙う際には賃金計画の書類から作成することをおすすめします。

まずは申請枠の概要を掴み、必要となる書類や作成できそうな書類を確認してみましょう。