事業再構築補助金の申請支援とは?支援内容や業者の選び方も解説!

事業再構築補助金の申請支援とは?支援内容や業者の選び方も解説!

事業再構築補助金の申請支援サービスの存在は知っているものの「どのようなことをしてもらえるのか」「違反にはならないのか」という疑問を抱えている方もいるでしょう。

本記事では、どのような支援が受けられるか、何が違反になるか、支援を受けるメリット・デメリットを解説します。また、依頼先の選び方も紹介しますので参考にしてください。

目次
  1. 1. 事業再構築補助金の概要
  2. 2. 事業再構築補助金を利用する際の全体の流れ
    1. 2-1. GビズIDの取得
    2. 2-2. 事業計画書の作成
    3. 2-3. 必要書類の準備・添付
    4. 2-4. 交付申請
    5. 2-5. 実績報告書の提出
  3. 3. 事業再構築補助金の申請支援とは?
  4. 4. 事業再構築補助金の申請支援は違反にならない?
  5. 5. 申請支援で受けられる支援内容は?
    1. 5-1. 事業計画書の作成支援
    2. 5-2. 報告書や資料の作成支援
    3. 5-3. 補助金採択後の各種手続きの支援
  6. 6. 事業再構築補助金の申請支援の依頼先は?
    1. 6-1. 補助金のコンサルティング会社
    2. 6-2. 税理士
    3. 6-3. 公認会計士
    4. 6-4. 行政書士
    5. 6-5. 中小企業診断士
    6. 6-6. 金融機関
  7. 7. 申請支援を依頼するときの相場は?
  8. 8. 事業再構築補助金の申請支援を利用するメリット
    1. 8-1. 不採択になりにくい事業計画書を作成できる
    2. 8-2. 申請にかかる手間や時間を減らせる
    3. 8-3. 書類不備で差し戻しになるリスクを軽減できる
  9. 9. 事業再構築補助金の申請支援を利用するデメリット
    1. 9-1. 申請支援サービスの費用がかかる
    2. 9-2. 依頼する業者を選ぶ手間が発生する
  10. 10. 申請支援業者を選ぶときのポイント
    1. 10-1. 事業再構築補助金の採択実績が十分か確認する
    2. 10-2. 申請支援の報酬体系を確認する
    3. 10-3. きちんと報告や相談をしてくれるか確認する
    4. 10-4. 自社にあう業者か確認する
    5. 10-5. 支援してもらえる範囲を確認する
  11. 11. 【まとめ】事業再構築補助金の申請支援について紹介しました

事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症による需要や売上の低下の影響を受けた企業に対し、事業・業種転換、事業再編、国内回帰を支援する補助金です。

また、第10回の公募からは「物価高騰対策・回復再生応援枠」や「産業構造転換枠」、成長分野への事業再構築を支援する「成長枠」などが追加されています。

利用する枠によって上限が変わりますが、中小企業の場合は最大で1億円、中堅企業の場合は最大で1億5,000万円まで補助金を受け取れます。申請の多い成長枠は、最大で7,000万円です。

事業再構築補助金を利用する際の全体の流れ

事業再構築補助金を利用する際の全体の流れは、以下のとおりです。次項で詳細を解説します。

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GビズIDの取得

事業再構築補助金の申請は、電子申請システムを利用して行います。その際にGビズIDのプライムアカウントが必要です。IDは以下のWebサイト上で発行申請ができます。

GビズID公式Webサイト:https://gbiz-id.go.jp/top/

個人事業主が申請する場合は即時発行のオンライン申請(マイナンバーカードが必要)を利用できますが、企業が申請する場合は書類の郵送による申請が必要です。書類審査やIDの発行に1週間程度かかりますので、早めに申請すると良いでしょう。

事業計画書の作成

事業再構築補助金は、補助金の目的に沿った事業かどうかを審査されますので、説明するための事業計画書の作成が必要です。

事業計画書では、以下の項目について記載しなければいけません。

  • 現在の事業の状況
  • 事業の強み・弱み
  • 事業の環境
  • 事業再構築の必要性
  • 事業再構築の具体的内容
  • 今回の補助事業で実施する新市場進出(新分野展開、業態転換)
  • 事業・業種転換や事業再編、国内回帰の取り組み
  • 将来の展望(事業化に向けて想定している市場や期待される効果)
  • 対象となる補助事業で取得する主な資産
  • 収益計画

上記の項目に加えて、申請枠ごとに指定された項目を記載します。この事業計画書の内容を精査して、補助事業対象の要件を満たしているかどうかが審査されます。

また、事業再構築補助金の申請をする際には事業計画書について「認定支援機関による確認」を受ける必要があります。

必要書類の準備・添付

事業再構築補助金の申請では、事業計画書や認定支援機関による確認書に加えて以下の書類の提出が必要です。

  • 決算書
  • 財務情報
  • 従業員数を示す書類
  • 収益事業を行っていることを説明する書類
  • 建物の新築が必要であることを説明する書類(建物の新築費用を補助対象経費上している場合)

上記に加えて、申請する枠ごとに指定されている書類が追加で必要になるので注意しましょう。例えば、成長市場への事業再構築を目的とする成長枠では「市場拡大要件を満たすことを説明する書類」が追加で指定されています。

必要な書類をすべて準備したら、電子申請フォームから添付して申請を行いましょう。

交付申請

事業再構築補助金は、申請が採択されただけでは補助金を受け取れません。補助金の交付を受けるには、交付申請をして交付決定される必要があります。交付申請の内容によっては応募したときの申請額よりも減額されたり対象外になったりすることがあります。

原則として、採択されてから14ヶ月または交付申請をして交付決定してから12ヶ月以内に補助事業をしなければいけません。そのため、交付申請が遅れてしまうと事業の開始も遅れ、事業をできる期間も短くなります。できるだけ早めに交付申請をしましょう。

実績報告書の提出

事業再構築補助の対象となる事業が完了したら、完了日から30日か事業完了期限日の早い方を期限として実績報告書を提出する必要があります。期限までに実績報告書を提出しないと交付決定が取り消されるので注意しましょう。

事業再構築補助金の申請支援とは?

事業再構築補助金の申請支援とは、事業再構築補助金の申請に関して事業計画の策定や必要な資料の作成などをサポートしてくれるサービスです。一般的には申請代行とも呼ばれていますが、厳密には申請自体の代行は認められていません。あくまで申請のサポートをしてくれるサービスです。公募要領にも代理申請は不正アクセスとなるので不採択になると明記されています。

事業再構築補助金の申請は必要な書類が多いだけでなく、内容も複雑なため申請支援や申請代行サービスを利用する会社も少なくありません。

事業再構築補助金の申請支援は違反にならない?

事業再構築補助金の申請支援や申請代行で、申請の部分を代行してもらった場合は違反になります。公募要領によると「不正アクセスとなるため不採択にする」と明記されているので、申請は自分で行いましょう。

また、水増し請求や虚偽の申告をした場合も当然違反になりますので、一部のあまり良くない申請支援・申請代行業者に提案されても拒否しましょう。

申請支援で受けられる支援内容は?

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事業計画書の作成支援

申請支援・支援代行サービスでは、事業計画書の作成支援が受けられます。事業再構築補助金は、事業計画を精査して補助金の支援対象になるか判断されるので非常に重要な書類です。

事業計画書では、事業内容に加えて事業の強みや弱み、事業再構築の必要性、事業化に向けて想定している市場及び期待される効果などを伝える必要があります。そのため、事業再構築補助金の申請に提出する事業計画書の策定のノウハウを持つ専門家のサポートが重要です。

報告書や資料の作成支援

事業再構築補助金では、多くの書類を提出しなければなりません。その際に必要な資料集めや資料作成のサポートが受けられます。

最初の申請だけでも、25種類ほどある書類の中から自分が申請する枠に必要な書類を判断して添付する必要があります。補助金の申請に関するノウハウがないと資料を集めるだけでも苦労しますので、専門家に支援をしてもらうと良いでしょう。

補助金採択後の各種手続きの支援

申請をして採択がされても、その後に交付申請や実績報告書の提出などをしなければいけません。必要な書類を期限内に提出しないと交付取り消しになってしまうこともありますので注意しましょう。

ただし、採択されるまでの支援を中心としてサポートしている申請支援サービスもありますので、事前に受けられる支援内容を確認しておきましょう。

事業再構築補助金の申請支援の依頼先は?

事業再構築補助金の申請をする際は、認定支援機関の確認を受ける必要があります。よって、認定支援機関に指定されている事業者に申請支援をしてもらうと良いでしょう。主な依頼先は以下の通りです。

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補助金のコンサルティング会社

事業再構築補助金の申請支援の依頼先として、補助金のコンサルティング会社があります。

補助金の申請が専門のコンサルティング会社は、過去の経験によって補助金を申請する際のノウハウを多く持っています。そのため、採択されやすい事業計画書の作成ができるようにサポートしてもらえます。また、経営的な視点でのアドバイスも期待できるでしょう。

税理士

税理士にも事業再構築補助金の認定支援機関として指定されているところがあります。

普段から取引のある税理士であれば、会社の財務情報や事業内容を知っているので、スムーズな資料作成が期待できます。

公認会計士

公認会計士も認定支援機関として指定されているところがあります。

税理士と同じく財務関係の専門家なので、事業計画の作成時の財務情報や経営情報の書類の作成支援に期待ができます。また、普段から取引のある公認会計士であれば自社の状況をすでに知っているので、説明の手間をある程度省けることもメリットです。

行政書士

行政書士は行政機関に提出する書類を幅広く扱う専門家です。そのため、事業再構築補助金の申請支援にも対応できます。行政書士と取引がある会社も多いと思いますので、補助金の申請についても相談してみるとよいでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士にも認定支援機関に指定されているところがあります。中小企業の経営に関する専門家ですので、提出する事業計画書や関連資料に経営の観点からアドバイスをもらいたい場合におすすめです。

金融機関

金融機関も認定支援機関になっているところがあります。

事業再構築補助金の補助金額が3,000万円を超える場合は、申請前に金融機関に相談して確認書をもらう必要があるので、その際にあわせて相談すると良いかもしれません。普段から取引のある金融機関であれば、事業内容や財務状況の説明を省けるというメリットもあります。

申請支援を依頼するときの相場は?

事業再構築補助金の申請支援は明確に定められていないため、事業者ごとに料金を設定しています。

一般的に、着手金は5万円~20万円程度、成功報酬は補助金額の8%~15%程度が相場です。事業者によって料金は様々ですが、実績や実力がない事業者を選んでしまうと後々トラブルになってしまうおそれがあるので注意しましょう。

事業再構築補助金の申請支援を利用するメリット

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不採択になりにくい事業計画書を作成できる

事業再構築補助金をもらうためには、適切な事業計画書を作成して採択されなければいけません。そのため、採択されやすい事業計画書を作ることが大切です。

申請支援サービスを利用すると、これまでの経験や知識を生かして事業計画書の作成をサポートしてもらえます。良い評価に影響しやすいポイントを教えてもらって意識して作成すると採択の可能性が向上するでしょう。

申請にかかる手間や時間を減らせる

申請支援サービスを利用すると、申請にかかる手間やかかる時間を減らす効果が期待できます。

例えば、最初の申請だけでも25種類以上もある書類の中から自社が申請する枠に必要な書類を調べて作成する必要があります。申請支援を受けていれば、どの書類が必要か教えてもらえますし、支援内容によっては資料の作成も任せられます。

書類不備で差し戻しになるリスクを軽減できる

申請支援サービスを提供している事業者はこれまでに何度も申請を支援しているので、書類不備になりやすいポイントを多く知っています。支援をしてもらうことで書類不備になりやすい箇所が事前にわかるため、不備で差し戻しになるリスクを減らす効果が期待できるでしょう。

事業再構築補助金の申請支援を利用するデメリット

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申請支援サービスの費用がかかる

申請支援サービスを利用するデメリットの1つは、費用がかかってしまうことです。

成功報酬を補助金額の何%としているため、補助金の額が大きくなるほどかかる費用も大きくなってしまいます。また、着手料を設定している場合は補助金が受け取れなくても費用が発生します。

ただし、事業再構築補助金の申請に失敗して不採択になってしまうよりは、費用をかけてでも1回で採択される方が会社にとって良くなることも少なくないでしょう。

依頼する業者を選ぶ手間が発生する

申請支援を依頼する業者を選ぶ手間が発生することもデメリットの1つです。

また、事業再構築補助金の事務局から注意喚起がされているように、悪質な業者もいます。そのため、信頼できる申請支援業者を選ぶのに手間がかかってしまいます。

申請支援業者を選ぶときのポイント

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事業再構築補助金の採択実績が十分か確認する

申請支援事業者を選ぶときは、事業再構築補助金の申請の採択実績が十分か確認をすると良いでしょう。実績が十分な事業者であれば、申請に関するノウハウを多く持っていることや支援の実力があることに期待できます。

事業者ごとの過去の採択実績は、以下で公表されている「認定支援機関実績一覧」で第1回からすべて確認できます。

事業再構築補助金公式Webサイト:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/cases2.html

申請支援の報酬体系を確認する

申請支援業者を選ぶときは、料金の仕組みを確認しましょう。

着手金がある場合やない場合、成功報酬に下限がある場合など様々なケースがあります。例えば、成功報酬に下限がある場合に補助金額が小さい「最低賃金枠」の申請支援をしてもらうと、支援にかかる料金が割高になってしまいます。

申請する予定の申請枠や自社の財務状況などの都合にあった報酬体系の事業者を選択しましょう。不採択になった際の支払いリスクを抑えたい場合は、成功報酬型の事業者を選ぶと良いでしょう。

きちんと報告や相談をしてくれるか確認する

申請支援事業者を選ぶときは、報告や相談をきちんとしてくれる事業者か確認しましょう。

報告や相談が正しくできていないと、必要な書類を期限内に提出できずに書類不備になってしまうおそれもあります。また、支援事業者が誤った解釈をした結果、虚偽の申告になってしまうリスクもあるでしょう。

定期的な報告書の提出があるかどうかや相談のしやすさが十分かなどを事前に確認しましょう。特に、定型文のようなやりとりが多い場合は注意をした方が良いかもしれません。

自社にあう業者か確認する

申請支援事業者を選ぶときは、自社にあう業者かどうかも大事なポイントです。

例えば、事業計画は大体できているが財務情報に関する細かい数字のところで苦労しているような状況なら、税理士や会計士など財務の専門家がおすすめです。また、自社が補助事業として申請する予定の事業と同じ業種の申請支援実績が豊富な事業者であれば、的確なアドバイスに期待できるでしょう。

支援してもらえる範囲を確認する

申請支援を選ぶときは、支援してもらえる範囲を確認しておきましょう。

大きなものだけでも、最初の申請(事業計画書の作成を含む)、交付申請、報告書の提出、補助金の請求など多くの申請があります。そのため、何をどこまで支援してもらえるかを事前に確認しましょう。

また、料金の安さだけで選んでしまうと、最初の申請から採択までは支援が手厚いものの採択後の支援はあまり受けられなかったというケースも起こり得ます。支援の範囲は、依頼する前に確認することが大切です。

【まとめ】事業再構築補助金の申請支援について紹介しました

事業再構築補助金の申請支援や申請代行では、事業計画書の作成のサポートや資料作成のサポートが可能です。ただし、申請作業自体を代行してもらうと違反になるので注意しましょう。

申請支援を利用すると、費用がかかったり業者を選ぶ手間が発生したりします。しかし、不採択になりにくい事業計画書を作成できたり、申請にかかる手間を減らせたり、不備になるリスクを減らせるというメリットがあります。

事業再構築補助金の申請が自分では難しいと感じたら、申請支援・申請代行サービスの利用を検討してみても良いでしょう。