インボイスにも対応可能!IT導入補助金の概要や対象者について解説!

インボイスにも対応可能!IT導入補助金の概要や対象者について解説!

インボイス制度への対応でIT導入補助金を利用したいと思うものの、進め方が分からずお困りではないでしょうか。

本記事ではインボイス制度に対応できるIT補助金の概要や対象者、そのほか利用できる補助金についてまで解説します。インボイス制度への対応にお困りの方はぜひ参考にしてください。

目次
  1. 1. インボイスにも対応可能なIT導入補助金とは
    1. 1-1. 概要
    2. 1-2. 機能要件
    3. 1-3. 補助額・補助率
    4. 1-4. 申請要件
    5. 1-5. 申請までのスケジュール
    6. 1-6. 必要書類
  2. 2. IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の申請手順
    1. 2-1. 導入ツールと事業者の選定
    2. 2-2. 事前準備
    3. 2-3. 交付申請
    4. 2-4. 補助事業の実施
    5. 2-5. 補助金の交付手続き
    6. 2-6. 事業実施効果報告
  3. 3. インボイス制度に対応できるそのほかの補助金
    1. 3-1. ものづくり補助金
    2. 3-2. 小規模事業者持続化補助金
    3. 3-3. 事業継承・引継ぎ補助金
  4. 4. 申請時に気をつけるべきポイント
    1. 4-1. ハードウェアは申請できない
    2. 4-2. IT導入支援事業者の選定後に申請できる
    3. 4-3. 事業が完了するまで交付されない
  5. 5. インボイスに対応できるIT導入補助金についてまとめました

インボイスにも対応可能なIT導入補助金とは

インボイス制度の導入に対応できるIT導入補助金について、概要や申請手順、対象ツールなどについて解説します。

概要

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は、中小企業を対象にした補助金です。インボイス制度に対応したITツール導入に利用できます。

機能要件

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)で申請できるITツールの要件は以下の通りです。

  • 商流一括インボイス対応類型の対象となるITツールを利用すること
  • 申請者が受発注機能の発注側であり、ITツールの購入者であること
  • 申請するITツールはソフトウェア1つのみであること(複数のITツールは申請できない)
  • 申請者およびアカウントを供与された取引先は当該ITツールを申請する利用期間以上利用するものであること
  • 申請者(発注側)がアカウント利用者管理簿等により取引先のアカウントの適切な管理を行うこと

補助額・補助率

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の補助率と補助額は以下の表の通りです。補助額の対象となるのは、ITツールのクラウド利用料の最大2年分が対象となります。

補助上限

350万円

補助率

2/3以内(中小企業・小規模事業者などの場合)

1/2以内(その他の事業者は)

申請要件

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の主要な申請要件は以下のものです。

  • 日本国内で事業を営んでいること
  • 事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること
  • gBizIDプライムアカウントを取得していること
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「一つ星」または「二つ星」いずれかの宣言を行うこと
  • 「みらデジ」における「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行った事業者であること(要gBizIDプライムアカウント)

GBizIDプライムアカウントとは、IT導入補助金の申請に必要なアカウントで、必要書類の提出や手続きに利用します。GBizIDプライムアカウントは以下から申請可能です。

gBizIDプライム申請書作成

SECURITY ACTIONとは、情報セキュリティ対策に取組むことを、中小企業が自己宣言する制度です。IPAが認定するものではありません。SECURITY ACTIONの具体的な宣言手順は以下をご覧ください。

情報セキュリティ対策支援サイト|SECURITY ACTION自己宣言

みらデジ経営チェックとは、同業種・同地域の事業者と比べて経営課題やデジタル化への取り組み状況が確認できるチェックツールです。みらデジ経営チェックは以下のサイトから行えます。

みらデジ経営チェック

ただし、IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の要件は、細かい要件も多数あるため、詳細な要件は公募要項をご確認ください。

公募要領デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)

申請までのスケジュール

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は3次締切分以降のスケジュールは以下の通りです。

交付申請期間

2023年8月下旬頃受付開始予定

締切日

2023年10月2日(月)17時

なお、最新のスケジュールについては以下をご確認ください。

IT導入補助金2023スケジュール

必要書類

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の必要書類は申請者が法人か個人事業主か、取引先が法人か個人事業主かで条件が分かれます。具体的には以下の通りです。

申請ごとに

必要な書類

・取引先アカウント一覧【交付申請用】(事務局指定)

申請者が

法人の場合

・申請者の実在証明書

・税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書

 (「その1」もしくは「その2」)

申請者が

個人事業主の場合

・申請者の本人確認書類

・税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書

 (「その1」もしくは「その2」)

・税務署が受領した直近分の確定申告書の控え

取引先が

法人の場合

・履歴事項全部証明書(発行から3ヶ月以内のもの)

・税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書

 (「その1」もしくは「その2」)

取引先が

個人事業主の場合

・取引先の本人確認書類

・税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書

 (「その1」もしくは「その2」)

・税務署が受領した直近分の確定申告書の控え

なお、書類ごとに詳細な要件があるため、詳細は公募要項をご確認ください。

参考:公募要領デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の申請手順

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の申請手順は以下の通りです。

インボイスにも対応可能!IT導入補助金の概要や対象者について解説!_1

それぞれの手順について次で解説します。

導入ツールと事業者の選定

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の要件を満たせるITツールとIT導入支援事業者を選定します。IT導入支援事業者とは、事務局及び外部審査委員会による審査により採択を受けた事業者です。ITツールの選定や導入をサポートします。

申請手続きの一部はIT導入支援事業者が対応しなければいけないため、早めに選定することが大切です。

事前準備

事前準備で必要な手続きは以下の通りです。

  • gBizIDプライムアカウントの取得
  • 「SECURITY ACTION」の実施
  • 「みらデジ」の「経営チェック」

みらデジの経営チェックはgBizIDプライムアカウントを取得してからでなければできないため、早めに取得しましょう。

交付申請

IT導入支援事業者と商談を進めつつ、交付申請の事業計画を作成し、交付申請の手続きを行います。交付申請の手続きを受けるためには、IT導入支援事業者から、申請ページの招待を受けなければいけません

招待を受けたあとは、「申請マイページ」から必要情報を入力し、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出します。

より詳細な手続き方法については、以下のサイトをご確認ください。

交付申請の手引き

補助事業の実施

交付申請が完了し、事務局から「交付決定」を受けた後で、ITツールの発注・契約・支払いなど補助事業の実施手続きを進めていきます。交付決定前に発注や契約の手続きを進めると、補助金の交付が受けられません

補助金の交付手続き

補助事業が完了したら、ITツール導入のため、発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑を申請マイページより提出します。

事業実績報告が完了し、補助金額が確定すると、『申請マイページ』で補助額の確認が可能です。その内容を確認した後に補助金が交付されます。

事業実施効果報告

事業実施効果報告とは、事業終了後、インボイス制度への対応状況及びITツールを継続的に活用していることを証する書類を効果報告期間内に報告することです。

補助事業者が必要な情報を入力し、IT導入支援事業者に確認してもらってから、提出します。

インボイス制度に対応できるそのほかの補助金

インボイス制度に対応できる補助金はIT導入費補助金以外に以下のものがあります。

インボイスにも対応可能!IT導入補助金の概要や対象者について解説!_2

それぞれの補助金について、次で解説します。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者を対象に、インボイス制度の導入や働き方改革などに対応するため、革新的サービス開発や生産プロセスの改善に向けた設備投資を支援する補助金です。

補助金の交付を受けるためには審査が必要で、革新的なサービス開発や生産プロセスの改善について事業計画書を作成する必要があります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者を対象とし、働き方改革やインボイス制度への対応により、販路開拓をはじめとして取り組み経費の一部を補助するものです。

通常枠で上限50万円(補助率2/3)の補助金が交付され、インボイス特例を満たす場合には、上限金額が50万円上乗せされます。

インボイス特例の要件は、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者であることです。適格請求書発行事業者の登録申請手続については、以下のサイトをご覧ください。

国税庁|申請手続

事業継承・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を契機として新しい取り組み等を行う中小企業の事業再編や経営資源の引継ぎを支援する制度です。創業や事業の継承、事業再編・統合時に経営革新に取り組む際に利用できます。

事業継承・引継ぎ補助金はインボイスを直接対象とはしていません。しかし、インボイス制度の影響で事業再構築をする場合、対象になる可能性があります。

申請時に気をつけるべきポイント

申請時に気をつけるべきポイントとしては以下のものがあります。

インボイスにも対応可能!IT導入補助金の概要や対象者について解説!_3

それぞれについて、次で解説します。

ハードウェアは申請できない

 IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の補助対象は、ITツールのみが対象でハードウェアは対象ではありません。そのため、ハードウェアの導入が必要な場合、補助金なしで導入する必要があります。

IT導入支援事業者の選定後に申請できる

IT導入補助金の申請はIT導入支援事業者と共同で行います。申請手続きを進めるためには、申請ページへの招待を受ける必要があるためです。IT導入支援事業者の選定ができなければ申請手続きそのものができないため、早めの段階で支援事業者を選定しましょう。

事業が完了するまで交付されない

IT導入補助金が実際に交付されるのは、事業が完了し、請求がすべて終わった後で申請ができます。そのため、補助事業の実施に必要な費用は事前に準備する必要があるため、注意が必要です。

インボイスに対応できるIT導入補助金についてまとめました

本記事では、インボイスに対応できるIT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の概要や、手続きの手順、採択率を高めるポイントについて解説しました。

IT導入補助金デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)はインボイスに対応するためのITツール導入に活用できる補助金です。ただし、補助金の交付は事業終了後となるため、事前に資金を準備する必要があります。