事業再構築補助金申請は事前準備が重要!申請に必要なものを解説
事業再構築補助金を使おうと考えて調べてみたものの、何から準備すれば良いのかわからない方も多いかもしれません。
本記事では、事業再構築補助金の申請前に必要な準備や電子申請の流れ、採択後の流れを解説していますので、参考にしてください。
事業再構築補助金を申請するときの準備
事業再構築補助金の申請をするときは、どの枠であっても事業計画について認定支援機関(認定経営革新等支援機関)の確認を受ける必要があります。また、補助金額が3,000万円を超える場合は金融機関の確認も受けなければいけません。加えて、補助事業終了後に事業の付加価値額が一定以上向上することも要件です。
上記の必須要件を満たしていることを確認したら、必要書類や手続きの準備に入ります。主な準備項目は以下の通りです。
事業計画書の作成
事業再構築補助金の申請で準備するものの1つ目は、事業計画書の作成です。
事業計画を作成する際は、以下の点が伝わるように作成しましょう。
- 補助事業の具体的な取組み内容
- 将来の展望(想定している市場や期待される効果)
- 本事業で取得する主な資産
- 収益計画
また、申請する枠によって必要な項目が違うことがありますので、最新の公募要領やマニュアルで必要な枠を確認しましょう。事業再構築補助金の申請書類は公募の回によって必要な項目が変わることも多いため、常に最新のもので確認することが大切です。
GビズIDプライムアカウントの発行
事業再構築補助金は、電子申請システムを利用して申請します。その際にGビズIDプライムでログインする必要があるため、事前にアカウントを作成しましょう。
ID発行の申請は、書類郵送申請とオンライン申請の2通りの方法があります。書類郵送申請の場合は、審査や発行に約1週間かかりますので、余裕をもって申請しましょう。
オンライン申請はすぐにIDを発行できますが、個人事業主の場合しか利用できません。また、申請時にマイナンバーカードが必要です。
GビズIDは以下のWebサイトで発行申請できます。
認定経営革新等支援機関への相談
事業再構築補助金の申請をするためには、認定支援機関(認定経営革新等支援機関)による確認を受ける必要があります。
また、事業計画は認定支援機関のサポートを受けながら策定することが推奨されています。早めに認定支援機関に相談して、採択されやすい事業計画書になるようにサポートをしてもらうと良いでしょう。
補助金額が3,000万円を超える場合は、認定支援機関による確認書に加えて金融機関による確認書も必要になります。3,000万円を超えることが想定されるときは、金融機関に相談しましょう。
申請枠ごとに要件が異なるので事前確認をする
事業再構築補助金は、申請する枠ごとに要件が異なるため、事前確認が大切です。申請枠は、以下の7つに分類されます。
- 成長枠
- グリーン成長枠
- 大規模賃金引上促進枠
- 産業構造転換枠
- 物価高騰対策・回復再生応援枠
- 最低賃金枠
- サプライチェーン強靱化枠
例えば、成長枠は成長分野に向けた補助のため「取り組む事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること」が条件です。
最低賃金枠は、最低賃金の引き上げの影響で厳しい状況の中小企業を補助する目的です。そのため「2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上」が条件に指定されています。
このように、各申請枠の目的にあわせて様々な要件があるため、事前に確認しましょう。また、公募している回によって要件が変わることも少なくないので、常に最新の情報を確認することが大切です。
事前着手届出を実施すれば採択前の事業着手も可能
最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠の場合は、事業再構築補助金の交付を受ける前であっても事前着手届出を受理されていれば補助の対象にできます。
ただし、規定の日付より前に発生した支払いについては対象となりません。対象になる期間は公募する回によって変わりますので、事前に最新の公募要領を確認することが大切です。
事業者マニュアルの中に「事前着手届出」についての項目がありますので、そちらを参考に確認しながら手続きをすると良いでしょう。
事業再構築補助金の電子申請の流れ
事業再構築補助金の電子申請の流れを解説していきます。電子申請システムを利用するためにGビズIDプライムのアカウントが必要になるので、まだ取得していない方は以下のWebサイトで発行をしてください。
GビズIDサイト:https://gbiz-id.go.jp/top/
電子システムにログインする
事業再構築補助金の公式Webサイトで「GビズIDでログインする方はこちら」を選びます。アカウントIDとパスワードを入力する画面が出ますので、登録している情報を入力してログインしましょう。
その後、登録した電話番号宛に6桁のワンタイムパスワードが送られてきますので、ワンタイムパスワードの入力欄に入力してください。ワンタイムパスワードは届いてから1時間以内に入力しないと無効になるので注意しましょう。
申請内容を選ぶ
電子申請システムにログインができたら、申請する内容を選びます。選択したら入力画面になるので、事業実施場所、事業内容、実績、経費・資金調達内訳などを入力し、必要な書類を添付します。
最初に選択した申請の類型を途中で変更することも可能ですが、一部の入力項目は入力したデータが削除されるので不要な変更はしないよう注意してください。
必要な項目をすべて入力し終わると、提出書類を添付するボタンが有効になりますので、必要書類を選択しましょう。
代理申請は認められておらず、不正アクセスとみなされるため自身で入力するようにしてください。
申請内容を送信
必要な項目を入力し添付ファイルの選択が終わったら、チェックリストや制約事項が表示されるので確認の上、同意をしてください。
同意をして送信が終わったら、申請状況を表示している画面に「申請済」と表示されているか確認してください。ステータスが申請済となり、受付番号が表示されていれば完了しています。
問い合わせをする際に必要になるので、受付番号を別途保存しておくと良いでしょう。
採択結果の通知
申請が終わったら採択の結果が通知されるのを待ちましょう。結果は採択・不採択にかかわらず通知されます。
採択の発表後は申請した内容が確認できなくなりますので、採択の発表前に申請した内容を自社でバックアップしておくと良いでしょう。
入力した情報や添付書類に不備があり申請要件を満たさなかった場合は、採択結果の公表前に事務局から通知が来ます。
事業再構築補助金が不採択になってしまった場合
事業再構築補助金は、次回以降の公募で再度申請できます。そのため、不採択になってしまった場合でも事業再構築補助金の利用を諦める必要はありません。
不採択だった場合は、採択されなかった理由を事務局に問い合わせたり、公募要領をもう一度確認したりして、次回の公募に向けて準備をしましょう。
事務局に問い合わせると不採択になった理由だけでなく、評価されていた点も教えてもらえるので、事業計画を作成し直す際の参考にすると良いでしょう。
事業再構築補助金の採択後の流れ
交付申請を実施
採択された後は、まず交付申請を実施してください。
事業再構築補助金は申請が採択されただけでは補助金が交付されません。採択された後に「補助金交付申請」をし、内容の精査を経て交付されます。精査の結果によっては、交付決定額が申請時に計上した額から減額されたり、対象外になったりすることがあります。
交付申請をする際に必要な追加書類は主に以下の5つです。
- 経費明細表
- 見積書、建物費
- 機械装置・システム構築費の追加書類
- 取得財産に係る誓約書
- 事業再構築補助金に係る補助対象経費について(理由書)
このほか、該当する申請者のみ必要になる書類もありますので、最新の「補助事業の手引き」で確認をして必要な書類を用意しましょう。
補助事業実施期間
補助事業の実施期間は、交付決定日から12ヶ月以内(ただし、補助金交付の採択が発表された日から14ヶ月)です。また、補助事業の実施期間内に対象事業の契約や発注・納品、検収、支払い、補助事業実績報告書の提出をすべて終わらせなければいけません。
交付申請が遅れてしまうとその分だけ実施期間も短くなってしまい、必要な手続きが完了しなくなるおそれがあるので、早めに交付申請をしましょう。
交付額の確定
事業再構築補助金の交付額は、原則として補助事業終了後に提出する「補助事業実績報告書」をもとに精査し、問題がなければ確定します。そのため、補助金は事業が終わってからの後払いになることに注意しましょう。
実績報告書で計上するために必要な見積書や領収書がないと減額されるおそれがあるのできちんと残しておきましょう。
補助金の請求と受給
補助金の確定通知書が届いたら、補助金精算払請求書で請求をしましょう。請求は、補助事業の確定検査を受けていることと補助金額が確定していることが条件です。
請求した書類に不備がなければ、8営業日程度で補助事業者の指定講座へ振り込まれます。
事業再構築補助金の第10回の採択結果
事業再構築補助金の第10回の公募では、10,821件の応募に対し5,205件が採択されました。枠ごとの応募件数と採択件数は以下の通りです。
|
応募件数 |
採択件数 |
成長枠 |
2,734 |
1,242 |
グリーン成長枠 |
631 |
262 |
産業構造転換枠 |
275 |
102 |
最低賃金枠 |
249 |
133 |
物価高騰対策・回復再生応援枠 |
6,775 |
3,387 |
サプライチェーン強靭化枠 |
157 |
79 |
また、業種別で見ると応募・採択ともに製造業、卸売・小売業、建設業が多い傾向があります。都道府県別に見ると、東京都や大阪府、愛知県、兵庫県が多い傾向があります。
【まとめ】事業再構築補助金の準備について紹介しました
事業再構築補助金の申請前に準備することや、電子申請の流れ、採択後の流れなどを紹介しました。
事業再構築補助金の申請は提出する書類が多いだけでなく内容も複雑なため、できるだけ早めに準備に取り掛かりましょう。また、補助額が3,000万円を超える場合は追加で書類が必要になるので、さらに時間がかかることに注意してください。
GビズIDの発行は事業再構築補助金の公募が始まる前でも手続きできますので、事前に発行しておくと良いでしょう。