ベンチャー・スタートアップ企業が申請できる補助金・助成金11選

ベンチャー・スタートアップ企業が申請できる補助金・助成金11選

ベンチャー企業が利用できる補助金をお探しですか?ベンチャー企業は、初期投資や人材雇用などで多くの資金が必要です。

本記事では、ベンチャー企業が利用できる補助金について紹介しています。ぜひ、補助金検討の参考にしてみてください。

目次
  1. 1. 補助金と助成金の違い
  2. 2. ベンチャー企業が申請できる補助金&助成金
    1. 2-1. 小規模事業者持続化補助金
    2. 2-2. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
    3. 2-3. IT導入補助金
    4. 2-4. 雇用調整助成金
    5. 2-5. 地域雇用開発助成金
    6. 2-6. トライアル雇用助成金
    7. 2-7. 人材確保等支援助成金
    8. 2-8. キャリアアップ助成金
    9. 2-9. 中途採用等支援助成金
    10. 2-10. 労働移動支援助成金
    11. 2-11. 特定求職者雇用開発助成金
  3. 3. ベンチャー企業が相談できる地方自治体の相談先
  4. 4. ベンチャー向け補助金で知っておきたいポイント
    1. 4-1. 申請するだけでは補助金は受けられない
    2. 4-2. 事業費は先出しする必要がある
  5. 5. 【まとめ】ベンチャー企業は積極的に補助金を利用しよう

補助金と助成金の違い

 

補助金

助成金

管轄

経済産業省

厚生労働省

支援範囲

事業拡大、設備投資など

雇用促進、職場改善など

受給額

高額(数千万~数億)

少額(数万~数百万)

受給難易度

高い

低い

返済義務

なし

なし

公募期間

年に1〜2回

通年

補助金と助成金は、共に国や地方自治体からの財政的な支援を受ける点と返済不要な点では同じです。大きな違いは、管理する省庁と支援の目的にあります。

補助金は経済産業省が管理し、主に事業の拡大や設備投資などの事業開発を目的としています。一方、助成金は厚生労働省が管理し、雇用促進や職場環境の改善など、社内制度の強化が目的です。

また、補助金と助成金では支給額と申請の頻度にも違いがあります。補助金は一般的に高額であり、審査が厳しく、年に数回しか申請する機会がありません。助成金は比較的少額ではあるものの、条件を満たせば誰でも申請でき、年間を通じて申請を受け付けています。

ベンチャー企業が申請できる補助金&助成金

ベンチャー企業が申請できる補助金や助成金は、国が実施しているものだけでも11個あります。設備投資やツール導入、人材雇用など幅広いジャンルで活用できるので、自社で利用できそうなものは、より詳細な関連記事をご参考ください。

小規模事業者持続化補助金

概要

物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入などの制度変更に対応するため、

販路開拓などの経費の一部を補助する制度

支給対象

法人、個人事業主、特定非営利活動法人

支給額

(補助率)

50万円~200万円
(2/3※賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)

対象となる

経費

・機械装置等費

・広報費

・ウェブサイト関連費

・展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)

・旅費

・開発費

・資料購入費

・雑役務費

・借料

・設備処分費

・委託・外注費

申請期間

未定

関連記事:【2024年最新】小規模事業者持続化補助金のスケジュール|申請の流れも紹介

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

概要

中小企業や小規模事業者が今後数年間で直面する

様々な制度変更に対応するための支援制度

支給対象

中小企業者(組合関連以外)

・中小企業者(組合・法人関連)

・小規模企業者・小規模事業者

・特定事業者

・特定非営利活動法人

・社会福祉法人

支給額

(補助率)

750万円~1億円(中小1/2、小規模2/3)

対象となる

経費

・機械装置・システム構築費

・技術導入費

・専門家経費

・運搬費

・クラウドサービス利用費

・原材料費

・外注費

・知的財産権等関連経費

申請期間

17次締切:2024年3月1日 17時まで
18次締切:未定

※17次締切では「省力化(オーダーメイド)枠」のみが対象
※18次締切では「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」が公募される予定

関連記事:ものづくり補助金の内容を解説!対象となる事業者の要件と金額とは

IT導入補助金

概要

業務効率化やDX推進、セキュリティ対策を支援するための制度

支給対象

中小企業、小規模事業者

支給額

(補助率)

5万円~450万円(1/2~4/5)

対象となる

経費

・ソフトウェア購入費

・クラウド利用料

・導入関連費

 ※デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は上記に加え

  ハードウェア購入費が対象

・サイバーセキュリティサービス利用料

申請期間

<通常枠・セキュリティ対策推進枠・インボイス枠(電子取引類型)>
・第1次締切:2024年3月15日(予定)
・第2次締切:2024年4月15日(予定)
・第3次締切:2024年5月20日(予定)
<インボイス枠(インボイス対応類型)>
・第1次締切:2024年3月15日(予定)
・第2次締切:2024年3月29日(予定)
・第3次締切:2024年4月15日(予定)
・第4次締切:2024年4月30日(予定)
・第5次締切:2024年5月20日(予定)
<複数社連携IT導入枠>
・第1次締切:2024年4月15日(予定)

関連記事:IT導入補助金とは?対象者や補助額、申請方法を解説【注意点も】

雇用調整助成金

概要

経済的な理由で事業が縮小せざるを得ない事業主が、

雇用を守るために休業、教育訓練、出向にかかる費用を支援する制度

支給対象

以下の条件をすべて満たす事業主

・雇用保険の適用事業主である
・最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少している

・最近3か月間の雇用量が規定の水準以上増加していない
・実施する雇用調整が一定の基準を満たしている
・過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある場合は、1年以上経過している

支給額

(補助率)

対象労働者1人1日あたり8,490円(中小企業2/3、中小企業以外1/2)

教育訓練は1人1日あたり1,200円

対象となる

経費

人件費または教育訓練費

申請期間

随時

※2024年の能登半島地震の影響で事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主の方に対しては特例措置として各種条件が緩和されます

地域雇用開発助成金

概要

事業主が雇用機会が不足している地域に事業所を設立し、

当該地域で人材を雇う場合に、設立費用と雇用増加数に応じて助成する制度

支給対象

以下の条件をすべて満たす事業主
・施設・設備の設置・整備および、地域に居住する求職者等の

 雇い入れに関する計画書を労働局長に提出する
・施設や設備を計画期間内に設置・整備する

・地域に居住する求職者を計画期間内に常時雇用

 または高年齢被保険者としてハローワーク等の紹介により3人

 (創業の場合は2人)以上雇い入れる

・完了日における事業所の被保険者数が、計画日の前日から3人

 (創業の場合は2人)以上増加している

支給額

(補助率)

50万円~800万円

(中小企業事業主の場合は左記金額1.5倍、創業の場合は2倍が支給される)

対象となる

経費

・工事(不動産)

・購入(不動産)

・購入(動産)

・賃借(不動産)

・賃借(動産)

申請期間

随時

関連記事:地方再生中小企業創業支援助成金とは?現行制度の詳細を解説

トライアル雇用助成金

概要

職業経験不足などの理由で就職が難しい求職者を、

無期雇用契約に移行する前に

一定期間のトライアル雇用を行う事業主を支援する制度

支給対象

以下の条件をすべて満たす事業主

・対象労働者が「安定した職業に就いている」「学校に在籍している」

 など特定の条件に該当しないこと

・対象労働者が「離職している期間が1年を超えている」

 「生活保護受給者」「日雇労働者」などに該当すること

・ハローワーク・紹介事業者等の紹介により雇い入れること

・原則3ヶ月のトライアル雇用であること

・所定労働時間が原則として通常の労働者と同程度であること

支給額

(補助率)

1人あたり最大5万円(3ヶ月)

対象となる

経費

要件を満たした労働者の人件費

申請期間

随時

関連記事:「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」 【2023年04月01日〜】

人材確保等支援助成金

概要

魅力的な職場を作るために、労働環境を改善して賃金アップや生産性の向上、

従業員の離職率の低下に取り組む事業主を助成する制度

支給対象

労働環境を改善する事業主や事業協同組合

支給額

(補助率)

57万円~1,000万円

対象となる

経費

社内制度改革費、介護福祉機器の導入費など(コースによって異なる)

申請期間

各コースの詳細を参照のこと

関連記事:人材確保等支援助成金とは?対象資格や助成金額をわかりやすく解説

キャリアアップ助成金

概要

企業内で非正規雇用労働者を正社員化、処遇改善を実施した事業主を助成する制度

支給対象

以下の条件をすべて満たす事業主

・キャリアアップ管理者を配置した事業主であること

・対象労働者に関するキャリアアップ計画書を作成し、

 管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主であること

・労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況を明記した書類を整備し、

 賃金の算出方法を明らかにできる事業主であること

・制度の趣旨を十分理解し、当該趣旨に沿った取組を実施している事業主であること

支給額

(補助率)

1人あたり5万円~120万円
1事業所あたり30万円~60万円

対象となる

経費

人件費または社内制度改革費

申請期間

 随時

関連記事:キャリアアップ助成金と併用可能!東京都正規雇用等転換安定化支援助成金とは?

中途採用等支援助成金

概要

中途採用者の雇用管理制度を整備し、

中途採用拡大を図る事業主に対して助成する制度

支給対象

以下の条件をすべて満たす事業主

・規定の労働者を中途採用すること

・中途採用計画を作成し、管轄の労働局に届け出ること

・中途採用計画期間に対象労働者を2人以上雇い入れ、

 規定の中途採用率を達成するなどの取り組みをすること

支給額

 

50万円~100万円

対象となる

経費

中途採用の取り組み

申請期間

随時

関連記事:中途採用等支援助成金とは?対象者・支給額・申請方法を解説

労働移動支援助成金

概要

経済的事情によって事業規模を縮小し、

従業員の求職活動を援助する事業主と、

同従業員を3か月以内に雇用した事業主を助成する制度

支給対象

<再就職支援コース>
・定められた計画書を作成・提出すること

・就職支援や求職活動支援などを実施すること など

<早期雇入れ支援コース>

以下の条件をすべて満たす事業主

・支給対象者を離職日の翌日から3か月以内に常時雇用すること

・支給対象者を一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れること

 

支給額

(補助率)

<再就職支援コース>
・再就職支援:上限30万円(1/4~4/5)
・求職活動のための休暇:休暇1日当たり5,000円~8,000円
・再就職のための訓練委託:上限30万円(2/3)

<早期雇入れ支援コース>
・1人につき30万円~40万円(条件達成で20万円の加算)

対象となる

経費

就職支援費用や雇用費用

申請期間

随時

関連記事:労働移動支援助成金とは?メリットや助成金額・申請条件、受給条件を解説

特定求職者雇用開発助成金

概要

高年齢者や障害者など一定の条件を満たす求職者を

採用する事業主を助成する制度

支給対象

各コースによって異なるため詳細記事を参照のこと

支給額

(補助率)

年間30万円~360万円

対象となる

経費

人件費

申請期間

随時

関連記事:特定求職者雇用開発助成金とは?支給額や申請方法を紹介

ベンチャー企業が相談できる地方自治体の相談先

国が管理していない補助金もたくさんあります。主に地方自治体が管理している補助金で、地域のベンチャー企業を支援する制度が用意されています。「創業補助金」「新事業開拓支援助成金交付事業」などは各地方自治体ごとに利用できるものがありますので、ぜひ検討することをおすすめします。

どういう補助金が地元の自治体にあるのかわからないのであれば、「中小企業基盤整備機構」や「よろず支援拠点」といった支援機関を活用してみてください。自社の事業内容にあったアドバイスをしてくれるでしょう。

ベンチャー向け補助金で知っておきたいポイント

ベンチャー・スタートアップ企業が申請できる補助金・助成金13選_1

ベンチャー向けの補助金は、事業費を圧縮するのに役立つものばかりです。しかし、以下の点は知っておかないと、資金繰りに困ることになります。

申請するだけでは補助金は受けられない

各補助金制度は、申請から審査に通れば補助金が出るわけではありません。各フェーズにおいて明確に期限が定められており、守れなければ補助金が交付されないのです。とくに、決まった事業期間で事業を完了させ、期日までに実績報告が必要なことを覚えておきましょう。

事業費は先出しする必要がある

事業を実施する費用は自社が先出しして、すべてが終わったあとに補助金が交付されます。そのため、事業実施のためのお金を用意しなくてはいけません。最終的には費用は安く済みますが、資金繰りは考えておく必要があります。

【まとめ】ベンチャー企業は積極的に補助金を利用しよう

ベンチャー企業は資金との戦いです。投資を集めるのも重要ですが、補助金でコストを下げられるものもたくさんあります。本記事を参考にして、活用できる補助金がないかの参考にしてみてください。